Q-343:瞑想をすると思慮深い方向に向かってしまい、エネルギーがなくなってしまう感じがします <後編;コーチの視点で>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q慈悲の瞑想やブログにあった「黙って食え瞑想」をしています。

今生きていることの奇跡や、存在していること、普通に日常生活を送れることの奇跡を感じ、心が満たされ、認知的不協和が解消されてしまうような気がします。

もちろん、奇跡だからこそ、たった一度の人生を悔いなく生きたいと思いますが、「ゴールを達成するぞ!」のようなギラギラ感やワクワク感、ロケットの様なエネルギーがうち上がる感じはあまり起こらず、「いかに生きるべきか、死ぬべきか」という思慮深い方向性に向かってしまいます。深い知性の森に入り込む感じです。

そして、その知性の森に1カ月くらい留まってしまっております。

このままでいいのでしょうか?

 

 前編;ヒーラーの視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32449644.html

 後編;コーチの視点で

 

A2:私の回答は、ヒーラーとしては「素晴らしい」、コーチとしては「あなたらしくない」。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

 *ヒーリングとコーチングについて、こちらもどうぞ↓

 F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

 

 前回(Q-342)のポイントをまとめると、

 □ゴールが生みだす「自分や世界」とは、ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。それは現在のコンフォートゾーンとはまったく異なる

 □ゴールがしっかりと現状の外にあり続けると、ゴール側(=現状の外)のCZと現状のCZの間にギャップが生じる。そのギャップこそが「認知的不協和」であり、それがエネルギーと創造性の源

 □ギャップが大きい=現状から大きく飛びだしている=より高い抽象度 であるほど、エネルギーと創造性は大きくなる。よって、鍵となるのは「抽象度のコントロール」

 □ゴール側のCZをしっかり作れると、ゴール側にホメオスタシスが働くようになり、ゴール実現のための行動が自然に行えるようになる

 □ゴール側のコンフォートゾーンを作り、しっかりホメオスタシスを働かせるために行うのが「瞑想」。キーワードは「情報場」

 □具体的には、「瞑想」とは、「情報空間でどのような情報場が形成され、それぞれがどのような関係で結ばれ、その結果、物理空間にどのような影響を与えているか」を“正しく見る”こと

 

 

 奇跡を感じ、心が満たされ、認知的不協和が解消されてしまう」というのは、しっかりと前頭前野が働いている状態です。その反対に、動物的な大脳辺縁系優位の状態に陥ると、「正しく見る」ことができなくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 だから「素晴らしい」。

私は、コーチングのためには、まずはヒーリングが必要だと思っています。前頭前野優位を保っている状態が“ヒーリングされている状態”です。

 Q-064~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切なアファメーション、ビジュアライゼーションはどうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292583.html

 

 では、「素晴らしい」の先に進みましょう。

コーチの視点でいうと、「知性の森」に留まり続けるのは「あなたらしくない」。その理由はCZ化してしまっているからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

ここでいう“CZ化”とは、「引きこもる」「閉じこもる」という感じ。それはCZのダークサイドです。

F-308:映画のおもしろさって何だろう? <vol.5;コンフォートゾーン②>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32330077.html

 

そのままでは、さらなるエネルギーや創造性は発揮できません。お気づきのとおり。

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態では

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

 

 前回は、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう 超瞑想法」(PHP研究所)より引用しました。その書籍の中で博士が教えてくださっているのは、「自分自身を開放するだけでなく、宇宙を思いのままにするための方法」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 御指摘の「黙って食え瞑想」は、「正しく見る」ための瞑想であり、「自分自身を開放する」ための方法。じつは、苫米地博士が教えてくださる「超瞑想法」は“3つのステップ+1”から成ります。

 ステップ1:正しく見る

 ステップ2:自由自在に見る

 ステップ3:臨場感を維持する

1:インプリメンテーション(実装)  です。

 

 だから、「正しく見る」ことができるようになったら、次の「自由自在に見る」に進みましょう。そのポイントは「自我を離れる」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 もちろん、「正しく見る」ためにも「自我を離れる」ことが必須。でも、それはまだ「空(くう)」の段階です。次の「自由自在に見る」は「仮(け)」の実践。

空(正しく見る)と仮(自由自在に見る)が同時にできて「中観」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

具体的にいうと、これまでとは違う情報因果を選ぶことで、世界(w1)や自分(関数p)のあり方を変えていきます。それが「自由自在」!

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 3つめのステップは「臨場感を維持する」。

 臨場感が強ければ強いほど、情報場のコントロールは容易になります。まるで物理空間でものを動かすように、情報因果を書き換えていくことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 その詳細は下記記事にまとめました。“臨場感”の本質を感じていただきたくて、オタクレベルで「STAR WARS」を取り上げていますw

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 「超瞑想法」の3つのステップを踏まえた上で、最後に行う仕上げが「インプリメンテーション(実装)」。

 Q-196未来の抽象度の高いイメージ(I)を臨場感高く想像すれば(V)実現する(R)と考えていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25936863.html

 

 以下、苫米地博士の著書「思うままに夢がかなう超瞑想法」(PHP研究所、p174)より引用します。じつは引用文中で、苫米地博士は「抽象度のコントロール」をされています。「たとえば」「また」の後は抽象度を下げ、その後に抽象度を再度上げてまとめるという感じ。そのコントロール感(→並列処理)を感じてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

世界を変えた偉人たちは、実装力に優れている

 人類の歴史に名を残す科学者や政治家、経営者たちは、物理世界に数々の変革をもたらしました。彼らが物理世界のあり方や人々の意識を変えることができたのは、超瞑想力と実装力に優れていたからです。

 彼らは超瞑想を実践することで、目指すべき未来がはっきりと見えていましたし、その未来を現実のものとするためのすべての情報因果も見えていました。

 そして、情報因果を物理空間に落とし込むための圧倒的な知識を持っていました。

 だからこそ、世界や自分を思い通りに変えることができたのです。

 

 たとえば、日本を代表する企業であるソニー。ソニーの創業者といえば、日本屈指の名経営者といわれる井深大さんと盛田昭夫さんです。

 井深さんと盛田さんの偉大さは、ソニーという巨大グローバル企業の礎を築いたことではありません。それは物理空間での結果に過ぎず、根本的なことではないのです。

 彼らが世の中に大きな影響を及ぼす偉大な経営者になれたのは、情報空間の場の因果関係を見極めて、変えようとしたからです。

 ソニーの代表的な発明品といえば、日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオです。彼らは「テープレコーダーやトランジスタラジオで一儲けしよう」という抽象度の低い思考ではなく、「世の中を変えてやろう」という抽象度の高いビジョン、大きな志を持っていました。まずは「世の中を変えてやろう」というビジョンがあり、ビジョンを実現するために情報空間に働きかけて情報因果を組み立てていったのでしょう。そして、その情報因果を物理空間に落とし込むためのインプリメンテーションとして開発されたのが、テープレコーダーやトランジスタラジオです。

 井深さんの技術者としての圧倒的な専門知識があったおかげで、テープレコーダーやトランジスタラジオを物理空間に実装することができて壮大な情報因果の道筋が完成し、ソニーという企業は井深さんや盛田さんが思い描いたであろう大企業へと発展することができたのです。

 また、ソフトバンクの創業者・孫正義さんにとってのインプリメンテーションは、ソフトウェア流通事業への参入でした。ソフトウェア流通事業への参入をきっかけに事業を拡大させ、現在のような電気通信、インターネット関連、出版社、プロ野球チームなどを傘下に擁する巨大企業に成長することができたのです。

 孫さんの場合、特筆すべきは、ソフトウェア流通事業を選ぶまでに2年間もかかっていることです。自ら開発したポケットコンピューターを2億円でシャープに売ってから、ほぼ2年間は「見ること」に徹していたそうです。当然、ほかの社員は不安になります。まわりからみれば、社長は何もせずに資産を食い潰しているようにしか見えないからです。

 しかし実際は、孫さんは瞑想空間でありとあらゆる因果関係を徹底的に見て、思考実験を繰り返していました。物理空間に落とし込むまでに、情報因果を11つ検証したわけです。そして2年間見続けた結果、「これだ!」とソフトウェア流通事業への参入を決めたのです。

 すぐれた経営者の行動は、傍から見るとどこか直感的な印象を受けます。インタビューなどでも「自分は運がよかっただけ」「時代が追い風になった」といったコメントを残している人もいます。しかし、物理空間での成功は、決して直感や運によってもたらされたものではありません。彼らは瞑想によって情報空間の因果関係を徹底的に検証し、自分がめざす抽象度の高いビジョンを実現できる情報因果を組み立て、そのうえで物理空間において圧倒的な知識や技術を用いて適切な事象をインプリメントしています。

 その結果、他の追随を許さない結果を得ることができているのです。

 物理空間の成果は、すべてが情報因果の写像であり、必然なのです。

 引用終わり

 

 

 鍵は抽象度のコントロールです。それも並列処理でのコントロール。

 御質問中の「思慮深い方向性」が「I×V」、「エネルギーが打ち上がる感じ」が「R(化)」に相当します(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

抽象度を加えると、

 思慮深い方向性 = I×V = 抽象度↑

 エネルギーが打ち上がる感じ = R(化)=抽象度↓

 

 その2つの方向性(↑,↓)を、同時に意識に上げ続けることが大事。それが「ゲバラ主義」!

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 ぜひとも、「知性の森」というあの世(情報次元)を散策しながら、同時にこの世(物理次元)で自由自在に生きてください。「たった一度の人生を悔いなく生きる」ために。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 今回は「臨場感」「コンフォートゾーン」「抽象度」の3つを軸にまとめました。

 その3つを体感しながらしっかりマスターするために、じつは、“映画”がとても役立ちます。ぜひ下記記事も合わせて確認してください↓

 F-304~:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426094.html

 

 記事(F-304~)内で言及している「ゴール達成の秘訣」と「『ゴール達成の秘訣』の秘密」を体得したなら、自然に「深い知性の森」から抜けだすことができるようになります。

 なぜでしょう?

 (私の答えはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は9/24(日)。詳しくはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32237668.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-129~The Sweet Hello, The Sweet Goodbye

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Q-259~:コーチングは弱った人を対象とする臨床心理や精神医療の世界にはなじまないのだろうか?

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