F-297:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.4;苫米地式次世代リーダーが作る次の世界 -前編->
師から弟子へと受け継がれるリーダーシップ
…前回(F-288~)、WBCを観戦しながら感じたことをまとめました。そのコアがリーダーシップ。
F-288~:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424792.html
認知科学者 苫米地英人博士の書籍に、リーダーシップについて考察されているものがあります。2009年に発売された「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス)です。
Kindle版はこちら↓
すごいリーダーは「脳」がちがう | 苫米地英人 | リーダーシップ |
Kindleストア | Amazon
この本の中で、博士が挙げられているリーダーの条件が「情報収集能力」「同調能力」「責任能力」の3つ。
F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」Vol.4;リーダーの視点で
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html
私なりにまとめると、リーダーシップとは、高い抽象度で誰もが幸せになるゴールの世界をつくりあげ(情報収集能力)、その世界=強烈な臨場感空間に全員を導き(同調能力)、決して諦めることなく達成していく(責任能力)こと
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
それを一言でいうと「世界観」。
私はその世界観がリーダーシップの本質だと思っています。言い換えると「calling」↓
F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html
このブログをお読みの方はご承知だと思いますが、今春(2023年)、苫米地博士は「リーダーシップ」をテーマとしたクラスを立て続けに開催されました。そして、そのエッセンスを「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で公表されています。
激動の時代に必要な“次世代リーダー”とは? (バラいろダンディ、2023年4月17日)
激動の時代に必要な"次世代リーダー"とは?
Dr.苫米地 (2023年4月17日) - YouTube
博士の渾身の講義をまとめます。苫米地博士の“本気”を感じてください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
vol.1;“これまでのリーダー”はもう機能しない
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31605153.html
vol.2;次世代リーダーの要件 -前編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31657555.html
vol.3;次世代リーダーの要件 -後編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31709558.html
vol.4;苫米地式次世代リーダーが作る次の世界 -前編-
全員がリーダーとなれるチームで、お互いのエフィカシーを高め合いながらゴールに向かい続けると、どんなシナジーが生まれ、どんな世界を作りだせるのでしょう?
F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html
…苫米地博士はこのような世界を提示されています。
〇新しいリーダーが次々と生まれ、ダイナミックにリーダーシップが更新されていく
「新しいリーダーが次々と生まれる」というのは、縁起が更新されていくということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
縁起が更新されていくのは、新たなゴールが生みだされ続けるから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
新たなゴールとは、より抽象度の高い次元に、つまり空(くう)に向かって生みだされる仮(け)。
だから、「ダイナミックにリーダーシップが更新されていく」というのは中観の実践といえます。すべての存在が空であるとする空観と、縁起の中での仮の役割に注目する仮観の2つをバランスよく維持している状態が中観です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
縁起の思想からすると、宇宙は多様で、ダイナミックに変化する関係性によって成り立っています。逆にいうと、この世の一人ひとりは、お互いの関係の中で初めて成り立つと同時に、この宇宙を構成している貴重な存在。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
この「一人ひとりがお互いに宇宙を生みだす大切な存在である」という視点が中観です。この視点があると、すべての存在を自然に大事に思うことができます。なぜ?
〇全てのメンバーが自分以外の人達の利益のために生き、圧倒的な充実感の日々を送る
中観の視点があると「すべての存在を自然に大事に思うことができる」のはなぜ?
…私の答えは「自我と宇宙がまったく同じになる」から。だからこそ、「充実感」をしっかり得ることができます。詳しくはこちらでどうぞ↓
Q-280:今までRASとスコトーマは… <後編;RAS=意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステム>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29681889.html
「自我と宇宙はまったく同じ」という境地に到達するのは、コーチングを実践し続けた結果です。1)心から望むゴールを、2)自分中心を捨てながら、3)現状の外に設定し続けていると、自我を宇宙サイズに拡張していくことができます。
Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html
さらにエフィカシー。エフィカシーとは「自分のゴール達成能力の自己評価」です。つまり、自身の存在意義の確信。
そんなエフィカシーを高めるということは、「自分の存在意義を確信したうえで、さらに世の中とのつながりを拡大し、宇宙サイズにまでその存在意義を拡大していく」ことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
だから、「自分以外の人達の利益のために生きる」ことができるし、「圧倒的な充実感の日々を送る」ことができます。苫米地博士の生き様は、その貴重な実例です。中観が導く“幸福(well-being)”をしっかり示してくださっています。
(「中観が導く“幸福(well-being)”」はこちらで↓)
F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html
そんな「圧倒的な充実感の日々」の中で、私たちは“あるもの”を獲得します。
以下、苫米地博士の著書「201冊目で私が一番伝えたかったこと」(ヴィレッジブックス、p209)より引用します。あなたの中にもある“あるもの”を感じながらお読みください。Feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
最終ゴールは「自由意志」の獲得!
「人類史上、最も偉大な発見は何ですか?」
こう問われたなら、あなたは何と答えますか? 「火」や「火薬」でしょうか。それとも「印刷技術」でしょうか。私なら、迷うことなくこう答えます。
それは「火」と「計算機」、そして「自由意志」である、と。
1番目に挙げた「火」に異論を唱える人はまずいないのではないかと思います。人類は誕生したときから、雷や火山の噴火によって発生した火を利用してきましたが、自らの意思で火を起こし、それを絶やさない方法を見つけたのは、およそ50万年前のことだと言われています。この「火の発見」は、偶然によるものというのが通説ですが、私は誰かが内部表現の外側から情報をキャッチして、火を実用化する道を開いたのではないかと推測しています。
いつ何時も自由に火を起こせるようになったことは、人類の生活を劇的に変化させました。暖をとることができるため寒冷地に居住することが可能になり、凍死する危険性も減りました。また、食べ物を焼いたり煮たりすることで料理のバリエーションも広がりました。しかし、人類が火から受けた何よりも大きな恩恵は、「機械を発明できるようになったこと」でしょう。もし、火を発見していなければ、人類の文明は石器時代から一歩たりとも進化できなかったはずで、当然、現在の私たちのような人類は存在していません。
2番目に挙げた「計算機」は、「発見ではなくて発明ではないか」という声が聞こえてきそうですが、厳密に言えばこれは発見です。なぜなら、計算機というものは、もともと宇宙に存在していたものだからです。これまでにも何度かお話ししてきましたが、物理宇宙は情報宇宙の一部なわけですから、そこには何らかの情報処理システムが機能しているはずで、そのシステムをモデル化したのが計算機、つまりコンピュータなのです。そういう意味では、計算機は発明されたのではなく、発見されたものなのです。
しかし、順番としては、人類はこの計算機の発見によって、逆に物理空間を包含している情報空間という宇宙の存在に気づくに至りました。
もちろん、その背景には、基本となる計算機の数学(離散数理)を進化させた学者たちの多大なる貢献がありました。
ともあれ、計算機の登場によって期せずして成し遂げられた情報宇宙の発見が、3番目の「自由意志」の発見へとつながることになりました。
それまでの人類が認識していた宇宙は、古典的なユダヤ・キリスト教観に代表されるような、「創造主がつくった世界」でした。つまり、「136億年前に絶対神がビッグバンを引き起こしたことで、次から次へと玉突き現象のようにさまざまな因果が起こって現に至っている」という理解です。そして、この理解が正しいとするなら、私たちの生きている宇宙で起きるすべてのことは、常に過去が現在を決定していることになります。
過去が現在を決定しているとは、つまり、こういうことです。
たとえば、今日事故で電車が大幅に遅れたせいで、あなたが社員生命を懸けて挑もうとしていた新製品のプレゼンテーションに間に合わず、結果としてそのことで会社を辞めさせられることになり、そのせいで結婚を控えていた恋人と破局して絶望のどん底に落ちたとしても、因果をたどっていけばすべては宇宙がビッグバンによって生まれたときから決まっていたことだった、ということです。言うなれば、すべてのシナリオを「神が書いていた」ということで、このような考え方を「決定論」と言います。
この宇宙を決定論が支配しているなら、つまり、すべてが予め決められたシナリオ通りに進んでいて、そこから逃れることができないのなら、そこに自由意志は存在しないことになります。
そんな理不尽なことがあるでしょうか? これまでに何度も述べてきたことですが、情報宇宙という存在のすごいところは、時間と空間を超越しているということです。ですから、情報宇宙の中では時間が未来から現在へ、現在から過去へと流れ、そこでは人は自由に生き方を選択することができるのです。
しかし、私たちが抽象度の低い物理宇宙に固執している限りは、真の自由意志など手に入るはずがありません。
人類という種全体が抽象度を高めていったとき、初めて人類の知の限界としての創造主である神の抽象度を超えて、人類が大きく進化することができるはずです。それを可能にするための第一歩が、「自由意志の発見」だったと私は思います。
自由意志を獲得した人類は、大いなる進化への入口に立たされていると言えます。ところが、自由意志を自在に使いこなせている人というのはまだまだ多くありません。火と計算機を自在に使いこなして進化の踏み台にしてきたように、自由意志もまた一種の当たり前に使いこなせる道具にしなければなりません。それが成し得たとき初めて、人類はさらなる進化へと踏み出すことができるのだと思います。
つまり、私たちが取り組むべき今後の課題は、「自由意志の汎用化」とも言うべきものです。人類が、種全体として、自由意志の存在を認識したうえでそれを自在に使いこなし、未来を切り開いていく―。そのヴィジョンを私たち一人ひとりが共有することが大切なのです。
引用終わり
(F-298につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-告知1-
今年度のオンラインセミナー開催は2回の予定です。詳細はあらためて告知いたします。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-065~:水木しげるさんの「幸福の七カ条」
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F-123~:「I」を「R」に実装する ~苫米地博士によるFederation
of Cyber States(サイバー国連邦)設立提案~
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F-243:人は、生きている時は自分の心の中、亡くなると親しい人の心の中にいる
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Q-173:苫米地博士のゴールはなぜ「世界平和」ではないのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24905311.html
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