F-307:映画のおもしろさって何だろう? ~Indy 5」の評価が割れた理由を考える~ vol.4;コンフォートゾーン①>

 

 今夏(2023年)、映画「インディ・ジョーンズ」の第5作(Indiana Jones and the Dial of Destiny)が公開されました。

 第1作「Raiders of the Lost Ark」が公開されたのは1981年。42年分の記憶とともに楽しまれた方も多いのではないでしょうか?

(私の場合、「少年←思春期←学生←医師←コーチ」を濃縮した感覚でした)

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 今作は(前作もw)評価が真っ二つに割れたようです。「最高級におもしろかった」と「とても退屈だった」といった感じに。皆さんはどうでしょう?

 

 ところで、私の元にはこのような御意見が届きました。「子どもの頃は『インディになりたい』と思うくらい好きだったのに、全然楽しめなかった」。

 

 その理由を推測しながら、“おもしろい”について考えてみました。

 Q-281~:ドーパミン分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか

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 vol.1;臨場感① -洗脳を知るうえで必要な三つの概念

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 vol.2;臨場感② -ゴール達成の秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html

 vol.3;臨場感③ -「ゴール達成の秘訣」の秘密

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 vol.4;コンフォートゾーン① -light side

 

 

「ゴールの世界の臨場感を高めて、ゴールを実現(現実化)する」ためには、ちょっとしたコツが必要。そのコツとは「ゴール達成の秘訣」の秘密。それは

 

「ゴールの世界」を、未来としてではなく、“今”として臨場感を高める

 

 その感覚を磨くのに映画鑑賞がとても役に立ちます。守秘義務ギリギリで表現すると、ポイントは「映画を観ているときの『私』の意識状態」です。

 

 その「『私』の意識状態」とは、コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。

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前々回(F-305/vol.2)お伝えしたとおり、自身の中にある記憶を的確に再構築することができれば、臨場感は格段に高まります。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか? <vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

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 よって、「記憶をいかに使うか(作るか)」がゴール達成の秘訣。その“ゴール達成の秘訣”の秘密が、「『ゴールの世界』を、未来としてではなく、“今”として臨場感を高める」こと。

 今回の話題でいえば、「映画世界の臨場感を“今、ここにいる自分”に組み込んだ意識状態を作る」ことです。

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 苫米地博士がよく用いられる表現でいうと、「一念三千(宇宙)」の体感↓

 F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる

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 映画の世界には監督や俳優などの制作陣が生みだす主人公がいます。例えば「Indy 5」では、スティーヴン・スピルバーグ(1~4作の監督、5作目の製作総指揮)やジェームズ・マンゴールド(5作目の監督)、ジョージ・ルーカス(シリーズ原案/5作目の製作総指揮)、そしてハリソン・フォード(主演俳優)らが生みだした“Indiana Jones”。

 

そんな主人公のイメージを、ゴール(未来)側の自分のイメージ(CZ)に重ねていくことが、「映画世界の臨場感を“今、ここにいる自分”に組み込んだ意識状態を作る」です。

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 そのような特別な意識状態(←深い変性意識状態)が作れたら、ゴール(未来)側の視点を維持したまま“ゴールを達成していくストーリー”を作っていきます。映画の主人公の力(臨場感)を借りて。

 F-284~:気楽ver.2

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 以下、苫米地博士の著書「すべての仕事がやりたいことに変わる -成功をつかむ脳機能メソッド40」(サイゾー、p88)より引用します。

 

 

17 自分主演のストーリーを作る

 もうひとつ、ゴールの実践方法として「失敗を克服した体験」を使うテクニックも紹介しておきます。

 自分の人生で最悪だと思う失敗体験をひとつ思い浮かべてください。受験に失敗したことかもしれないし、大きな借金を背負ったことかもしれません。思い浮かべましたか?

 

  今、ここにいる自分を見る

 

 さて、そうした苦い体験があったにもかかわらず、今、あなたは生きています。それどころか、本書を手にして、自らのゴールを達成しようと、前向きになっているはずです。ということは、どんな形であれ、あなたはその最悪の体験を克服しているわけです。つまり、あなたは困難を克服することのできる人間なのです。「いや、まだ引きずっているよ……」と思う人もおられるかもしれませんが、それは過去のできごとに対して、現在の評価から出てくる「情動」です。大事なのは、過去に縛られるのではなくて、今、ここにいる自分を見ることです。そして、「克服する能力がある」というエフィカシーを作るのです。

 ここで注意しておきたいのは、イメージトレーニングをする際に、過去の出来事を評価することによって起こる情動に振り回されないことです。気をつけてください。

 さて、イメージトレーニングによって、ゴールやそこへ向かっている自分のイメージへの臨場感が高まってきたら、それをさらにストーリー仕立てにすることで、細部のプロセスまで思い描いていく手法もあります。これはいわば、「自分主演・監督の一編の映画」を頭の中に組み立てるということです。

 ポイントは、ラストシーンから冒頭に向かって遡るようにイメージしていくことです。たとえば、「起業してビル・ゲイツをしのぐ大金持ちになる」というストーリーだとします。最初は、どうやったら、そのサクセスストーリーが完成するのか、わからないわけです。

 だから、まずはエンディングから遡ってきて、「5年後にこうなれば、3年後にこうなれば……」と通過点のイメージを持っていくのですが、ゴールのイメージが自分にとってリアルなものになるにつれ、プロセスの間が埋まってくる。つまり、「点」だったイメージがつながって、一連の流れのあるストーリーに変化していきます。これはしだいにスコトーマが外れていき、各プロセスの間がどうすればつながるのか、見えてくるということです。そのストーリーの中に、ゴール達成のための方法を見つけ出すこともできるでしょう。

 

  徹底的にゴールへの臨場感を高めること

 

 もし、多少のお金をかけてもいいというのなら、映画の冒頭とラストシーンだけ、実際に撮影してしまうのも手です。たとえば、「たったひとりで会社を立ち上げ、小さなオフィスでパソコンに向かう自分」という冒頭のシーンがあり、ストーリーの最後は世界一の経営者へと成長し、さらなる目標へ向かう象徴として「自社ビルの屋上からヘリコプターに乗り込み、空に飛び立って行く」というシーンだとしましょう。そのくらいの映像なら、100万円とか200万円ほどの予算で作れるのではないでしょうか。その映像を何度も繰り返し見れば、自分はそういう人間なのだ、という臨場感が簡単に作れるでしょう。

 お金がなければ、小説に書いてもいいのです。とにかくラストシーン(ゴール)への臨場感を徹底的に高めること。それができれば、あとは創造的無意識がストーリーを勝手に考えてくれます。すると、そのストーリーが現実に展開されていくのです。

 なお、ゴールの設定自体が上手くできない、すなわち、自分が何をやりたいのかがどうしてもよくわからない人は、願望を徹底的に言語化することでゴール設定を行う「アファメーション」という手法があります。これについては拙著『努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方』(マキノ出版)などに詳しく書いてあるので、参照してください。

 

〇ポイント

 「失敗を克服した体験」も使って自己イメージを高めながら、「自分主演の映画」を頭の中に作りあげられるくらい、徹底的にゴールへの臨場感を高める。

 引用終わり

 

 

 引用文の中で、苫米地博士は「大事なのは、過去に縛られるのではなくて、今、ここにいる自分を見ることです。そして、『克服する能力がある』というエフィカシーを作るのです」と書かれています。

エフィカシーとは、「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そのエフィカシーは、「ゴール側のコンフォートゾーンのレベル」のことでもあります。エフィカシーが上がるとは、「ゴール側のCZのレベルが上がる」こと。

 Q-310:私のまわりではそうでもvol.5:コレクティブ・エフィカシー -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 

 エフィカシー=ゴール側のCZのレベルを上げることは、決して簡単ではありません。上げるどころか、とくに日本ではエフィカシー=ゴール側のCZのレベルは下がるばかり。なぜでしょう?

 F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 答えは、過去の記憶でつくられた「自分のイメージ(ブリーフシステム、BS)」が、現状(Status QuoSQ)という強力なCZを生みだしているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 たいていの場合、「現状の自分のイメージ(BS)」は、情動を伴った体験の記憶や抽象化された情報の記憶でつくられています。その記憶とは、「他人のモノサシ」や「社会の価値観」がたっぷり刷り込まれた“失敗”の記憶です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 だから、「現状の自分のイメージ」は、過去に囚われており、必ず束縛されています。記憶によって自ら限界をつくっているのです。

 L-01020201… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

 そこで映画を活用!

リミッターを解除し限界突破するために、ワクワク・ドキドキするような主人公の活躍(映画の臨場感)をガンガン利用します。

 (具体的な方法はこちらでどうぞ↓)

 F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

 映画の世界の臨場感を“今、ここにいる自分”に組み込んだ意識状態を作りながら、主人公のイメージを「ゴール側の自分のイメージ」に重ねていくと、強力なはずの「現状の自分のイメージ」が崩れやすくなります。“Realityがゆらいだ状態”になるから。それが「Rゆらぎ」。

 L-11420219… -02;夢=w1=高次の抽象度空間にひろがる縁起

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32099568.html

 

無意識が「現状の自分のイメージ」より「ゴール側の自分のイメージ」に臨場感を感じるようになると、そのギャップを埋めようとするエネルギーと創造性がうまれます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

同時に、スコトーマがどんどん外れ、ゴール達成の方法が自然に見えてくるようになります。それが引用文中の「ゴールのイメージが自分にとってリアルなものになるにつれ、プロセスの間が埋まってくる」「『点』だったイメージがつながって、一連の流れのあるストーリーに変化していく」という感覚です。

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 そのような体験の記憶(ドキドキ)と期待(ワクワク)が、映画の“おもしろい”を決めている

 

そのように私は思っています。

 

F-308につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 前々回(F-305/vol.2)、「Indy 5」の冒頭でナチスと戦ったヘレナの父親役の俳優(トビー・ジョーンズ)が、MCU映画「Captain AmericaThe First Avenger」(2011年)でナチス(正確にはヒドラ/ハイドラ)に心酔する科学者 アーニム・ゾラ博士を演じていることを紹介しました。

 

あえて“ゾラ”をキャスティングした意図は何だろう?

 

そんなことを仮想世界への入り口で考えました。 ←これが「Rゆらぎ」!

 

 仮想世界への入り口とは、Indiana Jonesの世界」への入り口であり、映画の世界の臨場感を“今、ここにいる自分”に組み込んだ意識状態でつくりだす「ゴール側の自分のイメージ世界(w1)」への入り口でもあります。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

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-告知1

今年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓

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 次回の開催は9/24(日)。詳しくはこちら↓

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-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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