L-082:2021年3月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?
2021年3月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。3回を通しての全体テーマは「Don’t
think, feel!」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
*初回講義(2020年11月)はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420420.html
*2回目講義(2021年1月)はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421742.html
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
01;「ゲシュタルトを統合する」という感覚
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29997523.html
02;内省言語を発生させる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html
03;言語を用いたゲシュタルト構築 <基礎編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30049883.html
04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html
05;「非言語」が重要なのはなぜ?
心の本質を捉える基本中の基本は相手に内省言語を引き起こすこと。いかにそれを言語を使わないで引き起こすのかということが極めて重要
…これは02(L-079)で引用した苫米地博士の言葉。
「言語を使わないで引き起こす」 …すなわち「非言語」が重要なのはなぜでしょうか?
これは大切な問いです。
ぜひ逆腹式呼吸でリラックスとゆらぎを得ながら、ゆっくりと考え、しっかりと感じてください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html
Don’t think, feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
…それでは私が感じた理由を“言語化”します。
①
言語化するとwant toがhave toに変わってしまう
ゴールのポイントの1つは「心から望む」「止められてもやりたい」という100%want to!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
「~したい」というwant toに対して、「~ねばならない」という内省言語が生まれているのがhave toの状態。want toとhave toの生産性の違いは、なんと、756倍です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
want toの根底にあるのは価値(value)。対してhave toの根底には恐怖が潜んでいます。
私自身はhave toにならないように「FOG」に気をつけています。「不安・恐怖(Fear)」「義務感(Obligation)」「罪悪感(Guilty)」の3つです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html
②
言語化するとドリームキラーが生まれる(可能性がある)
ゴールのポイントには「現状の外」というものがあります。「とんでもない」「でかすぎ」「絶対無理」と感じるくらいが「現状の外」。
そんな現状の外にゴールを設定し、ゴール側にコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)を引き上げると、ゴール達成を邪魔しようとする人があらわれます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
ドリームキラー(Dream Killer)です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
「CZを引き下げる人」「エフィカシー(Efficacy)を引き下げる人」がドリームキラー。そして、「CZを引き下げる行為」「エフィカシーを引き下げる行為」がドリームキリング。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
では、ここで問題です。
最大のドリームキラーとは誰でしょうか?
最強のドリームキリングとは何でしょうか?
③
言語化によりエフィカシーを下げてしまう(可能性がある)
…最大のドリームキラーは「自分自身」。最強のドリームキリングは「ネガティブな内省言語」です。
Q-203:「自分自身が最大のドリームキラー」という意味はどういうことなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26417115.html
言語の想起性はとても高いことが知られています。「ネガティブな内省言語」はネガティブなイメージ(I)の臨場感を高めてしまうことになり(V)、結果としてエフィカシーを下げてしまいます。
エフィカシーとは「自分のゴール達成能力の自己評価」のこと。エフィカシーが低いと、ゴールを達成することはできません。「とんでもない」「でかすぎ」「絶対無理」という内省言語が(I×V)、「ゴールが達成できない」をリアルにするのです(R)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
④
言語化すると抽象度の上限をつくってしまう
先ほどのドリームキリングは、例えば「できる」「できない」といった同じ抽象度での話。じつは、言語化にはもっと深刻な問題(課題)があります。それが「抽象度の上限を作ってしまう」。より高次の抽象度空間へのアクセスができなくなってしまいます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
ゴールのイメージを具体的な言語であらわすことは、超言語のイメージを言語抽象度まで引き下ろすことといえます。そのとき、臨場感が上がる一方で、自由を失います。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
もっとわかりやすく“言語化”すると、「イメージしやすくなると同時に、そのイメージが固定化する」という感じ。イメージの固定化とは、ゲシュタルトが強固になることと同じです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
人間は1つのゲシュタルト(Gestalt)として物事を認識しています。よって、ゲシュタルトが強固になると、スコトーマ(Scotoma)が外れにくくなります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
⑤
言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる
そもそも具体的に言語化できる段階は「現状の中」です。エンドステート(End
State)やCOA(Course of Action)ならOKですが、それらはゴールではありません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html
ゴールのポイントは「100%want to」「現状の外」、さらに「自分中心を捨て去る」です。
Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html
ゴール実現のためには03(L-080)で言及したトゥールミンロジックをフル活用した上で、04(L-081)で紹介したコンセプチュアル・フローを実践し続ける必要があります。
まずは「論理脳を鍛え、最短時間で最適解を見つけるようになる」ために。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html
その先の「論理的思考を徹底的に極めることによって、論理という系の外にでる」を実現するために必須なのが「非言語」。もっといえば「超言語」!
それは、脳の機能でいうと、「前頭前野背外側部を抑えて、前頭前野内側部を活性化させる」こと。苫米地理論でいうと、「左脳言語野を抑え、右脳言語野を活性化させている」状態です。
PMⅠ-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html
(L-083につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
苫米地理論でいうと、「左脳言語野を抑え、右脳言語野を活性化させている」状態です
…以下、苫米地博士の著書「脳の呪縛を解く方法」(KADOKAWA)から引用します。
脳のバイオパワーを利用する方法
(前略)
正義があり、それに合致すると報酬系が働き、心地よく感じるためにそれに従って行動してしまう。あるいは逆に、それから外れると報酬系が逆向きに働き、気分が悪いからそういう行動をしない。私たちはそれを、バイオパワーと呼ぶわけです。
人間は、このバイオパワーによって最終的には自分で自分を縛っています。
それは、いわば良心です。そして、その良心の出所は、人間が生得的に持っている、「本当に自分を見ている眼がある」という感覚でしょう。
社会の中で期待される言語を右脳言語野が導いたとき、おそらく人間は新しい目覚めを迎えるはずです。それは、そんなに遠いことではありません。
権力のバイオパワーに取り込まれることなく、自分を客観的に見つめ、その時を待つことは、かつて私たちが経験したことのないほど大切で重要なことになった、そう考えなくてはならないのです。
引用終わり
*バイオパワー(生権力)はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html
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第8回目(R4.11/27開催)のテーマは「現状の外」。こちらで御確認ください↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29987722.html
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-208:マトリックス/Matrix
-03<Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html
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Q-229:低年齢の子どもも… 後編;しつけと教育の違い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27824108.html
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