Q-353:傷つくような他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接することが正解なのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

  

Q:私は疲れがある時、特に傷ついた経験を思い出して、関係していた人物を攻撃しにいきたい衝動に駆られます。また、そこから人間に失望し社会で生きるのがイヤになったりもします。
 傷つく他人の言動に出くわした場合、どのような態度で接するのが正解なのでしょうか?

 

Aおっしゃっていることはよくわかります。

私は“人間関係”に関する御質問や御相談をよくいただきます。例えば↓

 Q-217:家族や人間関係のゴール設定はどのようにすればよいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27388111.html

 

共感していることを理解していただいた上で、私が必ずお伝えするのは「すべてマインド次第」だということ。すべて自分自身の選択です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

すべてマインド次第


では、そのマインドをうまくコントロールするために何を心がければいいでしょうか?

  

 以下、苫米地博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、p34)より引用しながら解説を加えていきます。「攻撃しにいきたい衝動」や「失望」「生きるのがイヤ」からピュアなエネルギーを取り出す秘訣を学んでください。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 

自己チューな人ほど深く傷つく

 先ほどの「すべての感情を娯楽にする」という話については、もう少し説明する必要があるでしょう。大人になると心はたくさんの傷でいっぱいです。心の傷から生じる感情に振り回されている大人が多いのはそのためです。

 私たちは生きている限り心に傷を負います。

 他人から心無いことを言われ、ショックな出来事に遭遇し、年を重ねるほど心の傷は増えていくでしょう。

 PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすような衝撃的な心の傷は、トラウマ(心的外傷)と呼ばれます。

 人間は誰でも心に傷を負っていますが、それがトラウマとなって心の病を引き起こすこともあれば、病とならずに癒えていくこともあります。

 では、その違いはどこにあるのでしょうか?

 引用終わり

 

 

 「すべてマインド次第」を言い換えると、「目の前の世界は各自のブリーフシステム(Belief SystemBS)が生みだしている」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

ブリーフシステムとは、人の行動や行動性向といわれる無意識の行動を決めるシステムのこと。BSは「強い情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」でつくられています。つまり、過去。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 脳の記憶特性は失敗駆動型であり、“失敗”であるほど強く記憶されます。“失敗”とは「予想と違う」「予期とは異なる」ということであり、必ずしもネガティブを意味するわけではありません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

  

 しかしながら、人が実際に思い出すのは痛みを伴うネガティブな記憶ばかり。その記憶には「辛い」「悲しい」「悔しい」「許せない」「情けない」といったwetな情動がべったりと張り付いています。

その反動が「攻撃しにいきたい」なのでしょう。ラベリングでいうと「D」です。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 では、引用の続きを。

 

 

 これは意外と理解されていないことなのですが、心の傷がトラウマになるか否か、うつなどの病気を引き起こすか否かは、出来事そのものの大きさとは関係がありません。ものすごく衝撃的な出来事でも、トラウマになる人もいれば、ならない人もいます。

 では両者で何が違うのかというと、本人にとっての理不尽度が違うのです。

 同じ衝撃的な出来事を、ある人は「とてつもなく理不尽だ!」と感じ、またある人は「ちょっと理不尽だな……」と感じる。出来事の受け取り方によって、理不尽度は異なります。

 

 では、何が理不尽度の差を生むのかというと、それは自己責任感の大小です。

 ショックな出来事に対して「自分にも責任がある」と感じる人にとって、その出来事の理不尽度は小さく、反対に、その出来事に対して「自分には責任がない」と感じる人にとっては、理不尽度は大きくなります。

 つまり、ショックな出来事に対して「自分にも責任がある」と考える人は、心の傷が深くならない。反対に、嫌な出来事が起きたときに「自分には責任がない」と考える傾向の人は、心の傷が深くなります。

 引用終わり

 

 

 私個人は理不尽度と自由度は反比例の関係であると理解しています。ここでいう自由とは、束縛を前提とした自由ではなく、文字どおりの「自らに由る」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 BSと時間との関連でいうと、過去の記憶でつくられたBSではなく、未来の記憶により自らつくりだす新たなBS。つまり、ゴール設定により「自らに由る」という自由度が高まるということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 そのように考えると、「理不尽度の差を生みだすのは自己責任感の大小」という言葉の意味が、もう一段深く(そして重たく)感じられるのではないでしょうか?

 PM-06-09:仮説04)自由と責任の関係の理解不足

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958864.html

 

 ぜひ“ゴールのポイント”をイメージしながら思い巡らせてください。気楽にw

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 引用を続けます。

 

 

 例えば、キレやすい職場の先輩が「この仕事、急ぎで頼むよ!」とこちらの都合を考えずに仕事を丸投げしてきたとします。あなたは自分の仕事で手いっぱいで、先輩の頼みを引き受けると土日をつぶさなくてはいけなくなる。しかし、その先輩はキレやすくて、これまであなたは何度も先輩の怒りを買った恐怖体験がある。なので、あなたはこんなふうに丁重に断ります。

 「今、僕も忙しくて……。すみませんが、ほかの人に頼んでもらえませんか」

 すると、先輩は急に怒りだし、

 「オレだっていつもお前の仕事を手伝ってやってるじゃないか! オレに向かって何様のつもりだ?!

 とキレてしまう。そのキレ方があまりにも激しいので、あなたはトラウマになりそうなほどのショックを受ける……

 このような場合、あなたには二つの反応の仕方があります。

 「こっちの状況を考えずに無茶ぶりしてくるあんたが悪いんだろ!」

 と心に傷を受けつつ、「自分には責任がない」ことを前提に相手を責めるパターン。

 もう一つは、相手を責めたい気持ちをぐっとこらえ、

 「先輩も忙しくてイライラしてるんだな。確かに、オレの方も先輩に手伝ってもらってることもあるし、お互い様だよな」

 と、客観的に状況を見ようと努め、自分の責任も認めるパターン。

 

 前者のように「自分には責任がない」と考える場合、先輩との関係がギクシャクするのは必至です。

 一方、後者のように「自分にも責任がある」と考える場合、先輩にキレられたショックを引きずる可能性はかなり低くなります。

 理不尽な出来事に遭遇したときに、「なんの責任もないのに自分だけひどい目に遭った」と相手を責めるだけの人は「自分中心な人」、いわゆる「自己チューな人」です。自分中心な人は、同じ出来事を前にしても、自分中心ではない人よりも心の傷が深くなります。そして、その心の傷に長くとらわれてしまうことになります。

 ここでいう「自分にも責任がある」とは、例えば夜道を一人で歩いていて暴漢に襲われた女性に対し、不用心な彼女にも責任がある、などと責めることとは違います。そうではなく、私たちは生きていく以上、さまざまな理不尽を引き受けていかねばなりません。それが生きていくということだからです。さまざまな理不尽を引き受け、この世界の理を踏まえて生きていく心構えのことを「責任」と言っているのです。

 引用終わり

 

  

 理不尽な出来事に遭遇したときに、「なんの責任もないのに自分だけひどい目に遭った」と相手を責めるだけの人は「自分中心な人」、いわゆる「自己チューな人」です。

 

 その「自分中心」を克服していくのがコーチングです。ゴールの抽象度を上げていくことで、自分中心を捨て去ることができます。

 L-10020218… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 自分中心を捨て去る

それはつまり、「自我を拡張していく」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

  

 自我が拡張すればするほど、「関係していた人物」も、「人間」も、そして「社会」までも、“自分”と感じられるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

そして、その“自分”に対しての確信が高いほど、トラウマ化しにくくなります。理不尽度が下がるから。私は、その確信=責任(=覚悟)がエフィカシーだと思っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 まずはゴールを見直してみましょう。人生のあらゆる領域のゴール(バランスホイール)を再確認してみてください。気楽にw

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

 

バランスホイール

 

 

正解」は、つねにゴールにより決まります。自分自身の心の中で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

態度」は、そのときの状況で変わるもの。ゴールを達成している自分にふさわしい、その時点でベストと思える「態度」を選択してください。

L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

いずれにせよ重要なのは、「“自分”の自由意志でこの世界を生き抜く」という決意。それが「自責」です↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 

以上が私の回答です。

御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 最近、こんな御意見をいただきました。ありがとうございます。

 

 『覚悟』と言う言葉の持つ語感は、『覚悟を持たなければならない(have to)』に感じてしまい、自分にとっては『本気』の方がしっくりきます

 

 まったく同感です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 それでもあえて、私は「覚悟」という言葉を使います。

 F-100:芸術は爆発だ!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催はR6.2/4(日)<←1/28から変更しました>の予定。テーマは「コーチングのコア×how?」です。4週前に御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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