F-263:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -前編-

 

 子どもの頃、私は「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031488.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031602.html

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて書いたのがこのブログ記事↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 私の経験でいうと、「不安と不満のはざま」を抜け出した後には、さらに大きな試練が待ち構えています。その試練とは「不満と傲慢のはざま」。それは「自由と隷属のはざま」であり、「希望と絶望のはざま」「幸福と不幸のはざま」でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 では、ゴールが生みだす不満をエネルギーと創造力に変え、自由を貫き、希望を抱きながら幸福に生ききるためにはどうすればいいでしょうか?

 傲慢を改め、隷属から抜けだし、絶望や不幸を克服するために何を心がけるべきでしょうか?

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です。

 

 vol.1;「不安と不満のはざま」を抜けだした後に待つ試練

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29576555.html

 vol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html

 vol.3;知らないことは認識できないのに新しい知識を得ることができる秘密

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29695715.html

 vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 vol.5;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29803282.html

 vol.6;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29847568.html

vol.7;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し -前編-

 

 

前回は、フレームによりできるスコトーマを外すための「フレームワーク」=「ゲシュタルトの再構築」について説明しました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 「ゲシュタルトの再構築」とは“超越”のこと。より大きなゲシュタルトを構築するほど、「傲慢」を克服することができます。

 F-052~:人は、己に克つを以って成り、己を愛するを以って敗るる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268337.html

 

 ただし、「傲慢」を克服したかに思えたとき、それと同時に危険な“落とし穴”が生じます。

今回はその“落とし穴”を明らかにすることがテーマ(case-side)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 先に答えをいうと、“落とし穴”とは「知の呪縛」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html

 

「知の呪縛」とは、「知識が増えることで新たに生じるスコトーマ」のこと。前回紹介したワークによりスコトーマを外していくほど、新たなスコトーマが生じさらなる飛躍を妨げてしまうことがおこりえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

経験を積んだ人(ベテラン)、「うまくいった」と自信(過信)がある人、あるいは組織図で上に位置する人ほど、大切なことがスコトーマに隠れてしまい“裸の王様”になっていることが少なくありません。具体的な例がすぐに思い浮かぶはずw
 …
それが「知の呪縛」の状態です。

(「知の呪縛」の遙か手前で「無知」により“裸の王様”化しているケースもあります↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

優れた先人はこの事実に気がついていました。

 

例えばヘンリー・フォード(1863~1947年)。米フォード・モーターの創設者です。

フォード社では職員の採用方法がユニークでした。会社が採用候補者に尋ねたのは氏名、年齢、配偶者の有無、働く意欲があるかどうかだけ。英語を話さなくても、犯罪歴があっても関係ありませんでした。事実として、フォード社には盲目の人やろうあ者、片足や片腕のない人達が、健常者と同じ賃金で雇われていたそうです。

このような開かれた考え方は、現在では当たり前のことかもしれませんが、1920年代においてはかなり珍しいことでした。まさにNot Normal

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5305837.html

 

しかし、そんなオープンな採用基準であったのにもかかわらず、フォードは「専門家」は雇いませんでした。フォードの著書には「専門家は物事に対して最初からできるはずがないと決めつけてかかることが多い。それよりも、先入観なしに“問題に飛び込んでいく愚か者”の方が好きだ」と書かれています。

 (“問題に飛び込んでいく愚か者”の一例はこちら↓  江戸の時代を生きたNot Normalな先人です)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533150.html

 

医療現場に限らず、社会はますます「専門家」の集まりになっています。情報量がどんどん増え続け、(情報)宇宙自体が抽象度が下がる方向に拡張し続けているから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

今の時代、フォードのように「専門家」を排除するだけでは解決しないでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか?

 

“問題に飛び込んでいく愚か者”であり続け、知識により作られてしまう限界を突破し、さらに大きく進化・向上し続けるために、何を心がけなければならないのでしょうか?

 

 

私が思う「心がけ」はとてもシンプル。

参考にPanasonic創業者 松下幸之助さん(1894~1989年)の言葉を紹介します。「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」(PHP研究所)からの引用です。

 

松下幸之助さん(Wiki.、1960年代)

1960年代初期頃

Wikipediaより引用

 

 

 ひとつの心がまえとして、やはり素直な心にならなければいけないと思います。自分の利害や感情、欲望といったものにとらわれない素直な心にいつもなるということです。そうすれば、人から意見を聞いたような場合でも、「そうですか。じゃあひとつやってみましょう」ということが、ごく自然に言えます。ところが、なまじ学問をして知識や技術を知っていますと、それにとらわれて、人の言うことでもなかなか素直に聞けない。そのために経営のコツを悟るのにも時間がかかる。そういった姿が少なくないのではないでしょうか。

 素直な心については、私は以前から、その大切さを人にも言い、自分自身にも言い聞かせて、その向上に努めているのですが、常住坐臥、常に素直な心になることができれば、人間というものは、物事の本当の姿、実相を見ることができるようになって、あたかも神のようにといってもよいほど、強く正しく聡明になることができると思います。

 そうなれば、商売や経営において何が大切かといったことも的確につかむことができましょうし、人を生かしていくにはどうすればよいかというようなことも、その時々に応じて正しく判断できるようになるでしょう。それは経営のコツを会得した姿にほかならないと思います。その意味では、素直な心になるところにこそ経営のコツを得るコツがあるといっても決して過言ではない気がしています。

引用終わり

 

 

そう、「知の呪縛」を打ち破るための心がけとは「素直」。「傲慢」の正反対にあるといえる心の状態です。

 

F-264につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です

 

伝えたいのは「心の力(The Power of Mind)」のすばらしさ。

 

 誰もが、心の力によって、「未来の自分」を臨場感豊かに想像することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

そして、課題を克服しながら「未来の自分」を創造し、本当に現実化することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

過去の呪縛や不安よりも、未来の希望や期待に対して、遥かに大きく強い臨場感を感じることができるからです。本当は。

その臨場感が「心の力(The Power of Mind)」。その正体は誰もが持つホメオスタシス(Homeostasis)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そして、それは「縁起」の力でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ、『縁起人』として生きろ。」(TAC出版)より引用します。

 

 

 縁起を理解していない者はリーダーになってはいけない

 いうまでもないことですが、この世の中、縁起のことをわかっていない人がリーダーや指導者の立場になってはいけません。なぜかというと、他人に多大な迷惑をかけてしまうからです。

 縁起のことがわかっていない人物がリーダーになると、その行動は独善的なものになってしまいます。なぜなら、彼らは、自分の持つ価値観や物差しが絶対的に正しい、と信じて疑わないからです。

 国民のことを微塵も考えない人たちがリーダーでは困ります。彼らには、彼らが全面的に正しいと信じている経済学者や経済理論が存在し、それが絶対的に正しいと考えています。そうではなく、たとえば中小企業で働く大多数の労働者がどういう境遇であるかに興味を持つ人でないといけません。

 

 リーダーの立場にいる人が、本質を見誤ってはいけないということです。

 下にいる人間は、自分たちのリーダー的立場の人物が本物かどうかを見抜かないといけません。

 その最低限の指針が「縁起を理解しているかどうか」だと、私は思っているわけです。縁起の理解はリーダーの最低条件です。

 引用終わり

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

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一緒に楽しみましょう!

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