L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

 

202111月に鹿児島県の小学校で親子向けの講演を行いました。依頼されたテーマは「コーディネーション」。

当日お話しした内容をブログ用にまとめ、御質問・御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;最高のコーディネーショントレーニング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33283301.html

 02;生まれてからずっと続けている運動?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33297928.html

 03;子どもたちに一番伝えたかったこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html

 04;ゴールを設定するといろいろなことが“調和”していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33345501.html

 05;人の成長(人間形成)や進化・向上は情報空間で起こる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33383147.html

 06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

 

 

 そこに意図があれば、それにコーチがいれば別

 

 ゲシュタルト能力を最大限に発揮し、抽象度の階梯をどんどん駆け上がるために欠かせないのは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

「意図」と「コーチ」。詳しくはこちらでどうぞ↓

 Q-333:最近「記憶が抜ける」vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 コーチとの縁で意図をゴール化できると、世界がどんどん豊かになり、人生そのものがますます楽しくなります。なぜでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 答えは「RAS&スコトーマの働きにより、認識するすべてがゴールの世界の一部になる」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ゴールとは、1)現状の外にある、2)心から望むことで、3)人生のあらゆる領域に設定するもの(バランスホイール)。さらに付け加えると、4)自分中心を捨て去りながら更新し続けるものです。

 L-10020218… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 ゴールを設定した段階では、まだまだ「ゴールの世界」は現状の外。止められてもやりたいといっても、臨場感が低くはっきりと感じることができません。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)として考えると、ゴール側のCZよりも現状のCZの方が圧倒的にリアルに感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その結果、ゴールの世界(ゴール側のCZ)から現状に引き戻そうとする力が働きます。その力の正体は「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」。その強力な力に抗いゴールに向かい続けることは困難です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 それなのに、なぜ現状の外のゴールに向かい続けることができるのでしょうか?

 

 答えは「プライミングが働く」から。鍵となるのが「ドーパミン」です。

 Q-356:休みの日なのに気持ちが? <vol.3;リラックスと緊張のサイクル -実践編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

ドーパミン(dopamine)は「行動を促す中枢神経系の神経伝達物質」のこと。食事で摂取したフェニルアラニン(豆類、ナッツ類)やチロシン(乳製品、大豆)を元につくられ、興奮した状態をつくるアドレナリン、不安や恐怖を引き起こすノルアドレナリンに変わります。

以前は単なる前駆物質と考えられていましたが、ドーパミンそのものが「運動調節」「ホルモン調節」「快の感情や意欲」「学習」に関わることがわかってきました。

 欲求が満たされると、その刺激が脳に伝わり、ドーパミンが分泌されます。それによって中枢神経が興奮し、喜びや楽しさという感情が生まれます。それを報酬系(reward system)と呼びます。

 

 人間の脳は何らかの報酬回路が働くときに、先にドーパミンが流れるようにできています。その現象がプライミング。詳しくは「先に受けた刺激(先行刺激)によって、後続する刺激に対する認知や判断が影響を受け、特定の行動が促進または抑制される」。

 人間の場合はさらに、腹側被蓋野(ventral tegmental areaVTA)の中脳辺縁系投射であるA10神経など、ドーパミン経路が前頭前野にまでひろがっています。だから高い抽象度の情報空間に対してもプライミングを働かせることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 それが現状の外のゴールに向かい続けることができるカラクリ

 

 

 そんなことをただ純粋にお話ししました。22ヶ月前は。

 その後、社会の様変わりを(とくに医療・介護現場で)経験し、これまで以上にプライミングの重要性を痛感しています。そのコントロールが自由に直結するからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 以下、苫米地博士の著書「脱洗脳教育論」(牧野出版、p107)より引用します。子どもたちに教えるべき“調和”について、考え感じながら読み進めてください。

 

 

■心の教育と宗教

 三つの教育のうち、特に述べておきたいことがある。

 結論から言おう。「心の教育」には、宗教を使ったほうが効果的だと。(もちろん、効果的だから、より望ましいか別問題だが。)

 私はこれまで、「すべての支配者は教育という名目で宗教を利用する」と繰り返し述べてきた。

 宗教のレベルで信じさせるからこそ教育が効果を発揮するし、逆に教育という手段を用いることで、宗教とは別物だと信じ込ませることができる。歴史上の支配者が、この原理を自らの支配強化のために利用してきたのは、紛れもない事実である。

 では、なぜ宗教を使ったほうが効果的なのか、説明しよう。

 「心の教育」を行うときには、必ず、人の生死について話さなければならない。そのためには、人が生きること、死ぬことに対する回答を何に求めているのか、という前提が大事だ。

 先に何らかの「信仰(faith)」がないと教えられないのである。

 「信仰(faith)」があるから、「証拠(evidence)」があり、そこで初めて「証拠(evidence)」に基づいた論理が成り立つ。その論理を教えることが、「心の教育」そのものであり、人の生死について教えるためには、論理の根拠としての「証拠(evidence)」、そしてその前提の「信仰(faith)」が欠かせない。

 アメリカの能力開発、コーチングの権威であるルータイスは、敬虔なカトリック信者である、彼にとっては、神への「信仰(faith)」が最も重要であり、「証拠(evidence)」はそのあとに付いてくるものである。

 たとえば、「神はいるっていう証拠を見せて」と言われると、彼の返答は「神を信じていない人に証拠を見せても、見えない。証拠は、神を信じている人にだけ見えるのだ」となる。コーチングで言えば、スコトーマ(心理盲目)の原理だ。私たちは、自分が重要だと思っているものしか見えない。

 一方、私にとっての「信仰(faith)」は科学だ。簡単に言うと、科学の目で「証拠(evidence)」を見ることができる。

 科学の目は、いまから何百億年経つと土の中から死体が蘇ってきて一斉に裁判を受けるかという話や、位牌に手を合わせて先祖を拝んでいる姿を、「証拠」だとは認めない。

 それは、私が、人が生きること、死ぬことを含めた、この世のすべての事象に対する回答を、科学に求めているからである。私の拠って立つところは科学なのだ。

 私に見える「証拠」が、盲目的に宗教を信じている人には見えない。それは、異なる「信仰」を持っているからだ。

 南部10州にいるような原理主義的キリスト教信者に、進化論を証明するデータをいくら並べ立てても、「否、その裏には神の思し召しが隠されているのだ」と反論されてしまうのである。

 このように、いかなる人にも拠って立つ信仰が見えるものをつくる。同じ国に住んでいるからと言って同じ信仰とは限らない。

 私は、本来は、「信仰」を、宗教ではなく科学や哲学に求めるべきだと考えている。

 しかし、それはとても困難なことだ。

 一つには、教える側にかなりの能力が要求される。一言で言うと、「人は死んだらどうなるの?」という子どもの疑問に対し、宗教的思想を含めずに、子どもが理解できるようにわかりやすく、説明しなければならないからである。

 つまり、「お祖父ちゃんはこれからもどこかであなたを見守っていてくれるよ」とか、「お祖母さんは天国に召されて、幸せに生きているよ」などと言わずに、死とは何かを説明しなければならない。

 もう一つには、これまで繰り返し述べてきたように、日本人はすでに儒教という宗教を心の中に持っている。すでに「儒教」という「信仰」を持っている人に、いくら科学や哲学の「信仰」で物事を説明しても、キリスト教原理主義が進化論を「神の思し召し」と一蹴したのと同じ結果を招くだけである。

 そこで私は、いわば暫定的な対応として、「心の教育」に仏教を使うことを提案する。

 もちろん本来の釈迦仏教である。

 その理由は二つある。

 第一に、繰り返し述べてきたように、差別思想を内包した儒教は教育から排除すべきであり、「心の教育」に儒教思想を入れるなど、もっての他であるということ。

 第二に、日本人が信仰しているのは、あくまで儒教などに染まった日本仏教であるとはいえ、日本人にとっては、仏教という言葉は馴染みやすく、キリスト教に対するアレルギー反応のようなものがないこと。

 私は何も、学校で仏教を布教しろと言っているわけではない。

 大昔に実在していた人物のひとりとして釈迦を紹介し、その言葉を引用して例を示し、「心の教育」を行うことを提案しているのである。

 そして、もう少し日本社会が成熟してきたら、というよりも、儒教の洗脳から解かれた段階で、科学と哲学の用語のみを使って「心の教育」を行えばいいと考えている。

 引用終わり

 

 

 今、人間社会はどんどん壊れています。

中東はもちろん、世界中で「神」を巡る争いが激化していますが、世界をおかしくしている「信仰(faith)」は「神」ではありません。

 

 では、人間社会を壊している「信仰(faith)」とは何なのでしょう?

今こそ子どもたちに教えるべき“調和”とは、一体何なのでしょうか?

 

L-144につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

ゴールを設定した段階では、まだまだ「ゴールの世界」は現状の外。止められてもやりたいといっても、臨場感が低くはっきりと感じることができません

 

 ゴール設定直後の段階ではっきりと感じられるのなら、それは「理想的な現状」です。もう一度ゴール設定をやり直してください。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 ゴールに近づくにつれ、ゴール側のイメージはどんどんvividに感じられるようになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

それはゴール達成間近であることの「証拠(evidence)」ですが、同時に新たなゴールを設定するべき「合図(sign)」でもあります。

 Q-218:わりとすぐに達成できそうなゴールを設定してもよいですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27405307.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は2/4(日)。詳しくはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33220775.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

PM-05-27自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10987549.html

F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415360.html

F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されてるか分かるようになるのですか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427647.html

 

 

脱洗脳教育論

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 脱洗脳教育論 eBook : 苫米地英人: