F-261:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.5;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -前編-

 

 子どもの頃、私は「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031488.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7031602.html

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて書いたのがこのブログ記事↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 私の経験でいうと、「不安と不満のはざま」を抜け出した後には、さらに大きな試練が待ち構えています。その試練とは「不満と傲慢のはざま」。それは「自由と隷属のはざま」であり、「希望と絶望のはざま」「幸福と不幸のはざま」でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 では、ゴールが生みだす不満をエネルギーと創造力に変え、自由を貫き、希望を抱きながら幸福に生ききるためにはどうすればいいでしょうか?

 傲慢を改め、隷属から抜けだし、絶望や不幸を克服するために何を心がけるべきでしょうか?

 

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です。

 

 vol.1;「不安と不満のはざま」を抜けだした後に待つ試練

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29576555.html

 vol.2;スコトーマを生みだす/外すポイント

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29646619.html

 vol.3;知らないことは認識できないのに新しい知識を得ることができる秘密

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29695715.html

 vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 vol.5;ゲシュタルトの再構築とフレームワーク -前編-

 

 

人は自分自身の死を見据え、その意味を知り、死に(が)近づく時間の流れをしっかり認識した上で、目の前の一瞬を鮮やかに生きるべき

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

そのポイントは「1つ(あるいは2つ)上の抽象度で考え続ける」こと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

抽象度とは「情報空間における視点の高さ」のことです。抽象度が上がると、見渡せる(潜在的)情報の範囲は広がり、一方で具体的な情報が減ります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 F-259vol.3)の追記内で「コーポレートコーチングと縁起の関係」を紹介しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

コーポレート空間で考えると、ピラミッドの形で表現される組織図の上に行けばいくほど、アクセス可能な(潜在的)情報は増え、現場レベルの具体的情報は減っていきます(認識しづらくなる)。

ここでポイントとなるのは「抽象度の移動のしやすさ」。高い抽象度次元から低い抽象度次元への移動は簡単にできますが、低次から高次への移動は簡単ではありません。

つまり、組織図において上の立場の人は(その気になれば)現場のことをしっかり理解できますが、下の人は上の立場をなかなか理解できないということ。

Q-192:コーチングはマインドを使える人のためのものなのでしょうか? Vol.1;抽象度&ゴール

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25534400.html

 

ずいぶん昔の話ですが、病棟の看護師長が、自室を使用せずに、わざわざ病棟詰所内でデスクワークを行っていたことがありました。その理由を問うと、ある特定の部下に「仕事をしていない」と陰口を叩かれるらしいのです。

陰口を叩く職員に直接確認したところ、案の定、低い抽象度の視点でしか状況が把握できていませんでした。そのため、部門長としての行う業務は“仕事”と認識されなかったのです。

 

「ちゃんと仕事をするべきだ」という強い思いと「仕事をしていない」という現状評価(陰口を叩く職員の解釈)のギャップが不協和を生み、陰口を叩くという行動になってあらわれたと考えられます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 *詳しくはこちら↓

 S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html

 

まず理解するべきなのは、「組織の中で自分がどんなポジションにいるかで、重要とみなす情報やその処理の仕方が異なってくる」という事実。自分が属するフレーム以外の情報の認識や運用はできません。フレームによりスコトーマが生じるからです。

「組織」とは、会社など仕事上の話だけでなく、家族や友人関係、社会といった“つながり”のこと。つまり、縁起です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

ほとんどの人が縁起空間中のポジション(ex.;職種、役職)によって、特定のフレームにはめ込まれて生活(ex.;仕事)をしています。そのフレームはまわり(ex.;先輩や上司)から教えられたことを元に構築されたはず。コーチングでいうと「ブリーフシステム」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

それで滞りなく生活(仕事)ができていたならば、「このフレームが絶対だ」と信じ込んでしまいがち。そうなると自分が属するフレーム以外の情報がますます認識できなくなります。その状態が「傲慢」です。

そんな状態では“現状の外”にゴールを見いだすことはできません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

よって、「うまくいっている」「自信がある」「信念が固い」という人(組織)ほど危険であるといえます。組織図でいうと上に位置する人ほど、時間でいうと経験を積んだベテランほど、かえって“大切なこと”がスコトーマに隠れてしまう危険が高まります。

Q-169~:自身の信念を失いそうです

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

本当は抽象度の上げ下げでスコトーマをコントロールし、(同調ではなく)共感することができるはずなのに。

Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

苫米地博士は「日本の企業社会は組織のピラミッド構造が強固で、現場で上から求められる成果を上げることで一段、また一段と出世の階段を上る仕組みが根強い」「そのため、各人が自分のポジションに縛られたフレームしか持てず、スコトーマだらけになりやすい」と語られています。

つまり、“現場主義”が強すぎて、仕事に対する抽象度の高い人材が育ちにくいということ。

Q-001:三現主義

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4613755.html

 

確かに現場での具体的な運用能力を高めれば、スペシャリストにはなれます。しかし、それは組織側から見て、フレームごとに有用な人材を育てているだけの話。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 スコトーマだらけの「フレームごとの有用な人材」は、容易に「傲慢」に陥ってしまいます。最初(F-257/vol.1)に確認したとおり、傲慢=権力側です。

そして、権力とは「過去のしがらみ」でもあります。そのままではいつかモチベーションを失い、「不満」だらけの日々にまた戻ってしまうでしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

F-262につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心を込めて贈る第2弾です

 

伝えたいのは「心の力(The Power of Mind)」のすばらしさ。

 

 誰もが、心の力によって、「未来の自分」を臨場感豊かに想像することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

そして、課題を克服しながら「未来の自分」を創造し、本当に現実化することができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

過去の呪縛や不安よりも、未来の希望や期待に対して、遥かに大きく強い臨場感を感じることができるからです。本当は。

その臨場感が「心の力(The Power of Mind)」。その正体は誰もが持つホメオスタシス(Homeostasis)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そして、それは「縁起」の力でもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 以下、苫米地博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意 -今こそ、『縁起人』として生きろ。」(TAC出版)より引用します。

 

 

 縁起の理解はコーチやメンターになるための最低条件

 私は、人は縁起を理解したならば、コーチやメンターになるべきだと思っています。

 釈迦のように、縁起の考えを他人に教えることができるようにならなければいけないわけです。

 そして、人にコーチングを施すコーチになるには、まず大前提として、縁起の考え方をマスターしておかなければなりません。

 人をゴールに導く立場にある人は縁起のことをきちんと理解していないといけないのです。そういう人でないと、人を指導する立場になったらいけません。利己的な人は迷惑なだけです。常にクライアントの利益を考えられてこその指導者です。

 「縁起を理解している」ということは、コーチになることの最低条件、または「資格」といえるでしょう。

 でも、「縁起を理解している」だけでは、もちろんなれません。普通免許を持っていれば、自分の車の運転手にはなれますが、人の命を預かることになるタクシーの運転手にはなれません。運転免許を持っているだけで、誰もがアイルトン・セナ級のF1レーサーになれるというわけではないのです。

 

 しかし、この世には、縁起を理解していないうえに、本当のプロとはとてもいえないようなコーチが蔓延しています。

 というのも、現在は「コーチ」や「コーチング」という言葉が流行し、やたらと多くの人が「コーチ」と名乗り、「コーチング」に関する講座も数多く開かれています。

 ここで問題になるのが、たいした知識や技能がない人がコーチを名乗り、詐欺まがいとはいわないまでも、それに近いコーチングをしていることです。そういう人たちは、マーケティング力にだけは長けていて、お気軽に「◎〇コーチング協会」というものを作り認定コーチを量産し、多くのクライアントから多額のコーチング料を受け取っています。

 今、ちまたに溢れているコーチングの多くは、クライアントに対して「have to(義務感)」を強制します。クライアントは「やらされている」という感覚から途中で苦しくなったり、自信を失ったりします。

 厄介なのは、偽物のコーチングでも多少の結果が出てしまうということです。これは当然といえば、当然のことなのです。

 なぜならば、今まで何もやっていなかった人がコーチングを受ければ、短期的には何らかの効果が出てしまうからです。

 しかし、そこで結果が出たと思って、偽物のコーチを信じてしまうと、長期的には必ず大きな問題が起きます。それに気がつかないで、偽物のコーチングを受け続けると、間違ったゴールを設定されてエフィカシーを下げる結果になったりするなど、人生を狂わされることになります。

 偽物のコーチが行う間違ったコーチングを受けるのは、何もしないよりも悪い結果を生みます。

 

 コーチングに限らず、指導者はあなたの人生、人間関係を大きく左右します。指導者を見極める際には、相手に縁起の理解があるかどうかを一つの判断材料にしてみてはいかがでしょうか。自らが指導者になる場合も自他の区別のない状態で相手のために指導することで豊かな人間関係が生まれます。

 引用終わり

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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