Q-291:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.11;縁起的コミュニケーションのために>

 

「イライラ」をテーマに講義を行った際に、このような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 (変更を加えています)

 

Q:イライラをコントロールできるように、ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 

結論から述べると、「イライラのコントロール」も「ドーパミン分泌のコントロール」もできるようになります。そして、「ドーパミンがどの程度分泌されているか」もはっきりわかるようになります。簡単なワークを続けることで。

 

 これまでドーパミン分泌のコントロールについて、ドーパミン分泌のモニタリングについて、モニタリングの意義について確認し、さらに抽象度を上げながら考察しました。

 今回が最終回。思いっきりシンプルにまとめたいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 リラックスしながら(イライラせずにw)、ゆっくり読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 vol.1;ドーパミン分泌の秘密技 -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29687436.html

 vol.2;ドーパミン分泌の秘密技 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29732925.html

 vol.3;「イライラ」と「ドーパミン」、コントロールが難しいのはどっち?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29757834.html

 vol.4;ドーパミンをモニタリングする -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29791782.html

 vol.5;ドーパミンをモニタリングする -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29811912.html

 vol.6;モニタリングの意義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29840102.html

 vol.7;モニタリング&ラベリングの意義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29863863.html

 vol.8;「ストレスフリー」に潜む“罠”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29889767.html

 vol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 vol.10;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29942186.html

 vol.11;縁起的コミュニケーションのために

 

 

A11認知科学者 苫米地英人博士は、「感情が起こるメカニズム自体はそれほど重要ではない」と語られています。博士が大切だとされているのは「文脈」。

 

 感情の「文脈」を理解し、娯楽として楽しむこと

 そして、ゴール達成のために感情をコントロールすること

 

 その「文脈」について、苫米地博士はこのように語られています。

 以下、博士の著書「ビジネスで圧勝できる脳科学」(サイゾー)より引用します。

 

 

ビジネスで圧勝できる脳科学

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Amazon.co.jp: ビジネスで圧勝できる脳科学 eBook : 苫米地 英人:

 

 

知らないことを見えるようにする

ところで本を読む目的として「新たな知識の習得」を挙げる人がいます。しかし、そんなことはできません。人間は原則として「知らないことは認識できない」からです。普通の本の読み方では読んだつもりになるだけで、「新しい知識」はほぼできないのです。

もちろん、どんな本からでも「情報」は得られます。しかし「情報」と「知識」は違います。情報は「一定の文脈で意味をもつもの」を指す概念。あらゆるものがそうなりえます。

 ゲシュタルトを思いだしてください。ゲシュタルトができると、知識がないものも認識できると書きました。つまり、知識とゲシュタルトを組み合わせた「文脈」の中で認識が生まれるのです。図式化するとこうなります。

 

 情報(入力) → 文脈(知識+ゲシュタルト) → 認識

 

 つまり、100冊読書は「知らないことを見える化する」トレーニングなのです。

 ちなみに、「毎月100冊も本を買うのは出費がかさんで大変」という人は同じ本を何度も読み返しても構いません。何度か読んでゲシュタルトができると、次に読み直したときに細部の意味までわかってきます。いい本だと思った本は何度も読み返しましょう。

 引用終わり

 

 

 苫米地博士が語られる「文脈」とは、「知識とゲシュタルトを組み合わせたもの」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 では、「楽しい」「うれしい」「気持ちいい」「すがすがしい」「誇らしい」といったプラスの五大感情を認識として生みだす文脈(知識+ゲシュタルト)とは何でしょうか?

「ストレスフリーで、ますますマインドのコントロールがうまくなる」ために、どうやって文脈(知識+ゲシュタルト)を生みだせばよいのでしょうか?

 

 

 その答えはすでにコーチングの祖 ルー・タイスさんが教えてくださっています。

 

 All meaningful and lasting change starts first on the inside in your imagination and works its way out into reality.

 

 Goal comes first. Reality is second.

 

 そう、ゴール。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 すこし詳しくいうと、文脈とは「ゴール側の縁起」。新たな文脈=新たな縁起を生みだす行為が「ゴール設定」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 ゴールのポイントは、1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外に設定する。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 縁起の観点でいうと、ゴールのポイントの中でもとくに意識に上げるべきなのが「2)自分中心を捨て去る」。復習ですが、「意識に上げる」とは「無意識の意識化」であり、Rゆらぎを引き起こすモニタリングのことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

 苫米地博士はモニタリングがいわゆる「無の境地」であると喝破されています。さらに抽象度を上げていうと、無と有を包摂した空を志向する「空の境地」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

 「空の境地」でRをゆらがせながら臨場感豊かに作り上げるものが「ゴール側の縁起」。自分中心を捨てながら新たに構築する縁起とは、未来の社会であり、夢のような世界(w1)のこと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 そんな「ゴール側の縁起」を「楽しい」「うれしい」「気持ちいい」「すがすがしい」「誇らしい」といったプラスの五大感情でいっぱいにするために何らかのゴールを設定すると、目の前の現実世界でやるべきこと(エンドステート)は「自分以外の人を喜ばせる」になり、そのための具体的な行動(コース・オブ・アクション、COA)が自然に決まります。

COAとは「想定される状況を吟味した上での、そのいくつかの状況下で行うべき行動パターン」のことです。

 Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

 シンプルにいうと「目の前の人を笑顔にする」

 

「笑顔」には、じつは、とんでもない秘密が隠されています。

 F-044~:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268334.html

 

 今シリーズ通じてのテーマである「ドーパミン」との関連でいうと、なんと笑顔になるだけで中脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTAVentral Tegmental Area)というドーパミン神経系の拠点が刺激されます。

腹側被蓋野が刺激されると、ドーパミン分泌(放出)がおこります。

 すると、腹側被蓋野の先にある腹側線条体の側坐核(そくざかく、NAccNucleus accumbens)が刺激されます。側坐核は快楽や幸福感を司る部位です。

そこが刺激されることで、幸せな気持ちになるとともに、イライラがおさまっていきます。

 

 *こちらもどうぞ↓

 Q-076180804 医療講演会レポート vol.4:コーチングが“痛み”に有効な理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15549035.html

 

 最後に、ぜひ取り組んでいただきたいワークを再度紹介します。とても簡単なワークなので、常に意識に上げて行ってください。

 

 そのワークとは「いつも微笑んでいる crack a smile!」

 

 …smileとは内から湧き出るもの。

ルーさんの「starts first on the inside in your imagination」とマザー・テレサの「Peace begins with a smile」を合わせて考えると

 

ゴール→イマジネーション→笑顔→ドーパミン↑/イライラ↓→幸せ→平和

 

 笑顔は「戦争と差別のない世界」への、そして「戦争と差別という概念さえない平和な世界」への第一歩。さぁcrack a smile

 

 ゴールの臨場感をしっかり感じているあなたのsmileは、きっと目の前の人を笑顔に変えるでしょう。私たちのホメオスタシスは同調するから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 笑顔は心の平和となってひろがり、未来は“無敵”になっていく

 

 苫米地博士に学んでいる私たちの「ゴール側の縁起」には、そんなw1がひろがっています。

 PM-01-18~20:“無敵”の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

 とても長くなってしまいましたが、いただいた御質問を縁に得たインスピレーションを言語化してみました。皆さまと縁ある方々のsmileのために。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

すこし詳しくいうと、文脈とは「ゴール側の縁起」。新たな文脈=新たな縁起を生みだす行為が「ゴール設定」です

 

 苫米地博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ『縁起人』として生きろ。」(TAC出版、p199)から引用します。ぜひ「ゴール」を意識に上げながら読んでください。

 

 

 縁起的コミュニケーションと協調性

 縁起人とは、「他人の幸せのために動ける人」です。

 ということは、「協調性があり空間を生みだす人」、ともいえます。協調性の意味は、一般的に「異なる環境にいる者が、互いに助け合いながら、同じ目標に向かって任務を遂行する素質」のことをいいます。

 生活するにあたって、協調性が必要とされるシーンは数多くあります。たとえば、ビジネスシーンで、プロジェクトを進めなければならない場合。子どものために、小学校では他の子の保護者とPTAとして働かなければならない場合。たとえ子どもでも、クラスで文化祭などの催し物がある場合に、その準備などでみなと協力しなければならない機会があるでしょう。そういうときに、協調性がないと、周りに迷惑をかけることになってしまいます。

 しかし、一般企業の入社試験を受ける際、「協調性がある」ことをアピールすると、「主体性がない」と思われるとして、そういう自己PRを勧めない就職活動の書籍もあったりします。一方、自己主張の強い人間をよしとする傾向のある欧米では、自己の意見を主張する人間が好まれたりもします。日本は稲作文化で、長い間村全体で助けあって作業してきた背景があるので、その伝統で協調性がある人間がよしとされている側面もあります。

 

 こういう場合の「協調性」は低い抽象度で使われているので、要注意です。

 たとえば、あなたがアーティストや研究者だったとしましょう。そういう人は、協調性よりも、卓越した技術や類まれなセンスが必要とされます。「ここをもっとこうして欲しい」という意見を、ガンとしてはねつける意志の強さを協調性のなさとされます。

 しかし、あなたが会社や組織に属して仕事をしているなら、職場の人間関係で波風を立てないことは会社員として当然のルールです。そうなると、波風を立てない人が協調性があるということになります。実際、自己主張の強い欧米型の人材は、外資系でもない限り、たいがいは会社で「波風を立てる面倒くさい存在」として敬遠されているものです。

 私がいう協調性はもっと抽象度の高い概念だと、これまでの文脈から理解されたと思います。

 「本来の意味の協調性」を高めるには、どうしたらいいでしょうか?

 それは「一緒に仕事を行うチーム全員で同じゴールを目指す」ことです。そうすることで、自然と強く協力し合えるブリーフシステムが機能します。そうすると、協調性が高い行動を自然に行えるようになるのです。

 引用終わり

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第8回目(R4.11/27開催)のテーマは「現状の外」。「現状の外」はゴールのポイントの1つですが、なかなかわかりづらい(実感しづらい)概念でもあると思います。

そこで今回のセミナーではたっぷりと時間をかけながら、シンプルに「現状の外」を追求します。お楽しみに。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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