L-122202111月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 

 202111月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた研修を行いました。テーマは「心豊かに働き、心豊かに生きるために」。

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)

 

 01;イントロダクション

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32612689.html

 02;「心豊か」はゴール次第

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32648883.html

 03;ゴールがスピリチュアルペインを解決する

 

 

 前回(L-121)、WHOの「健康」の定義を確認しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 

 

 Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual, and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

 

健康とは、身体的に、心理・精神的に、スピリチュアルに、そして社会的に完全に良好な(well-being)ダイナミックな状態であり、単に病気がないとか、弱っていないということではない

 

 

 「身体的」「心理・精神的」「スピリチュアル」、そして「社会的」に完全にwell-beingな人など、本当にこの世に存在するのでしょうか?

 

 現実は、年を重ねるごとに身体的苦痛が増え、心理・精神的苦痛を抱え、そして社会的苦痛に悩むようになります。「老後やお金の不安、人間関係の悩みなど尽きることがない」というのが、多くの人にとっての正直な感想のはず。

 (「人間関係の悩み」の解決はこちら↓)

 S-04~:さぁ「人間関係の悩みを克服する旅」をはじめよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_397885.html

 

 

 ところで、皆さんは「全人的苦痛(total pain)」という概念をご存じでしょうか?

 

 「全人的苦痛(total pain)」は、「身体的」「心理・精神的」「スピリチュアル」「社会的」という各ゲシュタルトでの苦痛を、さらに統合して“ひとつ”とみる概念です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 「統合して“ひとつ”とみる」は、「抽象度が上がる」と同義。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度が上がると、今まではスコトーマに隠れていた問題(case)とその解決(plan)を知ることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 おそらくほとんどの人にとって、スコトーマに隠れているのが「スピリチュアルペイン」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「スピリチュアルペイン」は、一般的には「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」とされています。その芽生えは“思春期”のはず。ですよね?

 F-120:男はつらいよ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21034159.html

 

 ところが、大人になるにつれ徐々に忘れていきます(=スコトーマに隠れる)。そして、中年期や老年期での老病死(+生で四苦)を縁に、突如「スピリチュアルペイン」を再認識することになります(=スコトーマが外れる)。

 PM-04-12:次世代型緩和ケアの鍵となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html

 

 「スピリチュアルペイン」がスコトーマに隠れている間、多くの人が「苦痛」と聞いて思い浮かべるのが「身体的苦痛」のはず。その代表が疼痛(とうつう)。疼痛は「組織の傷害あるいはそれに関連付けて述べられる不快な感覚的かつ情動的体験」と定義されています(国際疼痛学会)。

 つまり、痛みは主観的表現であり、情動が紐付いているということ。その体験は情動記憶となり、人の心理的特性を形成していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 医療現場ではとくに「身体的苦痛」と「心理・精神的苦痛」が強く相関しているように感じられます。それもそのはず、そもそも「身体と心は同じもの」です。同じものの抽象度の違いにすぎません。

 03;身体と心は○○○○ -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

 

 抽象度とは「情報空間における視点の高さ」を表すもの。抽象度が上がるほど、情報量は少なくなります。じつは目の前の世界は階層化された情報空間であり、その底面が物理空間です。もともとすべてが情報であり、その情報処理(心)の物理空間への写像が身体といえます。

 04;身体と心は○○○○ -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 *情報空間はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「身体と心は同じもの」であるので、「身体的苦痛」「心理・精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」も同じものの抽象度の違いといえます。よって、どれか1つだけwell-beingということはありえません。

 だからこそ、すべてを統合して「全体(total)」としてみる視点をしっかり維持しつつ(冗長性)、その上で必要に応じて適切な抽象度で「部分」をマネジメントする感覚が重要になります(多様性)。

 F-269~:冗長性と多様性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422834.html

 

 下記の図で、「スピリチュアルペイン」は他の3つの苦痛(身体的、心理精神的、社会的)と同じ2次元平面上に並べられています。しかしよく見ると、他の苦痛を包摂しているように描写されています。

 

 

全人的苦痛(トータルペイン)

厚生労働省HP>第2回終末期懇談会 資料2-2より引用

終末期医療に関する懇談会 (mhlw.go.jp)

 

 

 私は「すべての苦痛の元となる“根源的な痛み”がスピリチュアルペイン」だと考えています。

 

スピリチュアルペインが、物理空間で身体的苦痛として、情報空間で心理・精神的苦痛として表現され、さらに多次元の階層にまたがって社会的苦痛を生みだしている

 

そんなスピリチュアルペインを一言で表現すると「空(くう)」。あるともないとも言える痛みであり、まったく気にならなかったのに突然襲ってくる痛みです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 老病死の臨場感がスピリチュアルペインを呼び覚ますのは事実ですが、老病死が直接的にスピリチュアルペインを生じさせるわけではありません。老いや病を契機に「自分はいつか死ぬ」という当たり前のことをスコトーマが外れて実感することで、「『自己の存在と意味』がわからないというスピリチュアルペイン」をずっと抱えながら生きてきた事実に気がついてしまうということです。

 

 「自己の存在と意味を確信していない」や「生きる意味(=死ぬ意味)が分からない」というのは、「ゴールがない」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 だから、スピリチュアルペインの解決には、コーチングが役にたちます。

 L-00720201月シークレットレクチャー -07;スピリチュアルペインとは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

 そう、まず取り組むべきはゴール設定!

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

ゴール設定がシンの人生のスタートです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

L-123につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

「自己の存在と意味を確信していない」や「生きる意味(=死ぬ意味)が分からない」というのは、「ゴールがない」ということ

 

 ゴールがないままであれば、スピリチュアルペインに苦しむだけでなく、人生のどこかで必ず後悔することになります。その後悔は、苦痛をさらに増幅してしまうでしょう。

以下、苫米地博士の著書「ため息をやめれば年収1億円への道が開ける」(宝島社、p146)より引用します。悔いのない人生を思い描きながらお読みください。Feel

 

 

どうして人は後悔をするのだろうか

 過去の出来事を後悔し、「あのとき、こうしていれば……」と思うことは、誰にでもあることです。進学、就職、結婚……など、私たちは様々な決断に迫られ、その選択に対して、悔恨の念を抱いたりします。

 「どうして、A大学に進学したのか、B大学にすれば……」「今の会社に就職したのは間違いだった」「この人と結婚したのは失敗だった」といった具合に、人生においてため息混じりに過去を振り返ることも、きっと多いはずです。

 

 では、そもそも人間はどうして後悔をするのでしょうか?

 

 それは、何かを選択するときに自分の意志で主体的に行わずに、自分とは別のところに基準を置いて、決断しているからです。

 つまり、本当に自分が心から望んだ選択をしていないから、得られた結果に後悔するのです。

 また、「こうすればよかった」というような結果論は、長い人生においては全く無意味な考え方です。なぜならば、人生の本当の結果は死ぬまでわからないからです。

 今、望んだ結果に失望していても、それが10年後、20年後にはプラスの評価に変わっている可能性もあります。にもかかわらず、今の自分の立ち位置を絶望的だとか最悪だとかネガティブに評価することは、論理的に見ても極めておかしな話です。

 自分が心底望んで選んだことに対しての結果からは、決して後悔は生まれません。そこを理解して、これからは自分ですべてを選択すると決意すれば、過去の体験に対する後悔は生じなくなるでしょう。

 

 自分が主体的に選択したことに対する結果に対しては後悔は生まれない

引用終わり

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は11/26(日)の予定です。10月下旬に御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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