F-314:デジタル自傷行為 <plan-side -2;ゴール×エフィカシーの“秘密” -前編-

 

 「デジタル自傷行為」という概念をご存じですか?

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 デジタル自傷行為とは、「ソーシャルメディアに匿名で自分を傷つけるような内容の投稿をしたり、それを他者に送ったり共有したりする」というもの。

 

 米ウィスコンシン大学オークレア校Cyberbullying Research Centerの研究(2019年)によると、米国の中高生4972名の調査によって、1)8.6%の生徒が自分に関する意地の悪い投稿をしている、2)5.1%が自分に対するネットいじめを経験している ことが明らかになったそう。

つまり、約9%の若者がデジタル自傷行為を行っているということ。

 さらには、デジタル自傷行為経験者は、1)死にたいと思う(自殺念慮)確率が5~7倍高い、2)実際に自殺を図る(自殺企図)確率が9~15倍高い こともわかりました。

 

 「デジタル自傷行為」を生みだした現代社会が抱える課題(case)と解決(plan)について、コーチとして考えてみました。

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 case-side -1;ブリーフシステム・RAS&スコトーマ

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 case-side -2;エフィカシーが下がりきった状態=〇〇

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 plan-side -1Appetite for Destruction

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 plan-side -2;ゴール×エフィカシーの“秘密” -前編-

 

 

テーマは“デジタル自傷行為”。

 それは情報空間での運動=思考のことであり、ブリーフシステムによる無意識下の情報処理のことです。

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 本当はほぼすべての人が“デジタル自傷行為”を行っていて、各自の目の前にひろがる世界はその“自傷”の投影です。苫米地博士の言葉を借用すると「ブス」。

 でも、それは本当の姿ではありません。誰もが「ブス」であるはずがなく、世界は決して「ブス」なんかではありません。

 

 本来の姿とはまったく異なる「ブス」に閉じ込められ、しかもその事実に全く無自覚である

 

それが、私が感じている社会の課題(case-side)。その解決(plan-side)は、もちろんコーチングです。

 

 コーチングのコアは「ゴール」と「エフィカシー」ですが、そのゴール×エフィカシーには重大な“秘密”が隠されています。その“秘密”とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴール×エフィカシーが、“自傷”が投影された現状を破壊し(Appetite for Destruction)、新たな現実を生みだす

 

 ゴールがまったく新しいImageImagination)を生みだします。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 そのImageとは、ゴール側のコンフォートゾーン(CZComfort Zone)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そのCZのレベルがエフィカシーです。

 Q-310:私のまわりではそうでもvol.5:コレクティブ・エフィカシー -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 

 ここでいう“レベル”とは、ホメオスタシス・フィードバックの強度のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 つまり、一般的に「ゴールを達成する自己能力の自己評価」と定義されるエフィカシーは、臨場感(sense of reality)の鍵であるということ。「ゴールを達成する(している)自分」に対する臨場感(=Vividness)の高さがエフィカシーです。

 F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? <vol.1~3;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 ゴールを設定し(I)エフィカシーを上げていくほど(V)、“自傷”が投影された現状よりもゴール側のCZにホメオスタシスが働くようになります。すると、どんどんスコトーマが外れ、ゴールを達成する方法をクリエイティブに発見(発明)していきます。

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 シンプルに表現すると、

 ゴール×エフィカシー →ホメオスタシスが変化 →CZが移動 →スコトーマが外れる →invent on the way →現実化(ゴール達成)

 

 それが「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。

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 以下、苫米地博士の著書「現代洗脳のカラクリ 洗脳社会からの覚醒と新洗脳技術の応用」(ビジネス社、p125)から引用します。“新たな現実を生みだす”ための極意を感じてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

現実にあるもの

 最後にもうひとつ、人が洗脳されるポイントを紹介しましょう。

 それはリアリティです。

 何度も説明していますが、映画を見ている間の私たちは変性意識状態であり、そこで展開されるストーリーに夢中になることで“現実”を書き換えられています。

 しかし、映画が終わり、映画館を一歩外に出れば、正気に戻ります。いくら『スター・ウォーズ』に夢中になったからといっても、フォースの力を使って、ものを動かそうなどとはあまり思いません。

 その一方で、『燃えよドラゴン』などのカンフー映画を見たあとはどうでしょうか?

 男子は特にそうですが、むやみに突きを打ち、足を高く蹴りあげてみたくなります。数日後、空手道場に入って身体を鍛え始めてしまう人も出てくるでしょう。身体反応だけでなく、現実の生活まで変わってしまうこともあります。

 同じ映像というジャンルなのに、この違いはどこにあるのか、というとリアリティの差です。

 カンフーは現実の世界に実在するものですが、フォースはありません。この差が大きいのです。

 オウム真理教の入り口も実はここにありました。

 信者たちはスピリチュアルに傾倒していましたから、麻原彰晃が行った空中クバンカなど、一見超人的に見える写真は強烈な刺激でした。「こんな凄いことができる人間がいる。しかも日本にいる!」といったリアリティが信者たちを動かしたのです。

 情報番組を見て、バナナやコーヒーが売り切れになったのも同じ理由です。

 情報操作だけではそう簡単に洗脳はされません。いえ、洗脳はされるのですが、対象物が現実にないと行動を起こすことができず、結果的としても洗脳が起きにくいのです。

 『スター・ウォーズ』と『燃えよドラゴン』との違いもここでした。

 『スター・ウォーズ』があまり行動を促さないのは現実的な行動として起こせるのがコスプレぐらいだからです。

 一方、『燃えよドラゴン』の場合は、行動の選択肢がいくつもあります。コスプレもそうですし、ヌンチャクを買って振り回すこともできますし、道場に入門するという道もあります。

 もしも、映画館の目の前に道場があれば、つい入門してしまう人もいたはずです。

 このように、その気になったときに現実的な行動を起こせるものがあることが洗脳には重要です。

 1970年代、極真空手は一大空手ブームを巻き起こしています。極真空手の総裁 大山倍達を主人公とする空手漫画『空手バカ一代(空バカ)』が少年漫画誌で連載されると池袋にあった極真会館には毎日200人の入門者が殺到したのです。

 故・梶原一騎が原作を担当した『空バカ』は、私がいま言った洗脳のテクニックが至る所に仕込まれていますから、機会があれば読んでみるといいでしょう。

 ともかく、洗脳とは人を変性意識状態にして情報の書き換えを行い、洗脳者の望む選択肢に導くことです。

 そのための方法論は私たちが「洗脳」という言葉から思い描く特殊性、非日常性とは異なり、ごく当たり前の手法の積み重ねであることのほうが多いのです。

 ですから、洗脳は気づいてしまえばいいのです。「これは洗脳手法だね」とわかってしまうだけで、洗脳は簡単に解けてしまうものなのです。

 引用終わり

 

 

    映画を見ている間の私たちは変性意識状態であり、そこで展開されるストーリーに夢中になることで“現実”を書き換えられている

    ポイントはリアリティの差。いくら『スター・ウォーズ』に夢中になったからといっても、フォースの力を使って、ものを動かそうなどとはあまり思わない

 

 ゴール×エフィカシーが、“自傷”が投影された現状を破壊し(Appetite for Destruction)、新たな現実を生みだします。

しかしながら、通常は過去の記憶でつくられた「現状」の方が、ゴールが生みだす「新たな現実」よりも圧倒的にリアリティが高いため、なかなか破壊することができません。

PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 では、どうすればいいのでしょう?

 

 

 ところで、「フォースの力を使って、ものを動かそう」としたことはありませんかw?

 

 …SW3部作(プリクエル・トリロジー)からJedi master オビ=ワン・ケノービを演じているユアン・マクレガーは、自動ドアの手前でつい手をかざしてしまうそうです。じつは私も同じw

その「つい〇〇してしまう」がホメオスタシスで、ホメオスタシス・フィードバックの強度が臨場感です。

 F-306:映画のおもしろさって何だろう? <vol.3;臨場感③>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html

 

 苫米地博士が引用文中で挙げられている「“現実”を書き換える」ためのキーワードが「変性意識」「ストーリー」「夢中」。

その3つをうまく活用することで「ゴール×エフィカシー」をブーストすることができます。

 

F-315につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 ゴール×エフィカシー →ホメオスタシスが変化 →CZが移動 →スコトーマが外れる →invent on the way →現実化(ゴール達成)

 

ゴール×エフィカシーが現実化することを、苫米地博士は「realized virtuality」と表現されています。日本語では「臨場感世界の現実化」です。詳しくはこちら↓

F-249:「ゴール」と「現状の自我」のvol.6;臨場感という橋を架ける-前編->

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29139372.html

 

 

-追記2

ゴール×エフィカシーが、“自傷”が投影された現状を破壊し(Appetite for Destruction)、新たな現実を生みだします。しかしながら、通常は過去の記憶でつくられた「現状」の方が、ゴールが生みだす「新たな現実」よりも圧倒的にリアリティが高いため、なかなか破壊することができません

 

 ゴールが生みだす新たな現実を創造するための破壊が「創造的破壊」。ヨーゼフ・シュンペーターの言葉です↓

 F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

 

-追記3

苫米地博士が引用文中で挙げられている「“現実”を書き換える」ためのキーワードが「変性意識」「ストーリー」「夢中」。その3つをうまく活用することで「ゴール×エフィカシー」をブーストすることができます

 

 夢中度=オタク度ですw

 では、オタクネタを。本文で紹介したユアン・マクレガーは昨年(2022年)米国出身の女優と再婚しました。奥様(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)は、SWの新作ドラマ「アソーカ/AHSOKA」で新共和国の将軍 ヘラ・シンドゥーラを演じています。

惑星ライロスのリーダー チャム・シンドゥーラの娘であり、反乱者(REBELS)「ゴースト・チーム」のリーダーでもあったヘラ(スペクター2)がずっと探し続けていたのが、若き“BokkenJedi エズラ・ブリッジャー(スペクター6)。

そのエズラがついに(続きはディズニー+の「AHSOKA」でどうぞw

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は11/26(日)の予定です。10月下旬に御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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