F-296:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.3;次世代リーダーの要件 -後編->
師から弟子へと受け継がれるリーダーシップ
…前回(F-288~)、WBCを観戦しながら感じたことをまとめました。そのコアがリーダーシップ。
F-288~:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424792.html
認知科学者 苫米地英人博士の書籍に、リーダーシップについて考察されているものがあります。2009年に発売された「すごいリーダーは『脳』がちがう」(三才ブックス)です。
Kindle版はこちら↓
すごいリーダーは「脳」がちがう | 苫米地英人 | リーダーシップ |
Kindleストア | Amazon
この本の中で、博士が挙げられているリーダーの条件が「情報収集能力」「同調能力」「責任能力」の3つ。
F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」Vol.4;リーダーの視点で
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html
私なりにまとめると、リーダーシップとは、高い抽象度で誰もが幸せになるゴールの世界をつくりあげ(情報収集能力)、その世界=強烈な臨場感空間に全員を導き(同調能力)、決して諦めることなく達成していく(責任能力)こと
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
それを一言でいうと「世界観」。
私はその世界観がリーダーシップの本質だと思っています。言い換えると「calling」↓
F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html
このブログをお読みの方はご承知だと思いますが、今春(2023年)、苫米地博士は「リーダーシップ」をテーマとしたクラスを立て続けに開催されました。そして、そのエッセンスを「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で公表されています。
激動の時代に必要な“次世代リーダー”とは? (バラいろダンディ、2023年4月17日)
激動の時代に必要な"次世代リーダー"とは?
Dr.苫米地 (2023年4月17日) - YouTube
博士の渾身の講義をまとめます。苫米地博士の“本気”を感じてください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
vol.1;“これまでのリーダー”はもう機能しない
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31605153.html
vol.2;次世代リーダーの要件 -前編-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31657555.html
vol.3;次世代リーダーの要件 -後編-
「バラいろダンディ」(TOKYO MX、2023年4月17日)より引用
〇全てのメンバーがいつでもリーダーに代われる「メンバー(リーダー)育成」を徹底
「メンバー(リーダー)育成」のポイントとして、苫米地博士は「抽象度」と「エフィカシー」を挙げられています。ここでのエフィカシーとは、「いつでもリーダーの代役ができるという自覚」のこと。目指すのは「全員がリーダーとなる組織」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
以下、苫米地博士の著書「心の操縦術 真実のリーダーとマインドオペレーション」(PHP研究所、p86)より引用します。
全員がリーダーとなる組織
組織の上位の人々が命令し、下位の人々はただひたすらそれに従って行動する、という組織は効率がよくありません。理想は、全員がリーダーとなれる組織です。
それに、工場での単純作業のようなものはできるだけロボットに任せて、将来は全員参謀の時代が来たほうが幸せでしょう。
アメリカの軍隊も、昔と違って、個々の兵士が自律して行動する柔軟な組織になっています。どの人間でもいつでもリーダーになれるような訓練がなされているわけです。
それはどういうことかといえば、タスクごとに担当が決まっているのです。役割分担です。
「この分野、この仕事では俺がリーダーだけど、この仕事では俺はソルジャー」ということです。タスクによって、リーダーになり、ソルジャーになり、と、役割を変えるのです。このように、マルチな次元が組みあわされるシステムをつくっているのです。
そうしないと、旧来のツリー状の組織では、どんどんボトルネックができてしまいます。ボトルネックの部分をやられると、それより上と下とが完全に切れてしまい、情報伝達ができなくなってしまいます。
太い電線を一本切れば、そこから分岐していた電線すべてに電気が供給されなくなり、大規模な停電が起こるようなものです。
切れなくても、何らかの理由でそのボトルネックで情報が停止すると、そこから下のツリー全体が機能停止します。
これを防ぐためには、全員がリーダーになれる組織をつくる必要があります。そうすることで、状況に応じて柔軟に対処できるようになります。
そのためには、組織のメンバーの誰もが視点を上げてものを考えられるようにならなければなりません。
今のアメリカ軍は既にそうなっています。アメリカ軍だけでなく、企業もそうでなければなりません。
事実上、既にそうなっている部分もあるでしょう。
電子メールのセッティングは、「社長、ダメですよ」などと言いながら新入社員がやっているかもしれません。昔はありませんでした。
そういったことが、まさに今、技術革新のなかで起きているわけです。それは、そのタスクのなかにおいて、社長がソルジャーで、電子メールを設定している親友社員がリーダーなのです。
このようなことがいくらでもありえるわけで、企業組織体の各メンバーは、このタスクを遂行するユニットにおいては自分がリーダーシップを発揮して行動できる、というようにしておかないと、本来いけないのです。
引用終わり
…ポイントは「タスクによって、リーダーになり、ソルジャーになり、と、役割を変える」こと。つまり、役割をアプリオリなものとみるのではなく、ゴール実現のためのひとつのダイナミックな機能とみることです。
そのためには役割・機能の違いをしっかり尊重する必要があります。「しっかり区別は行いながら、決して差別はしない」というように。
それが「マルチな次元が組みあわされるシステム」の礎です。
PMⅠ-06-13:仮説08)はびこる差別意識
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html
〇アプリオリ権力リーダー達の煩悩が生み出す未曽有の危機を回避・解決する
マルチな次元が組みあわされるシステム
=タスクによって、リーダーになり、ソルジャーになり、と、役割を変える
…だから、アプリオリ権力の強力な煩悩が生み出す“未曽有の危機”を回避・解決することができます。鍵はチームレベルでの問題解決力です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
私自身は「チームレベルでの問題解決力」の最大のポイントは「コレクティブ・エフィカシー」だと思っています。
Q-310~2:私のまわりではそうでも… <vol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html
全員がリーダーとなれるチームで、お互いのエフィカシーを高め合いながらゴールに向かい続けると、どんなシナジーが生まれ、どんな世界を作りだせるのでしょう?
F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html
…苫米地博士はこのような世界を提示されています。
「バラいろダンディ」(TOKYO MX、2023年4月17日)より引用
〇リーダーが「日々変化する社会のより多くの人に利益のあるゴール」を次々と発見できる
マルチな次元が組みあわされるシステム
=タスクによって、リーダーになり、ソルジャーになり、と、役割を変える
…そんな柔軟なシステムが生みだすパワーの源は縁起。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
ゴールに向けてますます縁起力を発揮し互いのスコトーマを外しあうために、私自身はブレインストーミングとブリーフィングを重要視しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
*詳しくはこちら↓
F-276~:L下でのBS&B
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423822.html
〇リーダーによってゴールへの道が創造され、次々と人々が選択し、行動・実現できる
リーダーは特定の人物ではありません。ましてや、アプリオリ権力に指名されただけの“奴隷”ではありません。
F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
リーダーとは、誰よりも「日々変化する社会のより多くの人に利益のあるゴール」を見いだせる人。誰よりも抽象度が高い人。そして、誰よりも自由な人です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
ところで、自由なリーダーが描く“Not Normal”な世界はなかなか理解してもらえないもの。それなのに人々が魅了されていくのはなぜでしょう?
誰よりも抽象度が高いゴールに向かう選択を、フォロワーが自然に行うことができるのはなぜなのでしょう?
…答えはシンプル。「ゴールのイメージ(I)に強い臨場感を感じている(V)」から。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
その臨場感がチーム内で共有されると、ゴールの世界にホメオスタシスが働きます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
(F-297につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-告知1-
今年度のオンラインセミナー開催は2回の予定です。詳細はあらためて告知いたします。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html
F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html
Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html
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