Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることができるのでしょうか? <Ops編;〇〇〇化>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:仕事のこと、プライベートのこと、家族のこと、友人のこと、自分自身の生きがいなど、どうやったらすべての目標を結びつけられるのでしょうか?

 

認知科学者 苫米地英人博士は、「サイバーインシデントを防ぐ4つの基本」として、「防衛」「教育」「再構築」「トップ判断」を掲げられています。

そのうちの「再構築」について「古い仕様のプログラミング言語や旧世代仕様で開発したシステムを最新のパラダイムで作り直すべき」と語られ、その「最新のパラダイム」として「DevSecOps(デブセクオプス)」を紹介されています。

Dev(デブ)」とは開発(Development)、「Sec(セク)」とはセキュリティー(Security)、「Ops(オプス)」とは運用(Operation)のことです。

 

 *詳しくはこちら(バラいろダンディー)↓

 Dr.苫米地 デジタル庁成功のための提言 Dr.苫米地 2021年9月6日 - YouTube

 相次ぐ"サイバーインシデント"を防ぐために Dr.苫米地 2021年10月18日 - YouTube

 

私は、「DevSecOps」はサイバーセキュリティの話だけでなく、コーチングやヒーリングにも大いに関係すると考えています。思考そのものが情報処理だからです。

F-275:冗長性と多様性 <vol.7DevSecOps

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558564.html

 

 今回は、いただいた御質問を、「Dev(開発)編」と「Ops(運用)編」の2回に分けて回答します。

 

 Dev編;ゴールを〇〇と結びつける>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30871998.html

 Ops編;〇〇〇化>

 

  

A2:前回は、「すべての目標を結びつける」ためのポイントを、「ゴールを意図と結びつけること」と回答しました。

 

 「DevSecOps」でいうと、「抽象度を上げる」「ゴールを意図と結びつける」は「Dev(開発)」に相当するはず。

 今回の回答は「Ops(運用)」に該当する話です。抽象度を下げ、具体的な実践として心がけるべきことをお伝えします。


 その実践とは無意識化!

 

誰であっても、何であっても、習いはじめはぎこちないものです。学びを深め、経験を重ねるうちに、だんだんスムーズに行えるようになっていきます。

 

「スムーズに行える」とは、「意識して行っていたことが、無意識に行えるようになる」ということ。それが「無意識化」。そのときにマインドで起きているのは「ゲシュタルトの構築」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」を指します。全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまりのことです。部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 例えば、「ルビンの壺」でいうと、「壺」という認識や「向き合った人の顔」という認識がゲシュタルト。「壺」(全体)では模様(部分)に思えたところが、「向き合った人の顔」(全体)では鼻や口(部分)に見えてきます。

 

 

ルビンの壺(Wikipedia)

「ルビンの壺の一例」

Wikipediaより引用

 

 

部分の意味はゲシュタルトで決まります。そのゲシュタルトは同時に1つしか維持できません。

つまり、ゲシュタルトが意味を決め、ゲシュタルトが変わると意味が変わるということ。

Q-199:状況は意味により変わる? 意味は状況の中にある?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26292382.html

 

人間の場合、ゲシュタルト同士をより大きなひとつのゲシュタルトに統合することができます(connect the dots)。それが人が持つ「ゲシュタルト能力」です。

 F-259:不満と傲慢のはざまでvol.3;知らないことは認識できないのに新しい知識を得ることができる秘密>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29695715.html

 

 ゲシュタルト同士を統合してより大きなゲシュタルトをつくるほど、理解はどんどん深まっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

より大きな縁起のつながりを感じることができ、そのつながり全体の視点で“意味”を見いだせるからです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 それは「抽象度が上がる」ということ。ゲシュタルトの再構築を繰り返すたびに、前回のテーマ「ゴールを意図と結びつける」ことがうまくできるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 さらに、ゲシュタルト再構築を重ね無意識にできるようになった頃には、マインド内での並列処理もうまくできるようになっています。

 

動作がぎこちない間は、一つひとつの動作を意識に上げて行っています。そのときの思考パターンは論理的(または言語的)で、情報の処理はシリアル(直線的)です。

ところが上達するにつれて、無意識下ですべてを行うようになります。いちいち次の動作を考えなくても「手足が勝手に動く」状態です。思考のパターンはイメージ的(非論理的、非言語的)で、その処理はパラレル(並列的)。

PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

苫米地理論でいうと、前者が左脳言語野処理、後者が右脳言語野処理。

左脳→右脳言語野の感覚を、ブルース・リーは「考えるな、感じろ(Don’t think. Feel)」と表現しました。

PM-06-12:仮説07)思考停止

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 以下、苫米地博士の著書「効率が20upする『超並列脳』の仕事術! グレインサイズの高め方」(フォレスト出版、p56)より引用します。ゴールのバランスを実践的に整えているイメージでお読みください。Feel

 

 

 超並列処理は「無意識」をつくれば、勝手に動き出す!

 無意識に大量の仕事を並列処理させるためには、コツがあります。

 そのひとつは、無意識がバックグラウンドで処理しやすいように、知識を最適なグレインサイズとして大量に持っておく、ということです。

 2つめは、無意識がその処理をするための訓練を行うことです。

 無意識が処理することにも訓練が必要だというと、意識できないことに必要な訓練があるのかと、不思議に感じるかもしれません。その疑問はもっともでしょう。ただ、ヨガなどでは心臓を効率よく動かしたり、血行をよくしたりする訓練は知られています。

 また、こと知的作業に関しては、訓練が効くのです。

 知的作業において無意識が処理していることは、最初は意識が行い、徐々にそれを無意識化したものです。

 たとえば、いま目の前に集中して処理すべき仕事があるものの、別件のアイデアも同時にまとめておかなければいけないという場合、目の前の仕事が終わったときに、別件のアイデアも頭の中ですっかりまとまっているということがよくあると思います。

 それは、そういう訓練をしたことがないのに「できた」ということではなく、ちゃんとした理由があります。

 そういう切羽詰まった必要性が生じた過去があり、そのときに意識してそれを実行し、それ以来、自覚的ではないにせよ、何かあるときはずっとそれをやりつづけてきたということです。

 それは、そういう自分になろうと意識的に行った訓練ではなかったかもしれませんが、切羽詰まった状況に応じて、我流に訓練を積んできたことの結果といえます。だからこそ、いまもそういうやり方ができているわけです。

 このように、無意識に仕事をさせる訓練は、最初は意識的に行えばいいことです。

 たとえば、わかりやすい例を上げると、空手の三本組み手がそれでしょう。

 三本組み手というのは、たとえば左、右と正拳突きを出し、三本目は左回し蹴りをくり出すというような組み手の最小ユニットのことです。

 空手を習い始めたばかりのときは、左、右、回し蹴りというように、ひとつひとつの動きを強く意識しないと、力強い攻撃の形にはなりません。

 ところが、毎日練習を積んでいくと、突きも回し蹴りもだんだん様になっていき、重心の移動や打撃をくり出すタイミングなどが自然に身についていきます。すると、くり出す打撃にも、いかにも破壊力が生まれてきます。

 そして、それを繰り返しているうちに、何かを意識することもなく、いつでも無意識でその動きができるようになります。これが、処理を無意識化することです。

 このようにして、日常的に行っている仕事や知的な処理をユニット化し、それを無意識で行うことができるように、処理の無意識化の訓練をしていくわけです。

 引用終わり

 

 

 すべての目標を結びつける」ためのポイントについて、「Dev(開発)編」と「Ops(運用)編」に分けて回答しました。「抽象度を上げる」「ゴールを意図と結びつける」ことが「Dev(開発)」的解決方法で、日常的に行っている仕事や知的な処理をユニット化して「無意識化」することが「Ops(運用)」的解決です。引用文中の博士の言葉で言うと「知識」と「訓練」。

繰り返しますが、「無意識化」のためには日常的な訓練が必要。つまり

 

一方で抽象度を上げながら、その一方で抽象度の最下層(物理次元)でしっかり生きる

 

 その両方向性の同時追究が「すべての目標を結びつける」ための奥義だと思っています。そう、“ゲバラ主義”!

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 

チェ・ゲバラ(Wikipedia)

チェ・ゲバラ(Che Guevara

1960年(31歳時)「英雄的ゲリラ」より

Wikipediaより引用

 

 

 以上より、シンプルにまとめると、「“ゲバラ主義”で生きる

それが「どうやったらすべての目標を結びつけられるのでしょうか?」に対する私の回答です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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