Q-268:薬をやめることができますか? <前編:induction

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に対して、3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:心療内科に20年以上通院しています。最近調子が悪く、不安を感じています。私は薬をやめることができますか?

 

 前回(Q-265~267)、「視点」と「視点を上げる」ことについてまとめました。今回の私の回答はその知識を前提とした回答です。まずはこちらからお読みください↓

 Q-265~:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420880.html

 

 *こちらもぜひ↓

 Q-116:薬に頼ることに、じつは、抵抗があります

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20477470.html

 

 前編:induction

 

 

 「視点」や「視点を上げる」ことは、「ゲシュタルト」と大いに関係します。

ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまりのことです。

 PM-02-12:ゲシュタルト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。例えば、「ハシをつくる工〇」という言葉を目にしたとき、その「ハシ」が「箸」なのか「橋」なのかは判断ができません。ところが、「〇」に入る文字が「場」なら「ハシ」は「箸」だと分かり、「事」なら「ハシ」が「橋」だと分かります。

「ハシをつくる工場」という全体が分かってはじめて、「ハシ」が「箸」だとわかる

つまり、「全体がわかることで部分がわかる」。これが人が持つゲシュタルト能力です。

F-019:「Connecting the dotsby スティーブ・ジョブス

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトができると、それまで意味をなさなかった部分が、全体の中で意味を持ってあらわれてきます。もちろん、全体は部分がなければ成立しません。

 この全体と部分が双方向的に関係しているのがゲシュタルト。そして、より大きなゲシュタルトができあがることが、「理解が深まる」であり、「視点が上がる」です。

 Q-063:「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 ひとたびゲシュタルトができると、部分情報を手に入れただけでそれが何かを認識することができます。また、他の部分情報を同時に認識することができるようになります。

 それは単純なパターンマッチングではありません。

 例えば「チワワ」「ブルドック」「ラブラドールレトリーバー」という部分を統合(connect)して「犬」という全体ができると、「ビリー」や「ラゴット・ロマーニャ」など珍しい犬種(部分)も「犬」(全体)と理解することができます。それがゲシュタルト能力です。

 F-199:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか? Vol.3:「こんなにほったらかしにして」を生みだすスコトーマ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26545746.html

 

 

 ところで、今、「私は薬をやめることができますか?」という質問に対して「なぜゲシュタルトの話をしているのか?」と疑問に思っていませんかw

 

Yesの方はゲシュタルトができていません。

 

 話の流れから「こういう結論になるな」と予測できることもゲシュタルト能力です。全体がわかっていることで、部分間のつながりを感じることができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

“つながり”とは「縁起」のこと。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 つまり、ゲシュタルト能力とは「縁起を感じ取る力」のこと。心理学ではヒューリスティック(heuristic)と表現しますが、「経験的(もしくは生得的)な知識を利用して、あいまいなマッチングを“発見的”に行う」ことができるのは、大脳が発達した人間に特徴的な特殊能力といえます。誰もが持つ特殊能力です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27606540.html

 

 厳密にはこの世に同じものは2つとありません。よって、ゲシュタルト能力なしでは認識は不可能。じつは、もうひとつ認識に欠かせないものがあります。何かわかりますか?

 

 そう、知識。知識がスコトーマを外すための最初の条件です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 認識の大前提は「知識」と「ゲシュタルト能力」。

この2つに学習が関係します。学習により知識を得、学習によりゲシュタルト能力が磨かれるというように。

 PM-05-06~08:そもそも学習とは?-3-1~3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます。

その具体的方法がこちら↓ ぜひ実践してください。

 Q-182~185:家族ががんで… -06~09;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する>実践編vol.1~4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25324197.html

 

 

 では、今回(induction)の回答を。

 

Q:心療内科に20年以上通院しています。最近調子が悪く、不安を感じています。私は薬をやめることができますか?

 

A1:私は心療内科や精神科の専門医ではありません。ですから、決して現代医学・医療的な観点からではありませんが、苫米地式コーチング認定コーチ兼医師として「薬をやめることはできない」と断言します。むしろ「やめてはならない」です。

 

 でも、がっかりしないでください。「今のままでは」という意味です。

 

 知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていけば、今はまだスコトーマに隠れたままの問題(課題、case)に気が付くはず。その問題に対する解決(plan)を見いだし実践し続ければ、きっと「薬をやめること」ができるでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 「因」がなくなるから。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 

 次回(Q-269)は真の問題を見つけるケースサイド、その次(Q-270)は真の解決を実践するプランサイドです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 20年来の苦しみの解消はもうすぐそこ。焦らず、慌てず、ゆっくりと取り組んでください。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

Q-269につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 3回連続で“健康(well-being)”に関連する認知科学者 苫米地英人博士の著書を紹介します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859675.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859828.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7859896.html

 

 今回は「『イヤな気持ち』を消す技術」(フォレスト出版)。

 健康も病気もすべてマインド(脳と心)次第。この本では悩みと不安の正体を記憶と脳の関係で解き明かすとともに、どうすれば「イヤな気持ち」を克服することができるか具体的に書かれています。必読です。

 (「心のエネルギー」について、こちらもどうぞ↓)

 S-03:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html

 

 

-告知1

 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第4回目(R4.7/24開催)のテーマは「ラポール」。詳しくはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29009685.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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「イヤな気持ち」を消す技術(ポケット版)

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