Q-290:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.10;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」秘訣>

 

「イライラ」をテーマに講義を行った際に、このような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 (変更を加えています)

 

Q:イライラをコントロールできるように、ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 

結論から述べると、「イライラのコントロール」も「ドーパミン分泌のコントロール」もできるようになります。そして、「ドーパミンがどの程度分泌されているか」もはっきりわかるようになります。簡単なワークを続けることで。

 

 これまでドーパミン分泌のコントロールについて、ドーパミン分泌のモニタリングについて、そしてモニタリングの意義についてまとめました。さらに抽象度を上げて考えていきましょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 リラックスしながら(イライラせずにw)、ゆっくり読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 vol.1;ドーパミン分泌の秘密技 -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29687436.html

 vol.2;ドーパミン分泌の秘密技 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29732925.html

 vol.3;「イライラ」と「ドーパミン」、コントロールが難しいのはどっち?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29757834.html

 vol.4;ドーパミンをモニタリングする -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29791782.html

 vol.5;ドーパミンをモニタリングする -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29811912.html

 vol.6;モニタリングの意義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29840102.html

 vol.7;モニタリング&ラベリングの意義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29863863.html

 vol.8;「ストレスフリー」に潜む“罠”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29889767.html

 vol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 vol.10;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」秘訣

 

 

A10:「無意識の意識化」であるモニタリングと「ゴール側からの再評価」であるラベリングを“無意識”に行えるようになると、目の前のすべてがゴール実現のための縁(T)に感じられ、「ストレスフリーで、ますますマインドのコントロールがうまくなる」ようになります。すると、「I×V=R」が自由自在。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

今回はその秘訣がテーマです。

私の考える“秘訣”はとてもシンプル。コーチングの祖であるルー・タイスさんの教えをしっかり理解し、実践することです。その教えとは

 

 

 All meaningful and lasting change starts first on the inside in your imagination and works its way out into reality.  

 

すべての意味のある、永続的な変化は心の中のイマジネーションから始まり、やがて外側の現実を変えていく

 

 

 私たちの世界観は、大脳の側頭葉に保存されている記憶と前頭葉前頭前野にあるブリーフシステム(Belief SystemBS)によって成り立っています。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 ブリーフシステムとは、「認識パターンの組み合わせ」のこと。

詳しくは「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という強く信じる思考=信念のことで、それが様々な事象の判断基準となります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そういった信念は「自分を含む世界の地図」。

認知科学では「内部表現(Internal RepresentationIR)」と呼びますが、それは今までの人生の記憶が色濃く影響している「自我そのもののマップ」です。

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 ここまでをまとめると、「外側の現実」とは、ブリーフシステムであり、内部表現であり、自我そのもの。さらに抽象度を上げて一言でいうと「記憶現象」です。つまり、鍵は記憶。

 

 先述したとおり記憶が保存されているのは側頭葉ですが、その保存には海馬と扁桃体が深く関わっています。

 海馬(かいば、hippocampus)の役割は数時間から数日の短期記憶の一時保存。それと同時に、側頭葉に保存される長期記憶の出し入れのゲート機能も果たしています。外から入ってきた情報と記憶の照合も海馬の役割です。

 大脳辺縁系の一部である扁桃体(へんとうたい、amygdala)は、すぐ近くにある海馬に働きかけ、出し入れする記憶を増幅したり弱めたりします。いわゆる情動処理の中心的役割を担う場所ですが、とくに不安・恐怖といったネガティブな情動に関わります。

 F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

 

 脳に入力される情報は、海馬によって側頭葉の記憶と照らし合わされます。ここで忘れてはならないのが「I×V=R「マインド(脳と心)にとっては、最も臨場感が高い情報がリアルである」ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 もっとストレートに表現すると、「たとえきっかけが“外”だとしても、全情報はマインド内で生みだされている」。大乗仏教的にいうと「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

つまり、もともとは釈迦が述べていた理が、ルーさんが教えてくださる「starts first on the inside in your imagination」の根拠(warrant)といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 側頭葉の記憶と照らし合わされた情報は、プラスもしくはマイナスのものとして処理されます。さらに、視床、腹側被蓋野、島皮質、側坐核、ブリーフシステムが入っている前頭前野と連携して情報が評価され、多種多様な情動が生みだされます。

 Q-076180804 医療講演会レポート vol.4:コーチングが“痛み”に有効な理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15549035.html

 

 情報とブリーフシステムとの差が大きいほど、情動も大きくなり、扁桃体がその情動をさらに増幅していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 その時が重要な分岐点。

情動優位の「ファイト・オア・フライト」に陥り暴走してしまうか、それとも、論理をも超えてまったく新しい世界(未来)を生みだすか、の分岐点です。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 *「ファイト・オア・フライト」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 このプロセスの中で「ドーパミン」などの神経伝達物質が分泌(放出)されます。その「ドーパミン」を物理次元(体、脳)でコントロールすることは困難でも、情報次元(心)でコントロールすることは可能です。ワークを続けさえすれば。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 なぜなら、物理(体、脳)と情報(心)は同じものだから。同じものの抽象度の違いであり、「物理と情報」「体と心」「脳と心」でひとつです。

 L-003~420201… -03~4;身体と心は〇〇〇〇

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 物理次元(脳)においては、必ず最後はセロトニンが分泌されます。つまり、楽しい・うれしいなどプラスの五大感情はもちろんのこと、不安・恐怖や悲しみ、悔しさといったマイナスの感情であっても、「最後はセロトニンが関与し(脳)、必ずやすらぎが訪れる(心)」ということ。

 たとえ「怒り狂っている」と揶揄されるほど激しい情動でも、必ず最後は“やすらぎ”です。

 (私の経験はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 

 じつは、私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、「感情が起こるメカニズム自体はそれほど重要ではない」と語られています。博士が大切だとされているのは「文脈」。

 

 感情の「文脈」を理解し、娯楽として楽しむこと

 そして、ゴール達成のために感情をコントロールすること

 

 それが苫米地式です。

 

 

 今回のテーマは「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」ための秘訣でした。

 私はそれをルー・タイスさんの教え「All meaningful and lasting change starts first on the inside in your imagination and works its way out into reality」を理解し、実践することだと思っています。

 

 その実践が「ゴール達成」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 最後にもう一つ、苫米地博士の師でもあるルー・タイスさんの言葉を紹介します。

 

 Goal comes first. Reality is second.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

Q-291につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

じつは、私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、「感情が起こるメカニズム自体はそれほど重要ではない」と語られています。博士が大切だとされているのは「文脈」

 

 以下、苫米地博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社、p6)より引用します。

 

 

 すべての感情には文脈があります。たとえば冒頭に挙げた例でいうと、会社に提出した企画が通らず怒りを覚える人もいれば、悲しみを覚える人もいます。もしかしたら、「よし、これでまた失敗から学べる!」と喜びの感情が湧く人もいるかもしれません。

 同じ出来事に遭遇し、同じ脳内物質が発生したとしても、人によって、それまでの経験や思想によって、生じる感情は異なります。ですから、脳科学的なメカニズムなどではなく、「文脈」を理解しないと、感情を理解することはできないのです。

 引用終わり

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第8回目(R4.11/27開催)のテーマは「現状の外」。「現状の外」はゴールのポイントの1つですが、なかなかわかりづらい(実感しづらい)概念でもあると思います。

そこで今回のセミナーではたっぷりと時間をかけながら、シンプルに「現状の外」を追求します。お楽しみに。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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「感情」の解剖図鑑