Q-337:何かいい仕事はありませんか? <vol.4;「認知ホメオスタシス」を自由自在にコントロールする>
ある医療法人にて、管理職のポジションにいるベテラン職員からこのような相談を受けました。
何かいい仕事はありませんか?
…「何かいい仕事」を探し求めるというのは、「まったく間違っており、成果が望めない方法」です。
まず取り組むべきことはゴール設定。「いまのあなたからは想像もつかないくらいスケールの大きな目標、現状のままでは決して達成できない状態」を、ゴールとして設定することです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
自分の決めたゴールに向かって、「やりたいこと」だけをやりたいようにやっていける人が、仕事ができるようになって、成功する
…その時に取り組んでいる仕事は、必ず「いい仕事」!
…「何かいい仕事はありませんか?」という言葉を生みだしたマインドが抱える課題(case)と、その解決(plan)について考察します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
vol.1;すべての仕事がやりたいことに変わる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32250926.html
vol.2;認知ホメオスタシス -前編(ワーク付き)-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32265870.html
vol.3;認知ホメオスタシス -後編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32300998.html
vol.4;「認知ホメオスタシス」を自由自在にコントロールする
先日(2023年8月7日)、認知科学者 苫米地英人博士が、出演されている「バラいろダンディ」(TOKYO
MX)内で講義をされました。タイトルは「熱中症発生のメカニズムを理解して猛暑を乗り切ろう!」↓
熱中症発生のメカニズムを理解して猛暑を乗り切ろう! Dr.苫米地 (2023年8月7日)
- YouTube
ところで、熱中症のときは体温が上昇しますが、それを医療現場では「発熱」とは呼ばず、「高体温」と呼びます。
「発熱」と「高体温」
…2つの概念を分けるのがホメオスタシスの働き。前者ではホメオスタシスが機能しており、後者ではホメオスタシスが機能していません。
詳しく説明すると、「発熱」は感染症などに対応するために体温を高めにリセットした結果として起こります。つまり、再設定した高めの体温を維持するためにホメオスタシスがしっかり働いている状態。
(「感染症などに対応するために体温を高めにリセット」自体が、「生きながらえる」ためのホメオスタシス機能といえます)
一方、「高体温」は体温設定自体は変更がないのに、「環境」「からだ」「行動」といった要因により適切な体温が維持できない状態。つまり、ホメオスタシスが十分には働いていない状態です。
だから医療現場では、「発熱」と「高体温」をしっかり区別し、それぞれに応じて対処します。
(区別と差別の違いは? はっきりしない方はこちら↓)
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ただし、多くの人(の無意識)にとって、そのホメオスタシスとは「生体ホメオスタシス」のはず。
もしも視点が物理空間に限定されたままなのであれば、つまり「生体ホメオスタシス」だけしか考えられないのであれば、その思考は「第0世代」といえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
「視点が物理空間に限定されたまま」「『生体ホメオスタシス』しか考えられない」は、高次の情報次元がスコトーマに隠れている状態です。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
その“高次の情報次元がスコトーマに隠れている状態”が、「何かいい仕事はありませんか?」という言葉を生みだしたマインドが抱える課題(case)であるはず。
ならば、その解決(plan)は“スコトーマを外す”ことといえます。スコトーマを外し、自ら「いい仕事」を見いだすことが真の解決です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
スコトーマを外し、自ら解決する
…そのためにはクリアしなければならない3つのポイントがあります。
1つ目は「知識」。
そもそも知識がなければ、理解どころか、認識することさえできません。さらに厳しいのは、経験(とくに成功体験)を重ねるほど知識(認識)不足を自覚できなくなる点。そのような状態が「無明」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24963004.html
ゴールを意識に上げながらしっかり知識を得ることができると、そのたびにスコトーマが外れる可能性が高まります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html
知識とは、「現状のwからゴール側のw1への到達可能性関数」のことでもあります。知識により、ゴール(w1)を実現するチャンスがひろがります。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
余談ですが、知識を得る学習とは、「ゴールの世界(w1)を現実化しようするホメオスタシス活動」と考えることができます。
PMⅠ-05-06~08:そもそも教育とは?-3-1~3)学習を促進する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html
その場合のホメオスタシスとは主に「認知ホメオスタシス」のことですが、それをまるで「生体ホメオスタシス」にまで落とし込んだかのように、(結果として)自我を書き換えていくのがコーチングです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
その“落とし込む”が、“「認知ホメオスタシス」を自由自在にコントロールする”という感覚(最後に掘り下げます)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
2つ目のポイントは「重要度(重要性)」。
コーチングを受ける前の「重要度」は、過去の記憶でつくられたブリーフシステムが生みだしています。そのことに無自覚なままであれば、いつまで経っても人生は「無人運転」「自動運転」のまま。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
*「無人運転」「自動運転」はこちら↓
F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
他人や社会に埋め込まれたアルゴリズムからの脱却は、“現状の外”へのゴール設定からはじまります。「Goal comes 1st./ゴールが先」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html
3つ目のポイントは「役割」。「責任」と言い換えることもできます。
知識があり、重要度が高くても、「自分には責任がない」と思った途端に認識しづらくなります。だから責任の自覚、すなわち「自責」が大事。
「自責」とは、自分の自由意思でこの世界を生き抜くという決意のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html
…以上が「スコトーマ外し」のための3つの課題。それらの課題をクリアしながらゴールを再設定するたびに(case&plan)、心は自由になっていきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
抽象度が上がる(上がりやすくなる)から。
さぁ、ゴールを設定しましょう!
もしも「現状の外」という条件が難しいのであれば、「人生の目標って何だろう?」「どんな人生ならもっとワクワクするかな?」といった感じで、気楽に取り組んでください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
以下、苫米地博士の著書「脳に免疫力をつければ病気にならない!」(徳間書店、p175)より引用します。参考にしてください。
人生、やりたいことをやろう
人生の目標の見つけ方
とはいえ、「目標が見つかればいいんだけど、見つからないから困っているのだ」という人や、「人生の目標だなんて考えたこともない」という人もいるでしょう。そういう皆さんは、どのようにゴールを持てばよいのでしょうか?
何も難しく考える必要はありません。誰にでも「好きなこと」や「やりたいこと」「やっていて楽しいこと」があるでしょう。そして、「やりたくないこと」「やっていてストレスがたまってしょうがないこと」があるでしょう。目標が見つからない人がゴールを設定するには、「やりたくないことをやめて、やりたいことだけをやるにはどうすればいいか」
-そこから考え始めればよいのです。
ゴール設定については『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』(徳間書店)などの私のほかの著書で詳しく述べていますので、ここでは簡単な解説にとどめておきます。
まず自分の生活の中で「やりたいこと」と「やりたくないこと」を分けて、「やりたくないこと」はやめます。そして、「やりたいこと」をもとに、「ゴールを現状の外に設定」します。ただし、「勤めている会社の役員になる」などは現状の延長線上にありますから、ゴールとは呼べません。現状の延長線上にゴールを設定しても、コンフォートゾーンは移動せず、脳の免疫力も高まりません。
現状の外のゴールとは、例えば「起業して日本人のレジャーのあり方を根本から変える事業を展開する」「世界中の病気で動けない人々に雇用を提供する会社をつくる」「地球から飢餓をなくすために〇〇をする」「人類から戦争をなくすために〇〇をする」など、現在の仕事や生活の枠を完全に超えたところにあるゴールです。
重要なポイントは、「人から笑われるような途方もなく大きなゴールを現状の外に設定する」ことです。現状の外にゴールを設定することによって、コンフォートゾーンが移動し、そのゴールに向かって脳の免疫力が働くからです。
実現方法が分かっているかどうかを気にする必要はありません。コンフォートゾーンが移動することにより、スコトーマ(盲点)がはずれ、これまでに見えなかった景色が見えてくるからです。これは非常に大きな快感です。コンフォートゾーンが移動し、スコトーマが外れることにより、これまで見えなかったような道筋が浮かび上がってきて、その途方もないゴールを実現する手段が見えてきます。大きなゴールを描いてコンフォートゾーンが移動すれば、実現方法は後から見えてくるのです。
本書は健康がテーマですから、ゴール設定についてはこれ以上詳説する紙幅がありませんので、私の他の著書を参考にしてください。
人生の主役はあなた自身
右のゴール設定の原則は、年齢に関係なく同じです。
中高年やシニアと呼ばれる皆さんの中には、「子どもに大学を卒業させるのが今の目標」とか「初孫の顔を見るのが私の目標」といった方もいらっしゃると思います。
しかし、子どもに大学を卒業させることが目標なら、子どもが大学を卒業した後、あなたの人生は目標を失ってしまいます。子どもを生きがいにしてきた人の中には、子どもが就職して家を出たことが原因でうつ病になる人もいるのです。
また、初孫の顔を見るのが目標なら、子どもが結婚せず、結婚してもなかなか妊娠しないなら、あなたはどうするでしょうか。
子どもや孫といった「自分以外の誰か」を目的・目標にしてはいけません。厳しいことをいうようですが、それは子どもや孫といった他人に依存しているのと同じです。他人に依存する人は、自分の目的のために他人を利用する危険があります。子どもの成績が悪く、親の自分が思っている大学に行けそうにないからイライラして、子どもを叱り飛ばすというように。
あなたの人生の主役は、他の誰でもありません。主役はあなた自身です。
ゴール設定に当たっては、年齢にかかわらず、「自分がやりたいこと」から考え始めてください。自分が心からやりたいと思う大きなゴールが、脳の免疫力を味方にします。人生の目標を達成するために、結果として「健康で長生き」というオマケがついてくる
-そう考えるのが真に健康的な思考法です。
POINT
健康は目的ではなく、人生の目標を達成する手段
引用終わり
…今回は、ある医療法人のベテラン職員からいただいた相談に回答しました。その相談とは…
何かいい仕事はありませんか?
…私の答えは、「スコトーマを外すと、『いい仕事』が見つかる」「『いい仕事』のために、まずはゴールを設定する」。
Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html
ゴール側の臨場感が高まると(=ホメオスタシスが働くと)、結果として自我が書き換わります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
自我はブリーフシステム(Belief System、BS)と言い換えることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
過去の記憶でつくられていたBSが、ゴールが生みだす未来の記憶により書き換わっていく
…それが「自由自在」。
「自ら設定したゴールに由り(自由)、自身の在り方を決める(自在)」ことが、自由自在です。
F-211:研修医時代の思い出 ~自由な発想の教授からの“無茶振り”に学ぶ~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27234407.html
その「自身の在り方」=ゴール側のコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)が、職業(仕事)のカテゴリであれば「いい仕事」であるし、家庭のカテゴリであれば「いい家庭」であるし、健康のカテゴリであれば「いい状態(well-being)」であるはず。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
つまり、すべてマインド次第!
マインド次第で、すべてがやりたいことに変わります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
さぁ、今すぐゴールを設定しましょう!
“やりたい”はあなたのマインドが生みだします。いろんな“やりたい”を見つけたあなたは、人生のあらゆる領域で“well-being”を実現しているでしょう。お楽しみに。
…以上、私の回答です。
御相談ありがとうございました。
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
そのホメオスタシスとは主に「認知ホメオスタシス」のことですが、それをまるで「生体ホメオスタシス」にまで落とし込んだかのように、(結果として)自我を書き換えていくのがコーチングです
…念のため補足します。
コーチはコンテンツには関わりません。クライアントに対して、指示や具体的なアドバイスをすることはありません。
Q-297:弟子にしてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30430928.html
たいていの指示やアドバイスは、自由を奪い、むしろスコトーマを強化してしまいます。
なぜなら、それらはより抽象度が低い次元でのマネジメントの話だから。実際、情報量が多く具体的であるほど、素晴らしい指示やアドバイスであると評されるはずです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html
では、一方でスコトーマを外すために多量の(それも具体的な)情報を提供しつつ、その一方で新たなスコトーマが生じてしまうのを防ぐために、どうすればよいでしょうか?
…その答えが「スコトーマ外しの心得」。それは… (つづきはこちらで↓)
Q-253:最近また頭痛がひどくなりました
<vol.2;スコトーマ外しの心得>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28623749.html
-追記2-
今回は「生体ホメオスタシス」と「認知ホメオスタシス」を明確に区別して書き進めました。しかし、両者は本質的には同じもの。同じものの抽象度の違いです。
(クリアでない場合はこちら↓)
L-003~4:2021年1月シークレットレクチャー -03~4;身体と心は〇〇〇〇
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
-告知1-
今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html
次回の開催は9/24(日)。詳しくはこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32237668.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
Q-118:認知的不協和時に無意識が全力で働きゴールに向かっている気がしています
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20682162.html
Q-140:若かったら挑戦しますけど、もう年なのでガマンします
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22528302.html
Q-240~:毎日、無気力感に悩まされています ~気楽に生きる際の注意点~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418402.html
Q-256~:私、立ち直れるかな?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420158.html
Q-271~:現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね
~綸言汗の如し~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421412.html
Q-276~:セルフトークのマネジメントについて
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html
Q-314~:こんな私に誰がした
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425205.html
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