L-121:2021年11月医療・介護研修(医療法人、鹿児島県)レポート -02;「心豊か」はゴール次第
2021年11月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた研修を行いました。テーマは「心豊かに働き、心豊かに生きるために」。
当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。
(関係者の皆さま方、大変長らくお持たせいたしました)
01;イントロダクション
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32612689.html
02;「心豊か」はゴール次第
心豊かに働き、心豊かに生きる
…私にとっての「心豊か」とは、幸福(well-being)のこと。
私は平和に至るマインドの変化が「anti→with→well」であり、そのプロセスそのものが“幸福(well-being)”だと思っています。
F-176:“幸福(well-being)”とは?… -1;ゴールが幸福を定義する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25101418.html
もちろん、幸福は人それぞれ。各自のゴールが、ダイナミックに自身の幸福を定義していきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
自身の幸福、つまりゴールを考え抜くことは、「自己の存在と意味」を明らかにします。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
その思索と発見(=スコトーマが外れる)が、スピリチュアルペインを克服するきっかけになるはずです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
*スピリチュアルペインはこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html
ところで、WHO(World
Health Organization、世界保健機関)の「健康」の定義をご存じですか?
1998年のWHO執行理事会では、下記のような定義が採択されました。
(その後のWHO総会では採択は見送られているそうです)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html
Health is a dynamic state of complete
physical, mental, spiritual, and social well-being and not merely the absence
of disease or infirmity.
健康とは、身体的に、心理・精神的に、スピリチュアルに、そして社会的に完全に良好な(well-being)ダイナミックな状態であり、単に病気がないとか、弱っていないということではない
…私は、このWHOの定義には少なくとも3つの課題(case)があると考えています。1)不完全性が考慮されていない、2)物理空間と情報空間の関係がはっきりしない、3)「well-being」が実観化している …です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
1)不完全性が考慮されていない
不完全性が証明された現代において、“唯一絶対のモノサシ”は存在しません。完全な存在はあり得ず、すべてが相対的、あるいは主観的です。
したがって、まず「complete」でつまずきます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html
2)物理空間と情報空間の関係がはっきりしない
WHOの健康の定義中の「身体的」は物理空間であり、「心理・精神的」は情報空間です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
そして、「社会的」は自我の定義にも関わる縁起のことであり、宇宙全体に拡大しているつながりのこと。その自我=宇宙についての探究が「スピリチュアル」であるはず。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
認知科学前の西洋科学(哲学)では、「まず物理空間があり、それとは別に存在する情報空間とどこかで結びついている」と考えられていました。医学で例えるなら、「体と心は強く結びついている」「心身は強く相関している」という考え方。
それは「体」と「心」が違うことを前提とした上での「結びついている」「相関している」です。
Q-249:病気をどのように考えていますか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28540879.html
認知科学者 苫米地英人博士が提唱されている超情報場理論において、物理空間とは「情報空間の一部であり、一番情報量が多い次元」のこと。つまり、体と心はそもそも同じものであり、「体と心」でひとつと考えます。
L-003~4:2020年1月シークレットレクチャー -03;身体と心は〇〇〇〇
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
「物理と情報」「体と心」でひとつ。
物理と情報の関係、そして体と心の関係は、ただ抽象度が違うだけ
です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
よって、「身体的」「心理・精神的」「スピリチュアル」「社会的」はそれぞれ別個に独立して存在しているものではなく、同じ生命現象の抽象度の違いにすぎないといえます。同じものですので、どれかだけ「well-being」というのはあり得ません。
コーチングでいうバランスホイールと同じように、そのすべてが満たされるように心がけなければ、決して「well-being」は実現しません。
Q-255:バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html
3)「well-being」が実観化している
「well-being」の日本語訳は、「幸せ」や「幸福」、あるいは「満足できる状態」です。それらは確固たるものとしてどこかに存在するものではなく、自分の心がつくりだす幻想です。それが空(くう)。その空が抜けた考え方が実観です。
PMⅠ-02-16:空観、仮観、中観
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
繰り返しますが、各自のゴールが、自身の幸福を定義していきます。「ゴールが先、幸福は後」です。
Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html
(L-122につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
「well-being」の日本語訳は、「幸せ」や「幸福」、あるいは「満足できる状態」です。それらは確固たるものとしてどこかに存在するものではなく、自分の心がつくりだす幻想です。それが空(くう)。その空が抜けた考え方が実観です
…以下、苫米地博士の著書「ため息をやめれば年収1億円への道が開ける」(宝島社、p72)より引用します。すべてが自分の心がつくりだす幻想であることを意識に上げながらお読みください。Feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html
なぜ思い悩むのか 満たされない心と眠れない夜
長引く平成不況のせいか、心に悩みや葛藤を重ねる人が増えています。悲しみや怒りに日々縛られて、鬱屈した生活を送っている人たちの苦しみは並々ならぬものでしょう。そして、そうしたマイナスの情動は過去の記憶に起因しています。
過去の悔しい記憶が急に蘇ってきて、眠れない夜を過ごしたことがある人も多いでしょう。その過去は遠い昔だったり、昼間に体験した近い過去だったりと様々ですが、あまりにもそうしたマイナスの情動を反復して思い出すことは生きる活力を奪い、やがてトラウマというマイナスの長期記憶として固定化されるおそれがあります。
そもそも悔しいとか、他人を許せないほど憎む感情とは、どこからきているのでしょうか。
たとえば、常日頃から目にかけてきた部下から思いがけず侮辱の言葉を投げかけられたとします。あなたはそれに対して裏切られたという思いと、それに伴う激しい怒りを抱くかもしれません。「自分はこんなに部下のことを思って行動してきたのに、そんな言い方はないだろう」とマイナスの情動で心は満たされ、夜も眠れないほど思いつめるかもしれません。
あるいは今までともに歩いてきたパートナー(妻や共同経営者、親友など……)から自分の存在価値を全否定されるほどの罵詈雑言を浴びせかけられて、怒りを通り越して、絶望や悲しみにとらわれるかもしれません。
しかし、ここで視点を変えてみてはどうでしょうか。
あなたの部下は当たり前のことですが、あなたとは全く別の人格をもった他者です。その他者がどうしていつもあなたが思い描く期待通りの言動をとらえなければならないのでしょうか。部下にしてみれば、あなたは単に小うるさくて、そのくせ自分に仕事を押し付けてばかりの無能な上司と映っているかもしれないのです。そう、あなたは自分勝手なイメージを他人に押し付けて、それに相手が反しているから、怒りという情動に縛られているのです。
パートナーからの心ない言葉も、同様です。単にあなたが相手に勝手な幻想を抱いていただけです。自分はこれだけ相手のためにいろんな努力をしているのだから、当然相手も感謝しているに違いないなどと、自分勝手な信念にとらわれていただけに過ぎません。
では、どうしてこのような他者に対する歪んだ認識が生じるのでしょうか。
それは「自分は正しいのだから、すべてが自分が思っているようにならなければならない」と考えているからです。しかし、それはあなただけの信念であり、その信念を根幹とする自我に過ぎません。そして、人間は自分にとって、その信念や自我が維持されている状態(コンフォート・ゾーン)が最も快適なので、その状態を維持しようとして、自らの思い違いになかなか気がつくことがないのです。それはいわば、自分の考え違いが心理的盲点(スコトーマ)となっている状態と言えます。
「今まで真面目に生きてきたのに、なぜ自分だけがこんなに不幸な目に遭うんだ」「自分だけが会社でどうして正当に評価されないんだ」などと、人はしばしば「自分だけ」を連発して自らの不幸を呪いますが、それは論理的には正しくありません。あなたが犯罪や事故に巻き込まれたり、会社で理不尽な扱いをされたりするのは、単に確率の問題に過ぎないからです。そこにおいては、過去に自分がどう生きてきたかということは全く関係ありません。何度も言っているように過去と現在の間には何の因果関係もないのです。ちょっと、厳しい言い方になりますが、「普通に生きてきたのに」や「こんなに努力したのに」などと考えて、今の自分の窮状を嘆くのは無意味な行為なのです。
しかし、それでも人は悩みます。ため息をつきます。眠れない夜を過ごします。そして、時にはその出来事がトラウマになってその後の人生を狂わせたりするのです。
結局のところ、「正しい生き方をしてきた私がこんなひどい目に遭うはずがない」という思い込みが、一つの信念となってしまい、そこから抜け出せなくなっているのです。
私たちの自我は過去の記憶によって構成されています。その過去の記憶によって自分の中に間違った信念(ブリーフ)が出来上がれば、それが執拗に責め苛み続けます。
しかし、こうした苦しみから逃れることは可能です。要は、嫌な出来事や、悲惨な経験を擬似的に「忘れる」ように務めるのです。その際、前頭前野の中にある嫌な記憶のインデックスにアクセスしないように意識付けを行います。
過去の経験自体を「なかった」ことにすることはできませんが、このように少なくとも記憶の中から苦しみと痛みとともに何度も呼び覚ますようなことはやめることができます。そのとき、何度も述べているように、過去は現在をいかなる形でも制約することはできない、と視点を切り替えることが役に立ちます。
自分だけの思い込み、間違った信念から解放されよう
人はいかなる形でも過去に縛られることはないと思う
引用終わり
-告知1-
今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html
次回の開催は11/26(日)の予定です。10月下旬に御案内いたします。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
PMⅠ-01-11~17:超情報場理論
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html
PMⅠ-04~:苫米地理論で見える医療・介護現場のスコトーマ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_124524.html
F-163~:antiからwith、そしてwellへ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404044.html
F-176~:“幸福(well-being)”とは?
~「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html

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