L-085:2021年3月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感
2021年3月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t
think, feel!」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
*初回講義(2020年11月)はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html
*2回目講義(2021年1月)はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html
02;内省言語を発生させる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html
03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30049883.html
04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html
05;「非言語」が重要なのはなぜ?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html
06;心の本質を捉える基本中の基本
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30130987.html
07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html
08;「feel」の体感
言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことができるようになる
…それは、脳の機能でいえば「前頭前野外側部を抑えて、前頭前野内側部を活性化させる」こと。苫米地理論では「左脳言語野を抑え、右脳言語野を活性化させる」状態です。
その実践として、私は言語を使わずにコンセプチュアル・フローを行っています。「思考の3つの軸」でいうなら、「言葉(Words)」を封印したまま、「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」でゲシュタルトを作っていくイメージです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
ここでの「映像(Pictures)」とは、現状の外にあるゴールのイメージ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
具体的な情景ではなく、あくまでも抽象的な(=抽象度の高い)イメージです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
そして「感情(Emotions)」とは、動物的(本能的)なものではなく、人間的(社会的)なもの。「怒り」で例えるなら、大脳辺縁系での「私憤」「動物的怒り」ではなく、前頭前野内側部での「公憤」「人間的怒り」です。
PMⅠ-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html
それは抽象度の低い「情動」ではなく、論理を超えた「社会的情動」。苫米地博士は「感性」と表現されています。
S-02-12:“超論理”を表現する言葉
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19021726.html
言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことができるようになる
…あえて「言葉(Words)」を封印したまま、「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」でゲシュタルトを作っていくことを少し具体的にいうと、色や形、重さや素材感(フカフカ・フワフワ)などを感じながら巨大なイメージをつくり、そこに心が震えるような情動(感動)を重ねていく感じ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
「言語(Words)」が浮かんだら「喝!」(もちろん非言語でw)。すぐに「言語」を切り離し、「映像」×「感情」でイメージを作りなおしていきます。
その時のポイントは「リラックス」(物理空間=情報空間の底面)と「気楽」(情報空間)。
そのために行うのが逆腹式呼吸です。
F-217:不安と不満の… <1st.Step;「どうせ私なんか」と思った時は…>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27570183.html
*「物理空間」「情報空間」はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
今回はもう一つ“秘伝”をお伝えします。それは「何となく」という感覚。
以下、苫米地博士の著書「人間は『心が折れる』からこそ価値がある」(PHP研究所、p44)より引用します。
“論理を超えた超論理”である社会的情動の「何となく」というしくみはすごい
情報処理をするときに、論理的に思考を続けていくと永遠に結論を出せないことがあります。抽象的な思考は特にそうですが、世の中のほとんどのことには「唯一絶対の答え」などというものはありません。
哲学的にいうと、「知識の完全性」というものはないのです。知識は不完全性の世界ですから、どれだけ推論を続けていっても永遠に結論を出すことはできません。どこかでその推論を打ち切る必要があります。
大量の情報の中からバランスのとれた状態で結論を出すことに役立つのが「情動」だと、これまで述べてきましたが、実は、「怖い」「嫌い」「好き」といった、どちらかといえば原始的な情動よりも、もう少し高度な情動を人間は備え持っているのです。
それが「社会的情動」と我々が呼んでいるものです。一応、情動という言葉がついていますが、「論理を超えた超論理」のような情報処理のしくみです。
脳の前頭前野の外側部は論理を司っていますが、前頭前野の内側部は社会的情動を司っています。この内側部の社会的情動の働きで、矛盾した状況の中でも答えを出せるのです。
あるテーマについて考えていくと、「論理で出した答え」と「情動で出した答え」が矛盾することがあります。たとえば次のような例です。
「死刑囚は死刑執行されるべきだ」
「でも、かわいそうじゃないか」
こんなときには結論を出せなくなります。それを前頭前野の内側部の「社会的情動」がバランスをとって何とか結論を出してくれます。論理ではないので、「理由は?」と聞かれても答えることはできません。強いて答えるとすれば、「何となく、そう思った」となるでしょう。
長期的な戦略と短期的な戦略もよく矛盾します。
「今期を黒字にしなければいけない」
「今期が赤字になっても、将来への投資をすべきじゃないか」
こういう問題も簡単に結論は出せません。そのあたりのところを上手にバランスをとって、「最適な解ではないかもしれないけれども、まあこれでいいだろう」という解を短時間に導き出せるしくみが社会的情動です。
そこで出された答えは論理的には矛盾していることがあります。他人からは、「昨日いっていたことと、今日いっていることが違うじゃないか」といわれかねないのですが、「昨日はそういったかもしれないけど、でもこっちのほうがいい気がしたんですよ」というような答えになります。何の論理性もないのだけれども、「何となく」という感覚がバランスをとって答えを出しているのです。
この「何となく」というしくみも、矛盾した現実社会の中でバランスをとりながら生き延びていくためのしくみです。これも人工知能に組み込んでやる必要があります。そうしないと、矛盾を抱えたときに人工知能が判断しきれなくなってしまいます。限られた時間の中で、どこかで推論を打ち切って結論を出すしくみが必要なのです。
最初は「コンピュータのくせに、昨日いったことと矛盾するじゃないか」と不信感を持つかもしれませんが、それでいいのです。人工知能自身が矛盾の中から少しずつ学習していき、次第に適切な判断ができるようになっていきます。情報がたまっていくにつれて判断が変わっていきます。
引用終わり
「何となく」
…それが超言語・超論理の右脳空間に構築された巨大で抽象的な構造を感じているときの感覚。「Don’t think, feel!」の「feel」の体感です。
(L-086につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
「何となく」
…それが超言語・超論理の右脳空間に構築された巨大で抽象的な構造を感じているときの感覚。「Don’t think, feel!」の「feel」の体感です
…ただし、論理的思考を徹底的に行った上での「何となく」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html
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S-01~:よりよい“議論”のために(目次)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html
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一緒に楽しみましょう!
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