Q-269:薬をやめることができますか? <中編:case-side(ワーク付き)>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
その一部に対して、3回に分けて回答いたします。
(変更を加えています)
Q:心療内科に20年以上通院しています。最近調子が悪く、不安を感じています。私は薬をやめることができますか?
Q-265~267で「視点」と「視点を上げる」ことについてまとめました。今回の私の回答はその知識を前提とした回答です。まずはこちらからお読みください↓
Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html
*こちらもぜひ↓
Q-116:薬に頼ることに、じつは、抵抗があります
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477470.html
前編:induction
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29185121.html
中編:case-side(ワーク付き)
知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていけば、今はまだスコトーマに隠れたままの問題(課題、case)に気が付くはず。その問題に対する解決(plan)を見いだし実践し続ければ、きっと「薬をやめること」ができるでしょう
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
…今回は真の問題を見つけるケースサイド。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
ゲシュタルト能力を磨いていくと、空間だけではなく、時間も超えることができるようになります。プロ野球で例えるなら、「雨が降りだしたから試合を中断する」は3次元空間での、「雨が降り続くと予想されるので試合を中止する」は4次元時空(空間+時間)での判断。「中断・中止を回避するためにドーム球場をつくる」は4次元時空を超越した視点での判断です。収益(お金)という情報的存在やそれと関連する周辺施設を含む安定的な集客、「予定を立てやすい」「遠方から訪れやすい」といった観客にとっての利益など、幅広い縁起空間を考慮しています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
現代に生きる私たちの情報処理は、大部分が情報空間、つまり概念の世界で行われています。抽象度を軸にした場合、情報空間の底面が物理空間(4次元時空)です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
視点(抽象度)が高いと、視点が低い相手が何を考えているかがわかり、何をしようとしているのか読むことができます。何気ない会話を楽しみながら、思考の裏表を読み解き、未来を予測することができます。
さらには、意見の対立を縁に「問題の意味について理解を深める」ことができます。蛇足ですが、世界中の経営者に影響を与えたピーター・F・ドラッカー(1909~2005年)は「意見の対立こそが、1)組織の囚人化を防ぎ、2)代案を手にし、3)想像力を引き出すためのポイントである」と語っています(「マネジメント -課題、責任、実践」)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13216030.html
重要なのは「視点を上げた状態に意識を持っていく時間」と「その視点から見渡せる情報空間のひろさ」。誰よりも高い視点で、誰よりもひろい情報空間を一気に俯瞰できることがポイントです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html
問題を解決するためには、その問題が起こっているよりも高い視点で考えなければならない
…これはかの天才物理学者 アルベルト・アインシュタイン(1879~1955年)が語っていた言葉。この理を踏まえた上で回答します(case-side)。
L-058:2020年8月シークレット… -04;抽象度を上げる秘訣 <ワーク付き>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28095246.html
Q:心療内科に20年以上通院しています。最近調子が悪く、不安を感じています。私は薬をやめることができますか?
A2:心療内科や精神科が対象とするのは「心」。心は高次の情報空間に存在しています。縁起として。一方、薬は(情報空間の底面である)物理空間上に存在する物質であり、その作用点は同じく物理空間上の存在である「脳」や「体」です(data)。
高次の心の問題(課題)を低次の脳(体)への働きかけだけで解決することは困難です(warrant)。よって、今のままでは「薬をやめる」ことは不可能だと思います(claim)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html
そもそも薬物治療は根治療法ではありません。因は情報空間にあるのですから。
勘違いしないでいただきたいのですが、「薬は効かない」「薬物治療(pharmacotherapy)には意味がない」といいたいのではありません。間違いなく薬は大切な治療手段ですし、私自身医師として薬をフル活用しています。対症療法として。
Q-264:コーチングは弱った人を… <vol.6;「老病死(+生で四苦)」を理解し克服する>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28898728.html
「心」の問題を、心よりも低い視点で「脳」だけを見て、その高さで解決することは対症療法です。では、根本的に解決するためにはどうすればいいのでしょうか?
…まずは知ること。そしてしっかり理解すること。「脳」と「心」は記述する視点(抽象度)の違いであり、「脳と心」で一単語だということを。詳しくはこちら↓
L-003~4:2020年1月シークレット… -03~4;身体と心は〇〇〇〇
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html
アインシュタインが言っているのは、高い視点での解決は低い視点に落とすことができるが、その逆は困難だということ。低い視点での解決は、根治療法ではなく、あくまでも対症療法です。ただし、それはそれで重要で、とても役に立ちます。
もしも不安で眠れないなど日常生活に支障があるなら、迷わず専門医に相談し、処方された薬をしっかり内服してください。対症療法として。
そうしなければ視点を上げたり、高い視点を保ち続けることができません。米国CDCがいう「Fight or Flight」を脱しない限り、根本的な解決は不可能です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
まずはちゃんと休息し、しっかり治療を受け(薬だけではないはず)、「最近調子が悪く、不安を感じている」状態から抜け出しましょう。心が整ってきたと感じたなら、ここから先をゆっくり読み進めてください。
…先程、「因は情報空間にあるのですから」と書きました。その情報空間には階層があります。最下層が物理空間です。つまり、物理空間での現象の“原因”は高次の情報空間にあり、その“原因”の「因」がさらなる高次の情報空間にある
…という構造です。
“原因”が「心」の問題(課題)だとすると、そのさらに高次元に「『心』の問題(課題)」を結果として引き起こす「因」があるということ。
Q-204~:「縁起」と「因果」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html
この構造を感じることが、今、取り組むべきワーク。
では具体的にお話しします。
下図は緩和ケアにおける「全人的苦痛(Total Pain)」という概念です。
厚生労働省HP>…>第2回終末期懇談会
資料2-2より引用
…この図では「身体的痛み」「心理・精神的痛み」「社会的痛み」「スピリチャルペイン」が同じ平面上に書かれています。そこで…
<ワーク>
4つの苦痛(概念)を、抽象度を軸とする情報空間上にそれぞれマッピングし、立体的にイメージする
…これが今回のワーク。
慌てて取り組む必要はありません。ここにたどり着くまでの20年をひっくり返すビッグチャンスです。じっくり取り組んでください。気楽にw
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
*イメージしづらい場合は、こちらを参考にしてください↓
L-001~:2020年1月シークレットレクチャー
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html
今回はケースサイド、「問題を見つける」ことが目的でした。
「身体的痛み」「心理・精神的痛み」「社会的痛み」「スピリチャルペイン」の関係性をイメージすることで、「調子が悪く、不安を感じている」今、どこに目を向けるべきかがわかるはずです。ぜひシンの問題(課題)を見つけ、感じてください。Don’t think, Feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
次回は、見つけた問題を解決するための心がまえについてお話しします。
(Q-270につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
きっと御質問(批判も)をいただくと思うので、先に説明しておきますw
コーチングでは(もちろんヒーリングでも)わざわざ過去の辛い記憶に働きかけることはしません。「過去は一切関係なし!」です。
働きかけは未来だけ! そのためにゴール設定を!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
ゴールを設定すると、時間が未来から過去へ向かって流れはじめます。だから「どんどん離れていく過去は一切関係なし!」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
…とはいうものの、何かにつけ(トリガー)辛いことを思い出してしまう(アンカー)のも事実。私たちの脳は失敗を強く記憶するようにできているからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
だからこそ、イメージ化(抽象化)が重要になります。逆腹式呼吸を行い、リラックスを維持しながら、ゆっくりとワークに取り組んでください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23645730.html
-追記2-
3回連続で“健康(well-being)”に関連する認知科学者
苫米地英人博士の著書を紹介します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html
今回は「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)。
怒り、悲しみ、嫌悪、喜び、愛しさ …そんな感情とうまく付き合うシンプルな方法が示されています。どんな方法だと思いますか?
…答えは「感情を娯楽にする」。
感情は「そうしよう」と思った瞬間に娯楽になります。感情を娯楽と認識し、視点を高く置くことで、一段高みから抽象的な思考をすることができるようになります。まさに今回の主題です。もしもワークがうまく出来ない場合は、ぜひ「『感情』の解剖図鑑」をお読みください。
-告知1-
2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。
メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~Reload&Revolution~」。詳細はこちらでどうぞ↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html
第4回目(R4.7/24開催)のテーマは「ラポール」。詳しくはこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29009685.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
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