Q-294:孤独を感じています。私はどんなゴールを設定すればいいでしょうか? <理論編・前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部について、3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 最初の2回は理論編。前編はケースサイド(case-side)、後編はプランサイド(plan-side)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 Q-294:孤独を感じています<理論編・前編>

 

 

Q:私は親元を離れ一人暮らしをしている大学生です。ちょうど入学の頃にコロナの騒動が始まって、思い描いていたような大学生活を送れていません。最近はゼミとか実習とかで多少同級生と交流できるようになりましたが、これまでまったく友達もおらず、ずっと孤独を感じています。

 私はどんなゴールを設定し、どんなことに気をつけたらいいでしょうか?

 

A1:「思い描いた大学生活を送れていない」ことを問題(harm)と捉え、その本質(inherency)が「孤独を感じている」ことにあると考えた上での御質問ですよね?

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 あなたは既に「ゴール設定」が解決(solvency)になると判断しています。ならば「どんなことに気をつけたら?」はディスアドバンテージ(disadvantage)のことでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

意識していなかったかもしれませんが、あなたは自分で問題の本質を見極め、すでに解決を見いだしています。素晴らしい分析ですよ。Yes, you’re good

 

そもそも孤独は健康によくありません。なので、私も必ず解決するべきだと思っています。

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解決の第一歩がゴール設定なのは間違いありませんが、その理由はあなたが考えているのとは少し違うかもしれません。ゆっくり読み進めてくださいw

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ちょうどあなたが大学生活を始めた頃(2020年春)、すべてオンラインで授業を行っていた九州大学で調査が行われています(大学院生や留学生を含む全学生約18000人を対象にメールで実施。約3割の5888人から回答)。

 それによると、「この1カ月、友人と直接話をしていますか」との問いに、869人(15%)が「全くしない」、1248人(21%)が「あまりしない」と回答。また、教員と1カ月直接話をしていない学生は「全くしない」と「あまりしない」を合わせ58%に達しました。

 調査では心身の状態についても質問。「気分が落ち込んでいるか」との問いに「あてはまる」「ややあてはまる」との回答が計42%あり、「孤独感や孤立感を感じるか」との問いに対しても同様に計40%が「あてはまる」「ややあてはまる」と答えています。

 「最近の体の調子」については44%が「問題がある」と回答。具体的内容(複数回答)は「疲れる、根気がない」が全回答者の28%で最も多く、次いで「寝つきが悪い、眠りが浅い、よく眠れない」(24%)、「いらいらする」(9%)と続いたそうです。

201910月に実施した全学生対象の同様の調査と比べ、「寝つきが悪い」は約6ポイント、「いらいらする」は約4ポイント増加していました。

 

 この調査からわかることは、悩んでいるのはあなただけではないということ。あなたのまわりにも同じように苦しんでいる人たちがたくさんいるはずです。

 ということは、あなたの解決はまわりの人たちを救うことになるかもしれませんよ。そのような未来をイメージしてみてください。リラックスしてきましたかw

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 では、掘り下げていきましょう。

 孤独はあくまでも「自分の状態の自己評価」です。実際、一人で過ごす時間の長さや社会的交流の頻度とは関係ないことが明らかになっています。

あくまでセルフイメージ 情報空間上の“自分”の自己評価です。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 本当は自由に書き換えられるはずの「孤独というセルフイメージ」は、115本の喫煙と同等の身体的健康被害を引き起こし、認知症発症のリスクを上昇させることがわかっています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その理由はおわかりですよね?

 そう、脳と心、体と心はそもそも同じものだから。

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 「脳と心」「体と心」でひとつ。その差は抽象度の違いに過ぎません。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 新型コロナ感染症(COVID-19)は、身体面ばかりではなく、心理・精神的、そして社会的な側面まで含めて“感染症”と捉えるべきであることを明らかにしました。

 重要なことなので繰り返しますが、「脳と心」「体と心」でひとつだからです。

 

そんな中、西洋医学的な枠組みでも“3つの感染症”という概念がひろがりをみせています。

 F-186:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -033つの“感染症”

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 1つ目は「生物学的感染症」です。これは従来の感染症のことで、肺炎などの身体的感染症そのものを指します。

 2つ目が「心理的感染症」。「感染したら怖い」という恐怖や「仕事が減ったらどうしよう」といった不安が個人の心を蝕み、うつ病や適応障害、様々な依存症といった心の病気が起こることを指します。九大の調査で明らかになった症状は主にこの部分です。

 そして、3つ目が「社会的感染症」です。恐怖や不安が社会に広がり、嫌悪や偏見、差別となって社会を蝕みます。コロナ騒動当初の医療機関や関係者へのバッシングや欧米でのアジア人差別などがその例。イギリスに続き日本でも「孤独・孤立対策担当大臣」が新設されたことからわかるように、「孤独」は社会レベルでの課題といえます。

 

 CDCの「ファイト・オア・フライト(闘争逃走反応)」でいうと、「心理的感染症」が個人レベルの「ファイト・オア・フライト」、そして「社会的感染症」が社会レベルでの「ファイト・オア・フライト」といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 これら“3つの感染症”は密接につながり合っています。それらをしっかり多次元の抽象度にまたがる1つのゲシュタルトと捉え適切に対処しなければ、人と人、国と国、そして世代間の信頼関係など、すべての関係性が壊れてしまうでしょう。

そもそも私たちは“関係”であり、“つながり”なのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 では、どうすればよいでしょうか?

 

 

 理論編・前編の最後に認知科学者 苫米地英人博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p75)から引用します。(「孤独」ではありませんが)博士の「寂しさ」の分析と対策を参考に、「どうするべきか?」を考え感じてください。Feel

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 【寂しさ】

 あるはずのものや、あってほしいものが欠けていて、心細く満たされない気持ち。あるいは、人恋しくて物悲しい気持ち。寂しさの度合いによっては、「胸が締めつけられる」「涙が出る」といった身体的反応が起こることもある。

 

 〇寂しさには、いろいろな種類がある

 「寂しさ」と一口に言っても、ひとくくりにはできません。その内容は千差万別です。

 「大切な人を失って、寂しい」「住み慣れた場所を離れて、寂しい」「恋人や家族がいなくて、寂しい」という人もいれば、「人は究極的には誰ともわかりあえない、孤独な存在である。そう考えると寂しい」「ビッグバンの前の、何もない宇宙を想像すると寂しい」という人もいるかもしれません。

 抽象度の低いものから高いものまで、人はさまざまな物事に対し、寂しさを感じるのです。

 

 〇動物の本能から生じる、抽象度の低い寂しさ

 抽象度の低い寂しさは、動物の本能に基づく寂しさであるといってもよいかもしれません。

 動物にはもともと、身の安全を守るために群れをなす習性があります。

 進化の結果、人間は一人でも行動できるようになりましたが、脳内には、仲間を求める仕組みがまだ残っています。集団で行動していた時代の名残が、生物としての人間の脳に残っているのです。たとえば、一人暮らしの人が寂しさを感じてしまうのは、そのせいです。

 しかし、そうした寂しさには、実は、あまり意味はありません。

 よく考えてみてください。山奥や無人島などの特殊な環境でない限り、たとえ家族などの同居人がいなくて一人で暮らしていても、単に壁で区切られているだけで、同じマンションや近所には、たくさん人間がいます。物理的には数メートルしか離れていないなどということも、ざらにあるでしょう。

 こうした寂しさを感じそうになったら、「壁の向こうには人がいる」と考えるようにしましょう。

 生物学的な、抽象度の寂しさには、想像力を少し働かせるだけで十分に対処ができるのです。

 引用終わり

 

Q-295につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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「感情」の解剖図鑑