Q-279:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました <前編;RAS=情報のフィルター機能>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

前編と後編とでまったく違う回答になります。

もしも混乱したなら、その混乱自体を楽しんでください。Rがゆらぐことで、新たなゴールを見つけやすくなるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 *「Rゆらぎ」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

気楽にどうぞw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 前編;RAS=情報のフィルター機能

 

 

Q:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 

A1:まずは「RAS」と「スコトーマ」について再確認しましょう。

 

 人間の脳には、膨大な量の情報を、必要なものと不必要なものに分別するシステムが備わっています。その脳の機能がRAS(ラス)。RASとは「Reticular Activating System」の略で、「網様体賦活系」と訳されています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 RASは脳の基底部にあり、自分にとっての重要度に基づいて、遮断する情報と受け入れる情報をふるい分けています。いわば情報のフィルター機能。

 私たちはRASのおかげで莫大なエネルギーを消費しないようになっています。つまり、RASにより、脳はいつでも処理可能なスタンバイ状態を効率的に保っているのです。

 RASが通過させるのは、そのときの生体または種の保存にとって重要だと思われる情報だけ。それ以外の情報は遮断されてしまいます。

 その「RASによって遮断された情報」がスコトーマです。

 

 スコトーマはギリシア語由来の言葉で「盲点」を意味します。発見者であるフランスの物理学者にちなんで「マリオット盲点(暗点、盲斑)」と呼ばれたりもする医学用語です。

「盲点」とは網膜上の視神経乳頭にあたる部分で、そこは視細胞がないために光を感じることができません。簡単なワークで「盲点」を体感することができます。こちらでどうぞ↓

PM-02-04:スコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 その生物学的盲点(物理空間上)を、コーチングの祖 ルー・タイスさんが心の空間(情報空間)にまで拡張した「心理的盲点」が、コーチングでいうスコトーマ(scotoma)です。

 (注:抽象度を軸とした場合、物理空間は情報空間の底面です)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 スコトーマは、誰にも、必ずあります。

希望や夢がスコトーマに隠れてしまうと、絶望しか感じられなくなります。

PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

反対にスコトーマを上手くコントロールできると、どんな逆境の中にも希望を見いだせるようになります。

F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 スコトーマを生みだす/外すポイントは3つ。1)知識、2)重要性、3)役割(責任)です。

 

 先ほど「RASが通過させるのは、そのときの生体または種の保存にとって重要だと思われる情報だけ」と書きました。だからこそ、教育が重要!

教育によって、「生体にとって重要」を、より抽象度の高い次元に引き上げていくことができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それが「人間形成」。詳しくはこちらで↓

 PM-05-13~15:そもそも教育とは?-6)人間形成

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

欲求階層説(自己実現理論)

Wikipediaより引用

 

 

 本題に戻りましょう。

 質問者が自ら気づいたとおり、「認識しているものの中から何を選ぶか?」という発想には注意が必要です。

 

 「認識」を生みだすものは、これまでのブリーフシステム(Belief SystemBS)だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

表現を変えると、「認識しているものの中」とは現状(Status QuoSQ)のことであり、現在のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 たとえばレストランに行ったときに、「認識しているものの中」から食べるものを選ぶことは何の問題もありません。むしろ、そうしないといけないでしょうw

 

 しかし、ゴールは違います。ゴールは1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外!

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

現状の外とは、もちろん「認識しているものの中」ではありません。今までのBSでは認識さえできないもの/ことであり、これまでのCZを遥かに超えたもの/ことです。

 

つまり、ゴール設定とは、認識している世界から何かを選ぶことではなく、「認識する世界」そのものを生みだすこと

 

 その感覚を理解し、しっかり体得してください。

(詳しくはこちらで↓)

F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

Q-280につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 今回の質問者は、じつは、コーチングを学びはじめたばかりの若者。

 だから、一般向けの「RAS=情報のフィルター機能」というゲシュタルトでお話ししました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 コーチ向けには違うRASの定義(ゲシュタルト)があります。それは守秘義務に該当する知識であるため、このブログでお伝えすることはできません

 のはずでしたが、今春(2022年)、認知科学者 苫米地英人博士が著書内で解禁されました。

 

以下、「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)から引用します(p92)。「RAS」についてアップデートした上で、再度「スコトーマ」とconnectしてください。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

 ◎スコトーマは人間にとってなくてはならないもの

 スコトーマは誰にでもあって、はっきり言えば、私の師匠のルー・タイスにもありました。だからこそ、ルーはかつての私に「ドクターT、キミが私のスコトーマを見つけてくれ」と言ったのです。

 ですから、人は誰であってもスコトーマはあります。ないほうがおかしいのです。もっと言えば、スコトーマは人が生きていくためには必要なものなのです。

 ここで、なぜ、スコトーマが発生するのか、その原理を説明しておきましょう。これを理解することで、現状の外にゴールを作る方法も見えてきます。

 

 まず、私たちの脳の基底部にはRASReticular Activating System)という情報のフィルターのようなものがあるというのはこれまでの本でも書いてきました。日本語で網様体賦活系というものですが、実は、このシステムは、重要な情報以外は見ることができないというものではないのです。

 Reticular Activating SystemというようにRASActivating Systemで、本来活性化させるものです。

 つまり、「見えなく」させているのではなく、「重要なものを活性化」しているのです。

 これまでRASの説明は、自分にとって重要なものだけが見えるというものでしたが、その説明では重要ではないものは見えなくなってしまう理屈です。

 しかし、実際はそんなことはなく、我々はすべてのものを見ているのです。RASが行っているのは見ているものの中で、「重要なものを活性化している」だけなのです。つまり、重要なものだけを意識に上げ、重要ではないものは無意識下にして活性化させていないのです。

 本来、人がモノを見るとき、網膜に映ったものはすべて取り込んでいます。ただし、その時の重要度によって何が見えるかが変わってきます。要は、意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステムがRASなのです。

 引用終わり

 

 

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

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一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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