Q-315:こんな私に誰がした <後編;コーチング実践者向け>

 

 私は兼業コーチです。今回は医師としての私に向けられたシリアスな質問に、コーチとして回答します(詳細は変更しています)。その質問とは

 

Q:こんな私に誰がした?

 

 そう質問されたなら、皆さんはどのように答えますか?

 

 

 では、私の回答を。前回はコーチング入門者向けに回答しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31514597.html

 

今回はコーチング実践者向けです。

 

A2:「こんな私に誰がした?」は、「こんな私」と「誰がした?」に分けることができます。まずは「こんな私」から考えてみましょう。

 

 「こんな私」の「こんな」とは、主に“失敗”の記憶。大きな“失敗”ほど、記憶に残りやすくなります。それが脳のメカニズムです。

 PM-06-01:過去の“失敗”をもとに問題を解決する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 「こんな私」の「」とは、関係によって浮かびあがってくるネットワークのこと。その本質は「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

空とは、無と有を包摂する上位概念のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

よって、「」は「無としての」と「有としての」の2つの側面で考察することができます。前者は部分関数、後者は評価関数(重要性関数)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 部分関数で表される「」とは、先ほどの「関係によって浮かびあがってくるネットワーク」の“交点”のこと。私自身は「関係のどこまでを臨場感を持って自分と感じるか?」が「」を定義すると思っています。

コーチング用語でいうと、「臨場感を持って感じる自分」とはコンフォートゾーンのことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 評価関数(重要性関数)で表される「」とは、重要度のこと。宇宙を重要な順に並べなおす関数が「」。コーチング用語ではブリーフシステムです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 部分関数として考えると、じつは、「」と宇宙は同じ。本当はどこまでもひろがるネットワーク全部が「」のはずです。ところが、「」を宇宙と同じとすることはできません。ブリーフシステムが生みだすRASReticular Activating System)によりスコトーマが生じるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 重要度が下がるほどスコトーマに隠れてしまうので、「関係のどこまでを臨場感を持って自分と感じられるか?」が「」を定義するといえます。もっとわかりやすく表現すると、「『の大きさ』を定義する」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 

では、なるべくスコトーマを少なくし、「」を拡大するためにはどうすればいいのでしょうか?

 (答えは後ほど)

 

 

 次は「誰がした?」について考えてみましょう。

 

 私たちは、つい「存在があって関係が生まれる」と考えてしまいまいがち。しかし、本当は関係があって存在が生まれています。もちろん双方向的に。それが「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 「誰がした?」というセルフトークによって存在(「」)にロックオンしている限り、決してスコトーマは外れません。抽象度の階層(情報空間)を超えてひろがる因果関係が認識できないから。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 因はより高次の抽象度次元にひろがっています。縁起として。

時間でいうなら、未来が因です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 前回説明したとおり、こんな私に誰がした?」の「」は必ず“私”。その“私”は高次の抽象度次元を認識することができません。情動によって低い抽象度次元に囚われているから。その典型が大脳辺縁系優位の「Fight or Flight」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 情動の代表が「怒り」。怒りの矛先は、存在(個)ではなく、関係(全体)に向けるべき。過去ではなく、未来に向けるべき。抽象度が下がる方向ではなく、上がる方向に向けるべきです。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

ここでいう関係(全体)とは、高次の抽象度次元に縁起としてひろがるw1のこと。時間でいえば、もちろん未来。

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 では、情動を克服し、高次の抽象度次元にひろがるw1や未来に働きかけるためにはどうすればいいでしょうか?

 

 その答えは、先程の「なるべくスコトーマを少なくし、『』を拡大するためには?」と同じ。

 

 

 そう、ゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、おなじみの「新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版」のMonthly Column4月)から引用します。「ゴール設定とは〇〇の◎◎に働きかけること」をしっかり体感してください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版

 

 

時間は未来から現在、過去へと流れている!

 実は時間は未来から過去へと流れています。私たちが普段何気なく感じている時間の流れは、過去から現在、そして未来へというものです。でもこれはよく考えると逆向きであることがわかります。

 例えば、今この瞬間、あなたは手帳のこの文章を読んでいます。この文章を読み終えて、今から1時間後に今のことを振り返ったときに、今現在は1時間前の「過去」になっています。

 例えば今は朝の10時だとしましょう。1時間経つと11時になります。11時になったら、10時は1時間前の過去になります。当たり前ですが、丁寧に考えてみると奇妙なことに気づきます。未来が新しい「今」となり、「今」が1時間前の「過去」となるのです。すなわち、現在は過去となり、未来は現在となります。つまり、「現在→過去/未来→現在」ということです。

 体感と合わせて、繰り返し考えてみると、これは自然なことだとわかります。確かに1時間後の未来は、1時間経てば「今」となりますし、今現在は1時間後には過去になります。そして、左下の図を数式のようにつなげて書くと、「未来→現在→過去」となります。

 時間は未来から流れ、現在を通過して過去へと流れ着きます。私たちはなぜか過去から未来へと時間が流れていると思わされていますが、これは神が宇宙のはじめをつくったとする中世までの宗教観をベースにしているからです。それは「ビッグバンは神が起こしたという宗教観」と言ってもいいでしょう。

 その宗教観(時間の流れに関する洗脳)を自分で「脱洗脳」するためにも、このコラムを繰り返し読み、頭で考え、身体で感じましょう。洗脳が解けると、未来から時間が流れるというのが普通の考えになってきます。未来から時間が流れることがわかると、あなたの夢やゴールは叶いやすくなります。

 なぜならゴール設定とは未来の縁起に働きかけることだからです。そして未来が原因となり、現在が変わるからです。

 引用終わり

 

 

 ゴール設定とは未来の縁起に働きかけること。未来が原因となり、現在が変わる

 

 こんな私に誰がした?」というセルフトークのままでは、いつまでたっても「こんな私」、すなわち現在=過去の記憶に囚われたまま。だから

 

Q:こんな私に誰がした?

A:“あなた”自身。ただし、その“あなた”は本当のあなたではない

 

これまでの記憶でつくられたブリーフシステムの外にゴールを設定し、そこに向かって突き進んでいくのがコーチングです。コーチングを実践し続けるから、本当の私を創造し続けることができます。

その「本当の私」とは、ゴール設定で生みだす世界であり、未来のことです。

 

 

211213バラだん02

バラいろダンディ(TOKYO MX20211213日放送回)より引用

「コーチングの基本概念を習熟して、新年に向けてエフィカシーをブーストしよう」

https://www.youtube.com/watch?v=45-1UEYkl7Q

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記―

その「本当の私」とは、ゴール設定で生みだす世界であり、未来のことです

 

 本当の私=ゴールの世界=未来 を実現するために、怒りなどの感情を利用します。そのために「モニタリング&ラベリングし、感情の文脈=ゲシュタルトを理解し、楽しむ」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 コーチングはハッピーを実現する科学でもあります。

私の感覚を言葉にすると、そのハッピーは、怒りや悲しみ、苛立ちや憎しみを握り潰した後に残った希望から芽生えます。

 F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

 

 そう、希望!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 絶望の中に希望を見いだす力は、自身の内に必ずあります。まずは心を落ち着けて、その力を感じましょう。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 しっかり感じられたなら、次に取り組むのはFeel!)

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナー開催は2回の予定です。詳細はあらためて告知いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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