F-264:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -後編-

 

 子どもの頃、私は「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていました。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031602.html

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて書いたのがこのブログ記事↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 私の経験でいうと、「不安と不満のはざま」を抜け出した後には、さらに大きな試練が待ち構えています。その試練とは「不満と傲慢のはざま」。それは「自由と隷属のはざま」であり、「希望と絶望のはざま」「幸福と不幸のはざま」でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 では、ゴールが生みだす不満をエネルギーと創造力に変え、自由を貫き、希望を抱きながら幸福に生ききるためにはどうすればいいでしょうか?

 傲慢を改め、隷属から抜けだし、絶望や不幸を克服するために何を心がけるべきでしょうか?

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です。

 

 vol.1;「不安と不満のはざま」を抜けだした後に待つ試練

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29576555.html

 vol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html

 vol.3;知らないことは認識できないのに新しい知識を得ることができる秘密

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29695715.html

 vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 vol.5;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29803282.html

 vol.6;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29847568.html

 vol.7;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29906587.html

 vol.8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -後編-

 

 

医療現場に限らず、社会は様々な「専門家」の集まりでもあります。今の時代、フォードのように「専門家」を排除するわけにはいきません。では、どうすればいいのでしょうか?

“問題に飛び込んでいく愚か者”であり続け、知識により作られてしまう限界を突破し、さらに大きく進化・向上し続けるために、何を心がけなければならないのでしょうか?

 

「知の呪縛」を打ち破るための心がけとは「素直」。「傲慢」の正反対にあるといえる心の状態です。

 

私は学生の頃、複数の先生方に、事あるごとに「素直さが大事だ」「素直でなければ大成しない」「素直になれ」と教えられて(怒られて)きました。中学生の頃はとくに。そういえば、ある日廊下ですれ違った教頭先生に、いきなり「もっと素直になりなさいよ」と諭されたことも。それまで教頭先生とはなんの接点もなかったのにw

Q-229:低年齢の子どもも後編;しつけと教育の違い

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27824108.html

 

それだけ当時の私が素直でなかったのだと思いますが、毎日のように言われ「そんなものか」と思いながらも、反発を続けました。ブリーフが「rebel」だったからでしょう。

当然、「素直にならんか!」とさらに怒られましたが。

F-252It’s my life~No goals, No life~ <ワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29304282.html

 

コーチとして振り返ると、当時の私は“素直さ”を「疑いなく他人の意見を受け入れること」と思い込んでいました。それでは“私”がますます「他人の意見」で塗り固められてしまいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そんな“私”のまま歩む人生は「無人運転」と同じ。よくて「自動運転」です。

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

一方的な受け入れは、まさに洗脳です。他人の情報を疑いなく信じると、その他人よりも抽象度が低くなってしまいます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

第二次世界大戦前の日本やヒトラーにあおられたドイツ、現在の北朝鮮のような異常な雰囲気は、大衆の抽象度の低さが生みだしているに違いありません。なにかと過剰に反応する韓国や中国の姿も、“教育”という名の洗脳により抽象度が低く抑えられている結果なのでしょう。

もちろん、WGIPというGHQの洗脳プログラムを受け入れた戦後の日本も同じ。その延長上に現代の社会システムが構築されています。

F-056~:「不摂生が理由で病気になった人の医療費を健康のために努力している人が負担するのは『あほらしい』」ことなのだろうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_277070.html

 

 

当時の私は、抽象度(Levels of abstraction)という現代分析哲学の知識はありませんでしたが、一方的に受け入れることの怖さを肌で感じていたのかもしれません。

 

その後、松下幸之助さんがいう“素直さ”とは、「一方的に受け入れよ」とか、「盲目的に信じよ」という意味ではないことに気がつきました。

常に素直な心になることができれば、人間というものは、物事の本当の姿、実相を見ることができるようになって、あたかも神のようにといってもよいほど、強く正しく聡明になることができる」という言葉を苫米地式で読み解くと、「思考し続け、抽象度を上げよ」「主観から客観(俯瞰)に移行せよ」ということだといえます。

PM-06-12:仮説07)思考停止

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 抽象度を上げて客観的に判断するためには、自我から離れる必要があります。自我がスコトーマを生むからです。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

つねに「自分の認識にはスコトーマがある」ことを意識に上げる

その上で、自我から離れ、スコトーマを外し続ける

 

そのような生き方が“素直さ”なのだと、今は考えています。

 

 

私たちは、日々新たな知識を得て、経験を重ね、生きています。

その記憶の重なりが自我をますます分厚くしてしまい、目の前の世界を固定化してしまっています。「〇〇 とは△△だ」というゲシュタルト(フレーム)で認識し、いわゆる「思い込み」「先入観」が強くなってしまうのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

とくに過去にうまくいった体験や成功した記憶がある人ほど危険です。「知の呪縛」により“裸の王様”と化してしまいます。

PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

では、「思い込み」や「先入観」を排除し、“素直な心”で、情報を客観的に判断し続けるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

答えは「まっさらなフレームを持つ」こと。

「新人のフレーム」を持つとイメージしていただければ、わかりやすいかもしれません。

 

F-262vol.6)で取り組んだ「より大きなゲシュタルトの再構築(フレームワーク)」と同時に、「まっさらな新人の視点」で目の前の世界と向き合うのです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

苫米地博士は「逆向きのスコトーマ外し」と表現されています。その「逆向き」が加わることで、「知の呪縛」から逃れることができ、さらに理解を深めることができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

ゴールに向かってさらに大きなゲシュタルトを構築しながら、同時に逆向きのスコトーマ外しを行えば、“限界突破”しながらもっと楽しく働き、“超越”しながらもっともっと社会に貢献することができる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

それが「初心忘るべからず」という世阿弥の言葉の本質。

 

その「逆向きのスコトーマ外し」を、ぜひ意識に上げ続けてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

F-265につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です

 

伝えたいのは「心の力(The Power of Mind)」のすばらしさ。

 

 誰もが、心の力によって、「未来の自分」を臨場感豊かに想像することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

そして、課題を克服しながら「未来の自分」を創造し、本当に現実化することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

過去の呪縛や不安よりも、未来の希望や期待に対して、遥かに大きく強い臨場感を感じることができるからです。本当は。

その臨場感が「心の力(The Power of Mind)」。その正体は誰もが持つホメオスタシス(Homeostasis)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そして、それは「縁起」の力でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ、『縁起人』として生きろ。」(TAC出版)より引用します。

 

 

 リーダーは縁起を最適化し、うまく運用するべし

 さらに、リーダーが意味のある存在になるためには、縁起を理解しているだけではいけません。縁起を理解&最適化し、うまく運用しなければなりません。

 たとえば、私はパイプ・コレクターでして、たいへん価値のあるパイプをたくさん持っています。そして、日本が世界に誇る、パイプを中心とする喫煙具類(シガレット、たばこ、葉巻、煙管)の輸入・販売・製造会社である、柘製作所とつき合いがあります。

 あるとき、親しくしている柘製作所の社長と常務が私のオフィスに遊びにきました。

 その際、私はヨーン・ミッケというデンマークの喫煙用パイプ工芸家の作ったパイプを吸っていました。彼は天才的なパイプ作家として、世界的な名声を得ており、彼の作ったパイプは名品としてパイプ愛好家たちの垂涎の的となっています。

 それゆえ、彼が作ったパイプは数が少ないこともあり、生前からかなりの高値で取引されています。しかも今は、作者が亡くなっているので、中古品でも彼の作品を入手することは非常に困難なのです。

 彼らは、私のパイプを見た瞬間に「すごい! ミッケのカタログに出ていない希少品ですね」と瞬時にその価値を見抜いたのです。

 ヨーン・ミッケのパイプを見て「貴重ですね」「高級品ですね」というのは、パイプ業界のバイヤーなどならすぐわかるでしょう。しかし、「カタログに載っていない」という情報を持っているのは、非常に驚くべきことなのです。

 

 なぜ、彼らは見抜くことができたのでしょうか。実は現在、柘製作所にはヨーン・ミッケのご令嬢がいるのです。彼女は一流のパイプ職人を目指し、柘製作所の工房で働いており、柘製作所は彼女を引き受けるにあたって、ヨーン・ミッケの遺産であるヨーン・ミッケが過去に作った全カタログを手に入れたのです。

 それゆえ、社長と常務は、カタログに私の持っているパイプが掲載されていないことがわかったのです。

 という背景があり、社長と常務はパイプを見た瞬間にカタログに載っていない希少品としての価値を見抜いたわけです。

 私はこのとき、社長がリーダーたる資格を持っていると感じました。こうした知識と行動の蓄積に基づき、素晴らしい結果を引き出せる人物こそが、会社の社長などリーダーの資格があるということです。彼の発言はたくさんの知識の賜物であり、これがコンピューターデータベースならば、カタログに出ていない希少品の情報は入っていないので、永遠に検索に時間がかかることでしょう。

 私の持つパイプの形を見て瞬時に「あれはヨーン・ミッケだ」と判断し、さらにカタログに載っていたかどうかを瞬時に思い出せるということ。ここまで到達するには、その道で三十年、四十年やり続け、知識を得ないとなりません。そのうえで知識を最適化し、瞬時に引き出せるようにしているというわけです。

 つまり、リーダーは「知識をものすごく超高速に運用する」ことができないといけないのです。

 釈迦は、悟りには「宇宙サイズのゲシュタルトが必要」だと言っています。ですので、リーダーの条件は縁起を理解しており、縁起関数を最適に超高速で、超並列的に動かすこともできる能力があるといえるわけです。

 しかし、それは時間をかけて勉強すればできることです。決して不可能なことではありません。

 実際、このようなことができる人は社会で確実に重宝されます。人から必要とされるようになるほど、相手のための人間関係を作ることができるようになるのです。

 引用終わり

 

 

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