F-299:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは? <vol.1;部分と全体の双方向性>

 

 2023515日に放送された「バラいろダンディ」(TOKYO MX)にて、苫米地博士が生成AIをテーマに講義をされました。その中で「生成AIは思考方法がまったく異なり、幻覚や嘘かもしれない」と話されています↓

 今話題の生成AIと人間の理想の付き合い方 Dr.苫米地 (2023年5月15日) #ChatGPT #ジェフリーヒントン - YouTube

 

 長い間精神科を持つ病院に勤めていた私には、「幻覚(hallucination)」という言葉に対してリアルなイメージがあります。それは学んできた知識と情動を伴った体験により作られたゲシュタルトです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そのゲシュタルトと「生成AIの幻覚」というワードが結びつかず、ちょっと混乱しました。皆さんはどうでしたか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 バラダン終了後、苫米地博士はtwitterにこのように投稿されています。

 

今日出し損ねた図。超次元誤差最小化偏微分空間の局所解が生成AIの出力だが、青線が人間が受け入れられる局所解だとして、赤線が人間が受け入れられない局所解つまり幻覚。絵を出力させると幻覚をアートという人いるが誤り。局所解は疑似的な抽象度最低の物理空間への創出。芸術は高抽象度を指す言葉なので違う。芸術は未だに見つけられていないLUB (Least Upper Bound)であり、超次元偏微分誤差最小化空間の下ではなく上に現れる。 線は2次元化して書いてるが、実際は100万次元とかの近似局所解であるのはいうまでもない。近似最適解と書いたが、あくまで局所解で全体解かは分からない。

 

芸術は高抽象度の未知なるLUB(230515バラだん未使用図)

 

 

 げっ、げっ、芸術は超次元偏微分誤差最小化空間の下ではなく上に現れる?

 

 私はますます混乱しました。もともとコンピューターサイエンスに関する知識がなく、スコトーマだらけだったから。「何がわかっていないのかもわかっていない」という感じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そもそも芸術とは何なのでしょう?

 

 

 苫米地博士の著書の中に“芸術脳”について書かれているものがあります。「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(徳間書店)です。その本の中で、モダニズムとそれに対立するポストモダンを、認知科学的視点で分析されています。

 

 ちなみに、モダニズムとは「ビルのパーツが集まって、ビルになる」といった「部分の合計が全体である」という考え方で、構造主義をベースとするものです。

対してポストモダンは「全体のコンセプトがあって、そのコンセプトにしたがって、意匠を作っていく」というもの。部分的に生じる様々な機能を、造形美や利用形態などのレベルから総合的に関係づけようとします。

 つまり、部分→全体(モダニズム)と全体→部分(ポストモダン)。

 

 以下、「Dr.苫米地の『脳力』の使い方」(p61)より引用します。“芸術脳”のコアである部分と全体の関係性をイメージしながら読み進めてください。Feel

 

 

部分より全体が先という発想にも落とし穴がある

 たしかに、六本木ヒルズに代表されるポストモダンの建築物は、「アート」として素晴らしいものがあります。

 ビジネスマンならば誰でも、オフィスとしての使用を目指したいところでしょう。とくに、IT関連の企業にとって、一種のステータスになっていて、顧客からの信用も得やすいようです。

 しかし、このポストモダンですが、思わぬ落とし穴にはまることがあります。

 たとえば、長野県のある町で美術館を建てることになりました。設計者は、その町から見える南アルプスを見事なまでに模した、複雑な形の屋根を設計しました。ところが、完成して間もなく、雨漏りがするようになってしまったというのです。

 これは、「アート」を重視しすぎてはいけないという一例になるでしょう。建物を建てるに当たっては、最低必要な「機能」、雨漏りしない屋根、少々の風に耐えるだけの柱や壁、トイレ、駐車場などなどの部分を無視してはいけないのです。

 また、思惑通りに行かなかったと言われている例として、東京浅草・吾妻橋の近くにあるアサヒビール・ビルの屋上に横たわる黄金の建造物があります。

 あれは一説には、本来、「金の炎」であり燃える心を表わすオブジェとして、聖火台の炎のように縦に建てられるはずだったのに、作ってみたら接合面などの強度上の問題などで、縦に建てることができなかったとも言われています。

 それでやむを得ず、横向きにしたと言われるのですが、孫悟空が乗っていた筋斗雲ならばまだしも、もっとひどいものを連想する人もいるようです。

 これなども、「アート」を重視しすぎた結果と言えなくもなさそうです。

 というわけで、部分からはいって、機能性を重んじるモダニズムと、「アート」を重んじるポストモダンと、その両者には、それぞれ、いい面と困った面とがあるのです。

 その困った面をなくすために、私は、「部分と全体の双方向性」という新たなパラダイムが必要だと思っています。この大前提なくしては、構造主義の限界を超えることはできないのです。

 もちろん、良くできたポストモダンビルには、全体と細部の調度品のデザインとの間でも「部分と全体の双方向性」が成り立っています。

 しかも、この新たなパラダイムは、我々科学者には、記述可能でないといけないので、それが、非常に難しいところなのです。

 引用終わり

 

 

 「部分と全体の双方向性」という新たなパラダイムが必要

 

 苫米地博士は「新たなパラダイム」と表現されていますが、それは西洋哲学(社会)にとって“新しい”という意味。東洋哲学では「部分と全体の双方向性」が基本です。そう、縁起!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 縁起を意識に上げながら再考すると、「芸術は高抽象度の未知なるLUB」はクリアになりました。でも、別の疑問が

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

「高抽象度の未知なるLUB」をどうして共有できるのだろう?

 

 

 …LUBLeast Upper Bound)とは、「2つ以上の概念の、1つ上の共通の上位概念」のこと。最小公倍数のようなもので、「最小上界」と訳されます。

例えば、「プードル」と「ブルドッグ」のLUBは「犬」。「犬」と「猫」のLUBは「哺乳類」です。LUBは必ずしも1つとは限りません。「犬」と「猫」なら「ペット」と考えることも可能です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28095246.html

 

上の抽象度次元は下の次元からはなかなか認識できません。ましてや今話題としているのは芸術であり、「高抽象度の未知なるLUB」です。誰にもわからない未知のLUBを認識できるのはなぜなのでしょう? どうして共有できるのでしょうか?

 

 

 この疑問はコーチングにも大いに関係するはず。なぜなら、コーチングは「可能世界“w”から別の“w1”への移行を促す」ことだから。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その“w1”はゴール設定で生みだします。ゴールは必ず“現状の外”、すなわち「高抽象度」かつ「未知」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 さらには、「高抽象度の未知なるLUB」とは、リーダーがフォロワーと共有するゴールの世界(ゴール側のコンフォートゾーン)のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 まとめると、「芸術=高抽象度の未知なるLUB」について考え抜くことは、「コーチング=新たな“w1”への移行」を突き詰めることであり、「リーダーシップ=次なる世界(未来)の実現」を磨きあげることでもある

 

 では、再度質問です。

 「高抽象度の未知なるLUB」を、なぜ認識することができ、なぜ共有できるのでしょう?

 

F-300につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

私はますます混乱しました。もともとコンピューターサイエンスに関する知識がなく、スコトーマだらけだったから。「何がわかっていないのかもわかっていない」という感じです

 

 その後、苫米地博士の神奈川大学での講演(2023520日)を繰り返し視聴することで、「わからない」がわかってきました。学習の大切さを実感しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 例えば「LUB」について、下記スライドを使用されながらわかりやすく解説されています。

 

DrT神奈川大講演-03

神奈川大学情報学部開設記念シンポジウム(2023523日)より引用

 

 

 こちらから視聴できます↓ 苫米地博士の講義をぜひぜひ御確認ください↓↓

 基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達 Dr.苫米地 (2023年5月20日) - YouTube

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナー開催は2回の予定です。詳細はあらためて告知いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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