Q-339「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている? <前編;スコトーマ×時間×中観>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 3回にわけて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q過去未来という時間の概念は一神教的な考えだと思います。

未来過去という考え方は分析哲学の結論であり、苫米地博士が採用している考え方だと理解しています。

「未来、今、過去は同時に存在している」という考えはアインシュタインであり、物理学の結論だと思っています。

そこで質問なのですが、よく「あなたは食べた物からできている」という言葉があると思います。これは過去の積み上げ方式の考え方によるものだと思います。この言葉は間違っているのでしょうか?

「添加物が入った食べた物で、病気になるから気を付けてね」という文脈で使われる言葉ですが、間違いなのでしょうか?

間違いではないような気もするのですが、物理空間の方が臨場感が高いから、結果として「身体が食べた物で作られている」と思っているだけなのでしょうか?

そう考えると気功や加持祈祷で書き換えられる理由も分かるような気がしますが、かといって暴飲暴食はダメなような気もします これも思い込みなのでしょうか?

暴飲暴食かはゴールが決めるのだと思いますが、そう考えると、もう何が何だか分からなくなってしまいました。そこでどのようにこの疑問にアプローチすればいいのか分からず、質問させて頂きました。

 

 前編;スコトーマ×時間×中観

 

A1:「間違いではないような気もするのですが」というような“ゆらぐ感覚”はとても大事。それはスコトーマを外すために役立ちます。なぜでしょうか?

 (私の答えは「追記1」で)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スコトーマを生みだす/外すポントは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

 知識がないとそもそも認識することができないのですが、その一方で知識が新たな認識を妨げます。きっと思い当たると思いますが、いわゆる“思い込み”が強いと、肝心なことを見失います。

 L-01020201… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

医療現場においては、機械の設定や酸素量の確認などを「指さし」「声出し」で行うことが指導されたりします。それは思い込みによる見逃しを防ぐための“重要度のコントロール”です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 スコトーマを生みだす/外すポントは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。

 1)知識とは、概念の塊のこと。その概念の塊は、「ゲシュタルト」のことでもあります。ゲシュタルトは「全体性を持ったまとまり」であり、「全体と部分の双方向性」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 大量の知識(=概念の塊)を統合し、より大きなゲシュタルトを構築すると、理解が深まっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 反対にいうと、「間違いではないような気もするのですが」となんかモヤモヤするのは、「ゲシュタルトの構築段階」だから。そんなときはしっかりリラックスして、ゴールをイメージしましょう。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴール側から考える感覚はとても大切。

 その理由は「ゴールが先、認識は後」だからですが、他にも重要な理由があります。何だと思いますか?

 (私の答えは「追記2」で)

 Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

それでは、まず「時間」について確認しましょう。「時間に関するスコトーマを外し、さらに理解を深め、中観を感じている」が今回のエンドステート(ミッション)↓

Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 

最初は直接的なスコトーマ外しから 苫米地博士が「未来過去」とおっしゃるのは“対機説法”ですよ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

博士の時間観は「一念三千」です。中観ですから。

F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28791954.html

 

 「中観」とは、「空(くう)」と「仮(け)」をともに包摂する上位概念。“上位”とは、「抽象度という軸をとった場合の上の次元」という意味です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 すべての存在が空(くう)であるとするのが「空観」で、縁起の中での仮の役割に注目するのが「仮観」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その2つ(空観・仮観)をバランスよく維持している状態が「中観」。

PM-02-16:空観、仮観、中観

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳!」(PHP研究所、p100)から引用します。

「中観」を意識に上げながら読み進め、「『未来、今、過去は同時に存在している』という考えはアインシュタインであり、物理学の結論だと思っています」が生みだしている(かもしれない)スコトーマを外してください。

 

 

「一念三千」― 一瞬の心の中に現在、過去、未来のすべてが入っている

 「中観」を身につけると、世界の見え方はとてもダイナミックになります。

 一つのものを見たら、同時に宇宙に想いを広げられるということだからです。先ほどご紹介したように、一本のペットボトルから、世界へ、宇宙全体を見ることができるのです。

 天台宗の開祖 智顗(ちぎ)は、中観を「一念三千」という概念で説明しました。

 

 この世界には単独で存在しうるものはなく、すべての存在は他のものとの縁起の中に存在している。自分の前の一つの存在は、宇宙のすべてと何らかの関係性を持っている。自分がいまここに存在しているのも、決して偶然ではなく、宇宙のすべての事象との因果関係の結果である。

 

 このように、一瞬の心の中に三千の世界、わかりやすくいうと、現在、過去、未来のすべてが入っている、と智顗は説明するのです。

 こうした「中観」と通じる考え方は、大乗仏教以外にも見られます。

 ユダヤ教やキリスト教といった絶対神のある宗教は、一見すると「中観」とはまったく違う考え方をしそうです。しかし実は、実質的にかなり似た結論に至るのです。

 絶対神を信じている人は、すべてのものを神の創作物と見ます。「宇宙のすべては神の創作物」という見方で見れば、たとえば、いま目の前にある一つのものも宇宙を創り出した神とつながるものになる。つまり、結果として「一念三千」と通じる「ものの見方」となるのです。

 「中観」との違いは、神というアプリオリの存在を大前提とするか否かです。ただし、中観も別に神を否定するわけではありません。神はいてもいいけれども、それもまた縁起の一部である、というだけのことです。

 引用終わり

 

 

 「中観」との違いは、神というアプリオリの存在を大前提とするか否か。ただし、中観も別に神を否定するわけではない。神はいてもいいけれども、それもまた縁起の一部である、というだけのこと

 

 すべての存在が空(くう)であるとするのが「空観」で、縁起の中での仮の役割に注目するのが「仮観」。空と仮をともに包摂する上位概念が「中観」でした。

 その大前提は「アプリオリの否定」!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

空観では、「時間」はなく、過去・現在・未来は実在しないので、過去は関係ありません。もちろん、現在も未来も関係ありません。

中観では、未来は思いっきり関係あると考えます。その未来とは、ゴール設定で自ら生みだす世界(w1)のことです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 ただし、その未来や世界(w1)はアプリオリに存在するものではない だからこそ、私たちには自由があります。「自らに由る」という自由が!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 自由とは「すべてマインド次第!」を実践すること

 すべてをマインドが生みだしていると十分理解しつつ(空観)、あえて縁起のつながりの中で仮の役割を果たす(仮観)

 

 それが中観思想であり、苫米地式。一瞬の心の動きで、現在・過去・未来を生起するのが苫米地式コーチングです。

Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

Q-340につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記1

「間違いではないような気もするのですが」というような“ゆらぐ感覚”はとても大事。それはスコトーマを外すために役立ちます。なぜでしょうか?

 

 答えは「Rゆらぎ」だから。こちらでどうぞ↓

 L-11420219月シークレット… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

 

-追記2

 ゴール側から考える感覚はとても大切。

 その理由は「ゴールが先、認識は後」だからですが、他にも重要な理由があります。何だと思いますか?

 

 私の答えは「抽象度が上がる」から。

 ゴールは 1)心から望み、2)自分中心を捨て去り、3)現状の外に設定するもの。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 「2)自分中心を捨て去る」とは、部分関数としての“自分”の定義を拡張していくこと。よって、ゴールを設定(更新)するたびに、抽象度が上がっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 わかりやすいように言語化すると、「現状(かつてのw1)に満足できなくなる」「今の自分(関数p)では物足りなくなる」という感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html

 

 次回の開催は9/24(日)。詳しくはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32237668.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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