L-127:2021年11月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -08;「苫米地式コーチング」にとって最も大切なポイント
2021年11月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた研修を行いました。テーマは「心豊かに働き、心豊かに生きるために」。
当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見(橙色で表示)に回答いたします。
(関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)
01;イントロダクション
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32612689.html
02;「心豊か」はゴール次第
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32648883.html
03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32663640.html
04;ゴールが見つからないときは…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32698474.html
05;働く仲間とゴールを共有するワーク
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32710871.html
06;マインドが変わると、“現実”が書き換わる(ワーク付き)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32748380.html
07;すべては自分次第。その自分とは…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32763806.html
08;「苫米地式コーチング」にとって最も大切なポイント
□聞いたことがない言葉が多く、難しかった
□用語の意味がわからないところが多くあった
…前回(L-126)はスコトーマに関する御質問・御意見を中心に取り上げました。そのスコトーマについて掘り下げましょう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
スコトーマはギリシア語由来の言葉で、「盲点」を意味します。発見者であるフランスの物理学者にちなんで「マリオット盲点(暗点、盲斑)」と呼ばれたりもする医学用語です。
「盲点」とは網膜上の視神経乳頭にあたる部分で、そこは視細胞がないために光を感じることができません。
その生物学的盲点(物理空間)を、コーチングの祖
ルー・タイスさんが心の空間(情報空間)にまで拡張した「心理的盲点」が、コーチングでいうスコトーマ(scotoma)です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
スコトーマを生みだす/外すポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。
F-258:不満と傲慢のはざまで…
<vol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html
スコトーマは、誰にも、必ずあります。もしもスコトーマがないのなら、それは1)全知識を持ち、2)全てが重要で(あるいは全て重要でない)、3)全てに役割(責任)を持つ存在。
それを仏教では「ブッダ」と表現します。仏教の開祖
ゴータマ・シッダールタ(紀元前463年~紀元前388年頃)を代表とする「悟りを開いた人」のことです。
PMⅠ-02-16:空観、仮観、中観
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
釈迦哲学の根幹は縁起。「関係が存在を生みだす」という縁起は、「普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という“無常”に行きつきます。
PMⅠ-02-15:縁起
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリはない)」と「この世は心(マインド)が生みだしている」。これらはコーチングにおいても重要なプリンシプルです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html
希望や夢がスコトーマに隠れてしまうと、絶望しか感じられなくなります。反対に、スコトーマを上手くコントロールできると、どんな逆境の中にも希望を見いだせるようになります。
F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html
今回は、私たち認定コーチのバイブル(釈迦の話をしていたので「仏典」と表現した方がよいですねw)でもある苫米地博士の著書「隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング」(インデックス・コミュニケーションズ、p45)より3回に分けて引用します。まずはこちらから。
十 スコトーマに気づいたルー・タイス
今も申し上げたように、私はルー・タイスの依頼を受け、TPIの二つの新しいプログラムの開発を共同で進めてきました。
そもそもは、ルー自身がこれまでの方法に間違いがあったことに気づいたことが発端でした。
それまでの彼は、プログラムで一番大切なゴール設定を、研修委託先の組織のトップが決定することをよしとしていました。つまり、
「よりお金を稼げるようになれ!」
「今以上にシェア拡大に努めよ!」
といったゴールを達成するためのアイテムとして、TPIプログラムが使われていたのです。
ところが、年数を経るにつれて、「何か間違っていないか……」と、ルー自身が違和感を覚えるようになりました。そこで、
「これまでは私が開発したプログラムでうまくいっていたが、それだけにスコトーマ(盲点)がある気がしてならない。一緒に検証してくれないか」
と私は相談を持ちかけられ、話し合いました。その結果、これまでのプログラムには脳機能科学的に裏付けが可能でないものがあることや、さまざまな補強が必要なことが発見できました。
引用終わり
ところが、年数を経るにつれて、「何か間違っていないか……」と、ルー自身が違和感を覚えるようになりました
…大切なのは違和感です。違和感がゆらぎを生みだします。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html
□例えば「黄色」を探せば身近にたくさんあることに気づく。自分が様々な出来事や状態にしっかり気づけているのだろうか…
…とても重要なことに気づかれています。その「しっかり気づけているか?」という自問(内省言語)を大切にされてください。
L-079:2021年3月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html
「何か間違っていないか?」「何かおかしくないか?」という違和感は、無意識が発している警告なのかもしれません。その違和感こそがスコトーマを外す第一歩です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
では、再び「苫米地式コーチング」(p46)から引用します。
スコトーマに気づくことは非常に大切なことです。人間は知れば知るほど、学べば学ぶほど、気がつかないことが出てくるものです。そして、その呪縛にとらわれてしまい、あなたの中に眠っている能力を活かすことができなくなっていくのです。
「人間は空を飛ぶことはできない」
飛行機が開発される前の時代の人間にとって、これは当たり前のことでした。この常識にいつまでも縛られていたとしたら、人間は今でも飛行機を生み出すことができなかったかもしれません。
常識の中に横たわっているスコトーマに気がついたとき、人間は大きく飛躍することができるのです。
逆にスコトーマがあって、自分自身の能力を使わせないまま錆びさせてしまう人たちが本当にたくさんいます。
スコトーマを発見することは、「苫米地式コーチング」にとって最も大切なポイントの一つなので、どんなときも忘れないでください。
引用終わり
□ゴール設定の重要さと難しさを感じました
…私たちが存在する(と感じている)物理空間は、情報空間のうち最も抽象度が低い次元です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
ゴールは“現状の外”に設定するもの …その“現状の外”とは、より高次の抽象度次元であり、必ずスコトーマの中。だから、そもそも認識することができません。それが1つ目の難しさ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
幸運にも“現状の外”にゴールを設定できたとしても、ゴール実現を確信し続けること、すなわちエフィカシーを維持し続けることは簡単ではありません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
ゴールをあきらめ、今までの現状に戻ろうとする強力な力(ホメオスタシス・フィードバック)が働くから。それが2つ目の難しさ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
ゴールを設定でき、エフィカシーを十分に高められたとしても、必ずゴールを実現できるわけではありません。情報次元のNot Normalなイメージを物理次元で現実化するためには、豊富な知識と確かな技術が必要だから。もちろん、お金や時間といったリソースも。それが3つ目の難しさです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
ライト兄弟が世界初の有人動力飛行に成功したのは1903年。当時のほとんどの人が空を飛べるなんて思わなかったはずです。きっと「絶対に無理」とバカにされ、「crazy boys」などと陰口を叩かれたのでしょう。
でも、二人はやり遂げました。
そして、それから66年後(1969年)に人類は月に行き、今は火星に向けて飛び立とうとしています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
誰もがとてつもない“力”を秘めています。
その“力”を覚醒させる秘密が「〇〇したい」という思い。そして、その“力”を爆発させる秘訣が「必ずやり遂げる」という覚悟です。
F-100:芸術は爆発だ!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html
以下、「苫米地式コーチング」(p47)から引用します。
さて、TPIプログラムについて特に私が強く主張したのは、「新しくプログラムを組み立て直して、受講する人自らがゴールの設定を見つけ出すものにしていかなくてはならない」という点でした。
つまり、本来、自分が達成するゴールにとって重要なのは、何かを分析して、「無限の力」を持つ自分を見出そうとすることです。
そこに、脳機能学者である私が、広く一般に知れ渡っている「抽象思考のノウハウ」や「脳と心を書き換える技術」などを反映させ、現在もプログラムの開発を継続的に進行しています。
つまり本書は、世界で毎年二百万人以上の人が受講してきたルー・タイスの自己啓発プログラムのノウハウと、私が行ってきた最先端の脳機能科学の研究による成果を結びつけたコーチングの本なのです。
「苫米地式コーチング」は、根本的なコーチングの考え方にさらなるヒントを与えることによって効果を発揮し、あなたのまったく経験のない分野でも臆せずコーチングができる自信を与えることになるでしょう。
一見すると信じられない不思議な話に聞こえてしまうかもしれませんが、本書は従来の「コーチング本」とはずいぶんと違う内容になっています。
私がみなさんにお伝えするコーチングの方法は、特定の人にしか通用しないというような内容ではありません。多くの人が実践して成功しているものです。
私たちのプログラムの内容をわかりやすく噛み砕き、日本における人材教育の場で役立てることができる入門の書として活用してください。
引用終わり
本来、自分が達成するゴールにとって重要なのは、何かを分析して、「無限の力」を持つ自分を見出そうとすること
…「ゴール」と「ゴールの設定」がコーチングのコアです。
L-069:2020年11月シークレットレクチャー -04;ゴールこそがコーチングのすべて
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29018262.html
まずはゴールによってエネルギーと創造性を生みだし、エフィカシーによって火をつける
…それが本物のコーチング(Authentic
Coaching)です。
(L-128につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
ライト兄弟が世界初の有人動力飛行に成功したのは1903年。当時のほとんどの人が空を飛べるなんて思わなかったはずです。きっと「絶対に無理」とバカにされ、「crazy boys」などと陰口を叩かれたのでしょう
…「crazy boys」と聞いて私が思い出すのは(トリガー)、「chance!」「foolish war」「next gate」「try again」「color field」…(アンカー)
(わかってもらえるかな~)
F-158:無我夢中 <前編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html
-告知1-
今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html
次回の開催は11/26(日)。詳しくはこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32734556.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-033:その男、〇〇につき
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533150.html
F-055:おもしろき こともなき世を おもしろく
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12931592.html
F-064:「第九」に込められたベートーヴェンの思い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14248557.html
F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html
Q-175:脳内の歩くというイメージの臨場感を上げて物理世界で実際に歩いているということになるのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html
Kindle版はこちら↓
隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング | 苫米地英人 | リーダーシップ | Kindleストア
| Amazon
コメント