Q-348:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始? <vol.5;走りながら考えるのは「〇〇〇〇」、その時気をつけるのは「〇〇」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:将来コーチとして活動するために学んでいますが、未だに「現状全てがwant to」という状態には達しておりません。

 このような場合、自分自身の人生を変えることに専念した方がよいのでしょうか? それとも同時並行で他者へのコーチング活動を開始した方がよいのでしょうか?

 未来のクライアントさんの利益を最大にするということを考えると、どうするべきか迷ってしまいます。

 

 vol.1;「走りながら考える」 理論編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32496942.html

 vol.2;「走りながら考える」 コーチング実践編・自由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32510309.html

 vol.3;「走りながら考える」 コーチング実践編・縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32548402.html

 vol.4;「走りながら考える」 同時並行“の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32562546.html

 vol.5;走りながら考えるのは「〇〇〇〇」、その時気をつけるのは「〇〇」

 

 

A5:前回は「IQIntelligence Quotient)」という視点で、“同時並行”の意味について考えました。

 

 IQとは、「情報空間における操作能力」であり、「抽象度の高い空間で、五感をともなう身体的な操作ができる能力」であり、そして「仕事で結果を出せる能力」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

自分の仕事上のIQが高まっているかどうかを調べる方法があります。それは「今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?」という自問自答(内省言語)。

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 その自問(今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?)は、「走りながら考える」ためにもとても重要です。なぜでしょう?

 

 

 前回(Q-347)は、苫米地博士の著書「あなたの収入が必ず増える!! 即断即決『脳』のつくり方」(ゴマブックス、p135)から引用しました。

 

 

あなたの収入が必ず増える!! 即断即決『脳』のつくり方

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: あなたの収入が必ず増える!! 即断即決「脳」のつくり方 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

 

 その書籍の中で、苫米地博士は2種類の知識に言及されています。1つは「抽象化された知識」、もう1つは「自然界で起こっている現象、目の前で起こっているありのままの現象を理解するための知識」です。

 L-09320217月シークレットレクチャー -05;大量の情報を得て、知識化していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30566304.html

 

 そのような知識体系を探るのがIQの役割のひとつ。

 ところが、目の前の現象をありのままに見るというのは簡単ではありません。1つ目の「抽象化された知識」を一度頭の中から取り除いた状態で目の前の現象を見なければ、“ありのままに見る”ことができないから。必ずスコトーマが生じてしまうのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 私たちは、常に、すでに持っている「知識(既成概念、信念)という色眼鏡」を通して目の前の世界を認識しています。「知識(既成概念、信念)」がブリーフシステム(BSBelief System)で、「色眼鏡」がRASReticular Activating System)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

今回の御質問に対する私の回答は「走りながら考える」。考え続けるものを突き詰めると、それは「現状の外」だといえます。それは「知識(既成概念、信念)という色眼鏡」を外してはじめて見える世界であり、ブリーフシステムを再構築することで認識できる新たな宇宙です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 ブリーフシステムが変わらないまま続く時間軸上の未来は、本当の未来ではなく、「現状」(のまま)です。本当の未来とは「ゴールを達成している世界」のこと。だから「今やっている仕事は、去年の自分でもできるか?」という内省は、とても重要な問いかけになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 もしも去年の自分でもできることをやっているのであれば、それは「現状」の中に留まっているということ。その理由は「そもそもゴールがない」か、「ゴールをすでに達成している」かでしょう。いずれにせよ、そのままではエネルギーと創造性を失っていきます。

 Q-178:家族ががんで治療中です… -02;エネルギーと創造性の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 「自分自身の人生を変え」ながら「コーチング活動」を行っていると、縁あるクライアントさんはどんどんゴールを実現していくことになります。すると、かつての夢の世界、すなわちゴール側のコンフォートゾーン(CZComfort Zone)で幸せに包まれていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

もちろん、それはとてもすばらしいことです。しかしながら、そのCZは強力な「現状維持の壁」となって、さらなる進化・向上を妨げてしまいます。だから

 PM-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

 「現状の外」を志向し続ける!

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp176)から引用します。コーチ自身が「現状の外」を志向し続け、クライアントさんにも「現状の外」を考え続けてもらうのですが、そのときに気をつけるべき注意点があります。それを想像しながら読み進めてください。

 

 

現状の外のゴールの作り方

 コーチングのメソッドの多くは、いまいった「いままでのコンフォートゾーン」から出るためのものでもあるのです。そして、その方法とはすでに本書でも提示しているように現状の外にゴールを作ることです。

 ところが、この現状の外にゴールを作ることはなかなか難しいのは前述した通りです。とてつもなく大きなゴールを作りましょう、という言い方をする時もありますが、通常ではなかなか設定できません。そんな中でどうやって現状の外にゴールを設定すればいいのでしょうか?

 一番確実なのはコーチングを受けることです。第1章でも言ったようにコーチはもともとクライアントの現状の外にいますから、現状の外のゴールを設定できるように導くことができます。ですから、一番の近道はコーチに頼むことです。

 とはいえ、クライアント自身が現状の外のゴールがどういうものか知っておくことも大切です。現状の外のゴールがどういうものかを理解していればコーチングはよりスムーズに進むでしょう。

 それではまず、現状の外側にゴールを設定する場合の要点を見ていきましょう。重要なことはさきほども言った利他的なゴールであるということです。自分だけが得するゴールを設定しているうちは現状の外に出ることはかなり難しいでしょう。

 そもそも現状というのは現在のコンフォートゾーンであり、コンフォートゾーンとは排他的な空間なのです。排他的とは言葉を換えれば、利己的もしくは自分と自分の仲間だけが得すればいいという空間です。その空間から出るためには排他をやめることが肝要となります。つまり、利他的な思考を巡らせることがいまのコンフォートゾーンから自然に出ることになるのです。

 これまで何回も例にしてきましたが、元水泳選手のマイケル・フェルプスのゴールは「水泳をアメリカのメジャースポーツのひとつにし、アメリカ人の健康促進のために尽くす」でした。

 私のゴールも「世界から戦争と差別をなくす」です。ルー・タイスのゴールも私と同じものでした。ルーの場合は紛争地域に行って争う両派の代表と会って「ルーがそう言うなら争いをやめよう」ということで紛争をおさめたことまであります。

 現状の外のゴールは確かに設定するのは難しいでしょう。それはあまりにも大きすぎてリアリティが湧かないからですが、本質的には利他的なことを考えていけばいいだけなのです。

 例えば、「自分がお金持ちになる」「プロのサッカー選手になる」などといったゴールを実現させるのは確かに簡単ではありません。しかし、大きなゴールかと言われれば、それほどでもありません。なぜなら、自分だけのゴールはどこまでも自分だけのものだからです。

 お金持ちになりたいのであれば、「なんのためにお金持ちになるのか」を考えてください。「儲けたお金をどう使うのか?」を考えてみてください。「そんなことはお金を手にしてから考える」ではダメなのです。そんな考え方だからお金の奴隷のような人になってしまうのです。

 第1章で述べたように、お金はただの道具で、それをどう使うかが問題なのです。そして、お金は社会に貢献するために使うものです。お金というシステムがない時代、私たちは自分の機能を共同体に提供していました。お金があるいまの時代もそこに変わりはありません。利他的になるというのは「そういう当たり前のことを思い出してください」ということなのです。

 どうですか? 現状の外にゴールを設定するためのヒントになりましたか?

 あとは自分の機能と相談しながら何を社会に提供できるのかを考えればいいのです。単純に「私は〇〇をすることで人の役に立つ」でもいいでしょう。〇〇の部分に何を入れるかはその時点で夢中になっていることでもいいのです。そこから始めれば、現状の外にゴールを設定することはそれほど難しいことではないはずです。

 引用終わり

 

 

    現状というのは現在のコンフォートゾーン

    コンフォートゾーンとは排他的な空間。排他的とは、利己的もしくは自分と自分の仲間だけが得すればいいという空間

    その空間から出るためには排他をやめることが肝要となる

    利他的な思考を巡らせることがいまのコンフォートゾーンから自然に出ることになる

 

 利他的な思考 → 現状の外の志向 です。

 それは抽象度が上がる方向性への変化を生みだしますが、そのとき問題になるのがお金への執着です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そう、「現状の外」を考えるときに気をつけるべき注意点とは、「お金」。

「お金はただの道具であり、それをどう使うかはゴールにより決まる」ということをしっかり教えてあげてください。「Goal comes 1st.」とともに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 お金ではなく、利他的なことを考え続ける

 

 それをしっかり伝えることが、「未来のクライアントさんの利益を最大にする」ための大事なポイントだと思います。

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 先月(20239月)から、月刊誌「サイゾー」にて、苫米地博士の連載がはじまりました。タイトルは「ドクター苫米地に聞け! 僕たちは洗脳されているんですか?」。

 記念すべき第1回のテーマは「ビッグモーターの不祥事は『洗脳集団』の暴走ですか?」。

 

 博士は「一部の日本人の倫理観の欠如の表れ」と語られています。その本当の問題(case)と解決(plan)について、ぜひ御確認ください↓

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一緒に楽しみましょう!

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