Q-302:「死が迫る老人を慮りながら、目の前の世界をよりよくしていく感じ」とは?
過去のブログ記事(下記リンク↓)に関して、医療に従事されている方から御質問をいただきました。ありがとうございます。
Q-188:家族ががんで治療中… -12;「I×V=R」を用いた3rd.Step<Rを高次元の“R”へ ~縁ある者たちに役割~>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25410549.html
いただいた御意見・御質問の一部に回答いたします。
(変更を加えてあります)
Q:…「『死が迫る老人を慮りながら、目の前の世界をよりよくしていく』という感じ」というのがよくわかりません。具体的にはどのようなことを行えばいいのでしょうか?
A:「よくわからない」というのは、じつは、とても大切な感覚です。
反対に、「わかっている」「理解している」と思い込んでしまうと、スコトーマが外せなくなります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
まずは「よくわからない」と認識している自分にセルフトークを。「Yes, I’m
good!」と。
Q-276~:セルフトークのマネジメントについて
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html
「よくわからない」はゲシュタルトができていないことを意味します。ゲシュタルトとは、「全体性を持ったまとまりのある構造」「全体と部分の双方向の関係性」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
ゲシュタルトをつくる鍵は「知識」です。ただし、その「知識」は「情報」とは異なります。
私たちが最初に手にするのは、断片的な一つひとつの「情報」。
その断片的な情報が蓄積されていくと、そのうちに情報どうしがひとまとまりになってつながり、一つの認識になります(connect the dots)。それが「知識」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
その知識(のゲシュタルト)の量に比例して理解が深まります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
理解が深まると、様々な問題を見いだし、多角的に考察することができるようになります。すると、正しく判断し、解決することができるようになります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19678141.html
問題(ケース)を発見する洞察力やその問題を解決する適応力(プラン)が磨かれると、ますますゴールに近づいていきます。「invent on the way」(by Mr. Lou Tice)を実現しながら。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
だから、知識が大事!
そのような大事な知識を身につける重要な活動が「学習」です。
PMⅠ-05-06~8:そもそも教育とは?-3-1~3)学習を促進する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html
苫米地博士は、知識のことを「可能世界から可能世界への到達可能性関数」と表現されます。コーチングのゲシュタルトで表現しなおすと、「可能世界“w”から別の“w1”への架け橋」。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
可能世界とは「情報空間全体の中の特定の一部分」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
その「特定の一部分」を共有すると、同じ“現実”を認識する(ように感じる)ことになります。詳しくはこちらでどうぞ↓
Q-235:「財布を娘に盗られた」といった… <vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html
…ところで、質問者以外の皆さまはさらに「よくわからない」はずw
その理由は、もちろん、ゲシュタルトができていないから。
ゲシュタルト構築のために全体像を簡単に説明すると、苫米地博士のコーチング系セミナーに参加した際に、受講者からこのような質問をいただきました。
Q:母と祖父が同じがんで治療中です。私はどのように接すればいいでしょうか?
…「どう接すればいいだろうか?」「私ならどうするだろう?」と自問しながら鹿児島に帰る飛行機の中で読んだのが、苫米地博士の著書「がんを克服できる脳」(主婦と生活社)。
その本の中で博士は誌面コーチングをされていて、このように書かれています。
がんを治すための思考は、受け入れるべきものを受け入れて、拒否するべきものは徹底的に拒否することが大切
…この言葉を考え抜いた末に感じたのが(feel!)、「死が迫る老人を慮りながら、目の前の世界をよりよくしていく」というイメージです。
誤解を恐れずにいうと、それは「現状の最適化」。
コーチングにおいて「現状の最適化」はNGです。それでも私は、物理空間に働く因果など「受け入れるべきものを受け入れて」、まずは現在のコンフォートゾーンを快適にしていくべきだと思っています。老人の場合には。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
以下、「がんを克服できる脳」(p118)より引用します。苫米地博士が語られていることをゲシュタルト化した上で、もう一度私のブログ記事(Q-188)をお読みください。きっと答えが見つかるはず。
◇がん患者のためのコーチング
私の職業のことを多くの人が脱洗脳家だと思っています。しかし、私の職業はコーチです。
コーチというと、日本ではスポーツ・コーチを連想しますが、アメリカでは運動選手はもとより企業や個人に向けて、生産性を上げたり、目標達成のためのマインドを作る人々の事もコーチと呼ばれます。
私のいうコーチは、当然ながら後者になります。生産性を上げたり、目標達成のためのマインドを作り、クライアントの夢の実現に寄与します。クライアントには、健常者だけでなく、病気の人も含まれます。特に病気の人は、身体はもとより、マインドが疲弊していることが多いので、コーチの支えは大きな助けになるようです。
では、具体的に、どうやるのか説明しましょう。
コーチングで最初に教え込むのは心のメカニズムです。心とは本当は何なのか、どうやって使うものなのかを最初にレクチャーします。
しかし、実はその部分はもう本書に書いてあります。“心”とは本当は心ではなく、五感であり、体感です。どうやって使うかは、臨場感のあるイメージを創ることで、操作していきます。ですから、そこはもうクリアしたものと考えて、次のステップから説明しましょう。もし、わからなければ、もう一度、第1章からよく読んでください。
さて、コーチング理論で最も大切なことはエフィカシーを上げることになります。
エフィカシーとは「自己能力の自己評価」の意味です。
なぜこれが大切なのかと言えば、私たちは全員エフィカシーどおりの人間だからです。自分の能力は自分がこうだと決めるから、そこが限界になるのです。オリンピックがいい例です。体操のウルトラCは30年くらい前は最高位の技でしたが、いまでは普通レベルの選手にもできる技になっています。つまり、技は難しいと思っているから難しいのです。誰かひとりでも、それに成功してしまうと、「なんだ、できるんだ」と思って、限界の壁が崩れます。だから、多くの人ができるようになるのです。ということは、あなたの感じ方は、そのまま臨場感のあるイメージとなって、あなたの限界を作っているということになります。
そして、あなたはいま自分のことをどう評価していますか?
もちろん、がん患者であることは間違いありませんが、そのほかにどんな評価をしていますか?
いま「え~と」と考えてしまった人は、自分で自分を評価することすら忘れています。がん患者であるというのはただの事実です。それは評価でもなんでもありません。
あなたにはどんな能力があり、何を好み、何を喜び、何を楽しいと思い、自分のどこを誇らしいと思いますか?
それにひとつひとつ答えていくことが、エフィカシーです。がんであることは「あなたは男だ」「あなたは女だ」ということと変わりません。それは評価ではなく、ただの事実です。
そんなものは認識さえしていればいいだけです。そうではなく、自分のどこを誇らしいと思うのか、どんな時に満足感を得るのかこそが、あなた自身を説明するための言葉になります。それが自己評価です。
この自己評価=エフィカシーを上げることがコーチングのスタートになります。
引用終わり
…それでは、もう一度私のブログ記事をお読みください(ボリューミーですけどw)。体感として納得していただけることを願っています↓
Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408953.html
御質問ありがとうございました。
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
苫米地博士は、知識のことを「可能世界から可能世界への到達可能性関数」と表現されます。コーチングのゲシュタルトで表現しなおすと、「可能世界“w”から別の“w1”への架け橋」
…「架け橋」とは、「現状の自我」と「ゴール」の間に架ける“臨場感という橋”のこと。詳しくはこちらでどうぞ↓
F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html
*こちらもどうぞ↓
Q-213:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味 <前編:臨場感という架け橋>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26987122.html
-告知1-
2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。
メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~Reload&Revolution~」。詳細はこちらでどうぞ↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html
第11回目(R5.3/5開催)のテーマは「リーダーシップ」。詳細はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30729325.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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