Q-266:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか? <後編;視点を上げる>

 

 私は、今、気楽なクラブ活動を楽しんでいます。

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 その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ(CoacHing de Compassion ClubCHCC)」。

 I-060:クラブ活動 はじめます -第1報-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27936349.html

 

 *最新の案内はこちら↓ 御参加お待ちしておりますw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 先日のクラブ活動時、苫米地博士の「地球の裏側の人と自分の差がまったくないということを認識する」という言葉について、このような御質問をいただきました。

 

Q:臨場感世界をまったく同じように感じることが可能なのでしょうか?

 

 クラブ参加者との楽しいディスカッションを思い出しながら、あらためて考えてみました。新たに感じたものを言語化します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 (注:もちろん守秘義務内の回答です。コンパッションクラブは苫米地博士との間の守秘義務を厳しく守った上で活動を行っています。御了承ください)

 

 前編;視点

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29084873.html

 後編;視点を上げる

 

 

前回(Q-265)は、「視点が上がるほど、具体的情報量は減るが、潜在的情報量は増える」ことについて書きました。言い換えると、「視点が上がるほど、しがらみや束縛が減り、自由になる」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 「視点」とは抽象度のことで、「視点を上げる」とは抽象度を上げること。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 じつは、視点を上げる=抽象度を上げることは、人が生まれながらに持つ能力です。その能力のことを「ゲシュタルト能力」と呼びます。

 

 ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまりのことです。

 PM-02-12:ゲシュタルト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。例えば、「ハシをつくる工〇」という言葉を目にしたとき、その「ハシ」が「箸」なのか「橋」なのかは判断ができません。ところが、「〇」に入る文字が「場」なら「ハシ」は「箸」だと分かり、「事」なら「ハシ」が「橋」だと分かります。

「ハシをつくる工場」という全体が分かってはじめて、「ハシ」が「箸」だとわかる

つまり、「全体がわかることで部分がわかる」。これが人が持つゲシュタルト能力です。

F-019:「Connecting the dotsby スティーブ・ジョブス

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 ゲシュタルトができると、それまで意味をなさなかった部分が、全体の中で意味を持ってあらわれてきます。もちろん、全体は部分がなければ成立しません。

 この全体と部分が双方向的に関係していることがゲシュタルトです。

 

 このブログは言語を用いて書いているわけですが、その言語もゲシュタルトの関係で成り立っています。以前は、個々の単語に意味があって、その単語が組み合わさって全体の意味ができあがると考えられてきました。

 しかし、全体の意味がわかっていなければ、個々の単語の意味は決まりません。文脈によって単語の意味が決まってくるということであり、文脈が変われば意味が変わるということです。

 F-110:情報が書き換わると現実が変わる vol.1;言語編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20086131.html

 

 

 これは実体験なのですが、11年間院長を務めた病院の経営陣から、打ち合わせ中に「どうせ先生はその頃はいないから」と言われたことがあります。その時、私は意味が理解できませんでした。とくに「どうせ」という言葉の意味が。

 その後、「だまし討ち」という文脈を理解したことではじめて言葉の意味がわかりました。「どうせ」の意味も。滲みだす悪意とともに。

 Q-063:「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことなのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 概念を使って考えたり、言葉にしているとき、人はこのゲシュタルト能力を使っています。

 ある現象があったとき、その現象を部分部分の個々の集まりとして認識するのではなく、全体に意味を持たせて認識することができるのもゲシュタルト能力のおかげです。

それが「視点を上げる」ということ。

「犬」と「猫」というまったく違う概念を、視点を上げて「動物」(全体)と等しく認識したとき、「犬」「猫」(部分)は同じ「動物」(全体)と理解できます。それが苫米地博士の「地球の裏側の人と自分の差がまったくないということを認識する」という言葉中の「差がまったくない」の意味です。

Q-061~:犬好きではいけないのですか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_284899.html

 

 

 私は、視点を上げて(=抽象度を上げて)より大きなゲシュタルトをつくり理解することが「共感」、視点を上げずに(=同じ抽象度のままで)そのまま感じることが「同調」だと理解しています。

 Q-169~:自身の信念を失いそうです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 「共感」がなければゴール設定のサポートはできず、「同調」したならスコトーマが外せない理由を感じていただけたでしょうか。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

  

 やはり、大切なのはゴール設定。

そして、1)心から望み、2)自分中心を捨て去り、3)現状の外に設定する本物のゴールを目指し、悟りや慈悲に興味をもち続けながら、全力で(かつ気楽に)生き続けることです。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 

 最後に、苫米地博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ)より、前回と同じ部分を再度引用します(p210)。博士が語られる言葉の“意味”を感じてください。

 もしも前回と違った体感が得られたなら、それは視点が上がり新たなゲシュタルトができた証なのかもしれません。リラックスしながら、ゆっくりお読みください。

 

 

変わり者を目指す

 瞑想=修行がうまくいくコツは、それにいかに興味を持つかに尽きます。

 はっきり言うと悟りや慈悲に興味がない人には無理です。普通はほかにやることがたくさんあります。ネットフリックスは見たいし、オリンピックが始まったらボランティアにも行きたいし。みんな、日々やりたいことがあって睡眠不足です。そのすべてのやりたいことの中で悟りや慈悲のために時間をかけるって、考えてみたら「バカじゃん」という感じかもしれません。

 でも、そういうバカな人がいないと、慈悲はこの世にないのです。放っておいても慈悲は生まれないのですから。

 放っておいてもある「慈悲のようなもの」は個の拡大にすぎません。お母さんが自分の子が好きみたいな、東京都が好きな東京都民、大阪が好きな大阪人みたいなところで、ちょっとした抽象化です。しかし、慈悲はそのレベルではありません。

 地球の裏側の人と自分の差がまったくないということを認識する。それが慈悲です。放っておいたらけっして起きないレベルのものです。動物の本能と逆だし、日常の物理空間に見ることと逆ですから。ですから、慈悲を育てるにはよほど強力な瞑想が必要です。ということは、よほど興味がないと無理なのです。

 引用終わり

 

 

 いかがですか?

 

以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

私は、視点を上げて(=抽象度を上げて)より大きなゲシュタルトをつくり理解することが「共感」、視点を上げずに(=同じ抽象度のままで)そのまま感じることが「同調」だと理解しています

 

 その「共感」の先には“無敵”がひろがっているはずです。

 PM-01-18~20:“無敵”の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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近未来のブッダ