Q-283:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか? <vol.3;「イライラ」と「ドーパミン」、コントロールが難しいのはどっち?>

 

「イライラ」をテーマに講義を行った際に、このような御質問をいただきました。ありがとうございます。

 (変更を加えています)

 

Q:イライラをコントロールできるように、ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 

結論から述べると、「イライラのコントロール」も「ドーパミン分泌のコントロール」もできるようになります。そして、「ドーパミンがどの程度分泌されているか」もはっきりわかるようになります。簡単なワークを続けることで。

 

 まずはドーパミン分泌のコントロールについて、そしてドーパミン分泌のモニタリングについてまとめます。その後、さらに抽象度を上げて考えていきましょう。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

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 リラックスしながら(イライラせずにw)、ゆっくり読み進めてください。Feel

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 vol.1;ドーパミン分泌の秘密技 -前編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29687436.html

 vol.2;ドーパミン分泌の秘密技 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29732925.html

 vol.3;「イライラ」と「ドーパミン」、コントロールが難しいのはどっち?

 

 

A3:「イライラのコントロール」も「ドーパミン分泌のコントロール」もできるようになる

 

 ところで、「イライラ」と「ドーパミン」とでは、どちらの方がコントロールが難しいと思いますか? その理由は?

 

 よりコントロールが難しいのは「ドーパミン」の方です。

 その理由は「ドーパミンは物理空間上の物質であり、物理的制約を受ける」から。物理空間は情報空間の一部。抽象度を軸にした場合の情報空間の底面です。

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 物理空間上の存在である「ドーパミン」に対して、「イライラ」は情報空間での現象のこと。そもそも抽象度が違います。

 抽象度が高くなるほど、制約が少なくなっていきます。よって、より高い抽象度次元ほどコントロールはしやすくなります。理論的には。

 だから私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、「『うつなんですけど、どうしましょう』と言われたら、『うつをやめろよ』と言って終わり」と話されます。

 「うつ」は情報空間(心)での現象であり、自分が自らやっているものだからです。

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 コーチング理論でいうと「I×V=R」。

 ImageImagination)の臨場感が高いほど(Vivid)、そのImageはやがて現実化していきます(Reality)。「うつ」というイメージ×臨場感が「うつ」をうみだすのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 □物理空間上の存在である「ドーパミン」に対して、「イライラ」は情報空間での現象のこと。そもそも抽象度が違う

 □抽象度が高くなるほど、制約が少なくなっていく。よって、より高い抽象度次元ほどコントロールはしやすくなる

 

 だから1つ(あるいは2つくらい)抽象度を上げて解決する」。それが基本です。

 L-05820208… -04;抽象度を上げる秘訣 <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28095246.html

 

 抽象度を上げて解決するために「物理空間の問題は全部情報空間からきている」「人間は情報空間に物理空間と同じように臨場感を持てる」ことを心から理解すること、つまり「空(くう)の理解と体得」が最も重要 でした。かつては。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 ところが、現代人の悩みの多くは、物理空間ではなく、情報空間の苦しみです。悩み自体がどんどん情報化しています。したがって、情報空間起源の物理空間の問題(case)を解決すること(plan)が現代における救済といえます。それは「仮の実践」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 わかりやすいように、心理学者 アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow1908~1970年)の「欲求階層説」で考えてみましょう。

マズローは、「人間は自己実現に向けて絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を五段階の階層で理論化しました。それが「欲求階層(段階)説」で、「自己実現理論」とも呼ばれています。

それによると、人間の欲求は五段階のピラミッドのようになっており、下位の段階の欲求が満たされるとより高次の欲求を目指すと説明されています。下位より、1)生理的欲求(Physiological needs)、2)安全の欲求(Safety needs)、3)所属と愛の欲求(Social needs/Love and belonging)、4)承認(尊重)の欲求(Esteem)、5)自己実現の欲求(Self-actualization)です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 


自己実現理論(Wikiより引用)

欲求階層説(自己実現理論)

Wikipediaより引用

 

 

 これは個人レベルの人間形成の話ですが、個の集合である人類自体の進化とも重なります。つまり、現代人のリアルは物理空間での1)生理的欲求(Physiological needs)から情報空間での5) 自己実現(Self-actualization)に向かって移行しているということ。

だから、「現代人の悩みの多くは『情報空間の苦しみ』」なのです。

 

 さらに、晩年のマズローは、五段階の上にさらに「自己超越の階層(Self-transcendence)」があると付け加えました。つまり、自我が拡張していくということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 したがって、個人の悩みも拡張しながら自分以外の人や事柄の悩みになっていきます。縁起中に問題(課題)がひろがり、縁起中に解決がひろがっていくという感じ。「存在も情報空間、相手も情報空間。情報空間対情報空間の関係。銀行ローンみたいなものに悩む」と苫米地博士は語られています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そのような理由により、「『イライラ』と『ドーパミン』とでは、どちらの方がコントロールが難しいと思いますか?」という質問に対して、現代社会においては簡単に答えることができないのです。実際は。

 

 最後に、苫米地博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ)より引用します(p187)。次回のテーマは「ドーパミンのモニタリング」ですが、その「モニタリング」の秘訣がここにあります。ぜひ感じてください。Feel

 

 

 縁起の世界認識を使う

 金利を払うべきなのは自分ですが、問題になるのは自分以外の仮想空間だということです。現代は自我が情報空間まで拡張しているのです。それは縁起の思想の中では当然の帰結として間違っていません。縁起の思想は普遍的な真理なので今でも通用します。ただ、解決法が現代にじゅうぶん適応されないので、現代人の高いIQと慈悲で解決策を出していく必要があるのです。

 大事なのは、解決策を出していくヒントを与えられることであって、直接解決できることは本来重要ではありません。ぜんぶ他人との関係になってしまう現代特有の問題を、現代の智慧で解決しようとすることが大事です。

 引用終わり

 

 

Q-284につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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