Q-312:私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんけどvol.7:コレクティブ・エフィカシー -後編-

 

今回は“型破りver.2”です。

 (ver.1はこちら↓)

 Q-300~:「心身相関」と「超情報場理論」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423993.html

 

先日、久々に苫米地式コーチング認定グランドマスターコーチ 田島大輔さんと御一緒しました。御挨拶しながら、私はこのような質問をさせていただきました。

 

 QCoacH T):最近、私のまわりではネガティブな言動が増えているような気がするのですがいかがですか?

 

 少し間をあけて、田島コーチはこのように回答されました。

 

 A(田島コーチ):私のまわりではそうでもないです。私が気づいていないだけかもしれませんが。

 

 短いやり取りではありますが、私の情報場は大きく動きました。そして、コーチング理論のコアに触れた気がしました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 その体感を3つのテーマに分けて言語化し、最後にもう一段抽象度を上げてまとめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 vol.1:コンフォートゾーン -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30925409.html

 vol.2:コンフォートゾーン -中編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30976461.html

 vol.3:コンフォートゾーン -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30996032.html

 vol.4:内省言語>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31022550.html

 vol.5:コレクティブ・エフィカシー -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 vol.6:コレクティブ・エフィカシー -中編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 vol.7:コレクティブ・エフィカシー -後編-

 

 

 互いが互いのコーチとなって、さらなる現状の外のゴールを設定する

 

 今、求められているのは、そんな「コレクティブ・エフィカシーの世界」。

 PM-02-02:エフィカシー

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 その先に待つのは「〇〇があたりまえとなっている世界」

F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 

 今回は「〇〇があたりまえとなっている世界」がテーマ。

 「〇〇」を明らかにする前に、まずは「コレクティブ・エフィカシー」について確認しましょう。以下、苫米地式コーチング認定グランドマスターコーチ 田島大輔さんの著書「マインドの教科書」(開拓社、p288)より引用します。

 

 

 コレクティブ・エフィカシー(Collective-Efficacy

 集合的なエフィカシー

 

 コレクティブ・エフィカシーには2種類あります。

 一つは、高いエフィカシーを持った個人が集まることにより、お互いがお互いのゴールの存在を認め合い、お互いのエフィカシーをさらに高め合う状態のことです。

 もう一つは、同じゴールを共有した組織の構成員による集合的なエフィカシーのことです。組織の構成員それぞれが組織のゴールを達成できるという高いエフィカシーの状態にあることです。組織が高いゴールを達成するためには、高いコレクティブ・エフィカシーが必要となります。

 

マインドの教科書

 

 

 前々回(Q-310)考察したとおり、エフィカシーは「『コーチとの縁起により高まるゴール側の臨場感』のレベル」とも考えることができます↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 

 さらに前回(Q-311)は、「互いが互いのコーチとなって、さらなる現状の外のゴールを設定する」ことで「コレクティブ・エフィカシーの世界」となることを確認しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 

 そのコレクティブ・エフィカシーが、「現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化を好む」という人の心理特性が生みだす「既得権益だけが肥大する社会」「差別がはびこる世界」という問題(課題)を解決するはず!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp133)から引用します。前回(Q-311)引用分の続きです。Feel

 

 

 ◎コレクティブ・エフィカシーの時代

 ところで、皆さんはトロッコ問題というのを聞いたことがあるでしょう。

 ハーバード大学の講義で有名になった問題で、「二股に分かれた線路の左側には人間が5人、右側には人間が1人います。トロッコはブレーキが壊れているため、右か左、どちらかにハンドルを切ることになるのですが、あなたならどちらを選びますか?」という問題です。

 ハーバードの学生たちはハンドルをどちらに切ることもできず、時間切れが相次ぎました。

 さて、あなただったらどうしますか?

 たぶん、答えは出ないでしょう。

 もう一問、線路の右側に見知らぬおじさん、左側に自分の父親がいたら、どちらにハンドルを切りますか?

 たぶん、多くの人が右にハンドルを切るでしょう。苦渋の決断とはいえ、どちらを優先させたいと思うかは明らかです。

 しかし、それは正しいことなのか? と問われれば、正しいと言える人はなかなかいないでしょう。

 ところが、昨今の世界的風潮は自分の父親を助けるのであればハンドルを右に切るのは当然だという方向に動いています。

 特に最近のアメリカで進む分断化は社会全体がこの傾向に進んでいるために起きていることのように感じられてなりません。

 「ここは白人の土地だ、黄色人種も黒人も出ていけ」「白人には白人の権利がある」なのです。それでいいわけがありません。

 では、「黒人には黒人の権利がある」が正しいのか、といえば、それも違います。なぜなら、言い方が違うだけで主張はまったく同じだからです。

 事実、黒人と白人を入れ替えてみればわかります。

 「ここは黒人の土地だ、黄色人種も白人も出ていけ」

 立場が入れ替わっただけでまったく同じです。もちろん、互いの立場が大切なのだという意見があるのはわかりますし、黒人はこれまで虐げられてきたのだから、権利を主張して当然だというのもわかります。

 しかし、やっていることはどこまでいっても同じです。この考え方は抽象的な考えを一切許さない、白黒はっきりつける考え方です。

 しかし、間違っているのは、そんな議論があることそのものです。本来ならば、どっちが大事という話ではなく、どちらも大事なはずです。

 ですから、私は提案したいのです。「そろそろ『どっちが大事なんだ』の世界から出ませんか?」と。

 「どちらかが大事だという世界の現状の外側に出て新しいゴールを設定しませんか?」と。

 それができるのがコレクティブ・エフィカシーなのです。

 いま私たちが住むこの世界は崇高な世界では決してありません。しかし、だからこそ、安易な結論に手を伸ばしてはいけないのです。答えなどない世界において、答えを出すことが重要ではなく、考え続けることが重要なのです。トロッコ問題とは考え続けることの重要性を理解するための問題だと私は思っています。

 私たちが目指さなければいけない世界は差別が最初からない世界です。そういう世界では差別という言葉も概念もないのですから、「差別って何?」という世界なのです。

 ところが、いまはその逆で、「差別をなくそう」と言うことで新しい差別を作り出しています。こういった考え方がなくならないから、差別はいつまでたってもなくならないのです。逆に差別のある現状が固定化されてしまいます。そんな現状に縛られた状態でゴールを設定したらどうなるでしょうか? ますます現状が固定化されてしまうでしょう。

 これを打ち破るのにはどうしたって一人の力では無理なのです。

 引用終わり

 

 

 どちらかが大事だという世界の現状の外側に出て新しいゴールを設定しませんか?

 

 「どちらかが大事だという世界」を生み出すのは、「抽象的な考えを一切許さない、白黒はっきりつける考え方」。それは「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」という発想が欠けた排中律(はいちゅうりつ)です。

 F-231~3錠じゃないと飲まん!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418468.html

 

 苫米地博士は排中律的な考え方を詭弁かつ危険と評され、「無理矢理な視点の変え方では脳が納得しない」と諭されます。

 脳が納得するのは視点が上がるとき。「視点が上がる」は、「抽象度が上がる」「抽象度を上げる」と同義です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 抽象度を上げて、上から俯瞰するように物事を眺める

 

 その感覚で生きていると、すべてがクリアに感じられます。「どっちでもいい」「どうでもいい」をはるかに越えたところで感じる「違いがない」「まったく同じ」という感覚(=空観)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

私はそのような境地を“無敵”と定義しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 そう、“無敵”!

 「互いが互いのコーチとなって、さらなる現状の外のゴールを設定する」というコレクティブ・エフィカシーの先に待つのは「“無敵”があたりまえとなっている時代」

その実現がコーチングの究極の機能である!

 

 田島コーチとの御縁により、私はそのような確信を深めました。

 

Q-313につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

田島コーチとの御縁により、私はそのような確信を深めました

 

 そんな私との縁で皆さまが何かを得て、それをひろげていきながら新たなゴールを実現していくことがコレクティブ・エフィカシーです。

コーチングマインドを極め抽象度の高いゴールを追究する者どうしの縁起のパワーが、「“無敵”があたりまえとなっている時代」を実現するのだと思っています。

Q-204~:「縁起」と「因果」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 

-告知1

 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 R5.4/2に予定していた最終回「抽象度」は中止することになりました。御了承ください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30969181.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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