F-248:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける
<vol.5;「ゴール」と「現状の自我」の間>
アートとは、才能によるもの。
アーティストの才能とは、自分が強烈につくりたいもので、人に影響を与えるということ。
それは笑いだったり、笑顔だったり、感情をつくりだす、人を感動させるストーリーテリングです。
…この言葉は、今(2022年5月下旬)話題の“あの人”のもの。
その意味をコーチとして考えてみました。
(シリーズの最後で誰の言葉かを明かします。想像しながらお読みくださいw)
vol.1;臨場感
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html
vol.2;双極性障害
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28916956.html
vol.3;高揚(興奮)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28968302.html
vol.4;木鶏
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29025709.html
vol.5;「ゴール」と「現状の自我」の間
前回(F-247)は「木鶏」という故事を紹介しました。それは「道に則した人物の隠喩」であり、「他者に惑わされること無く、鎮座しているだけで衆人の範となる」こと。
具体的には1)空威張り・闘争心剥きだし → 2)他を見たらいきり立つ → 3)強さを誇示 → 4)泰然自若 …という変化(成長)のことです。
PMⅠ-05-13~15:そもそも教育とは? -06)人間形成
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html
この「木鶏」には本質的な誤りがあります。もしも本当に「木鶏」になったなら、それは立派な奴隷といえるでしょう。「ユニバーサル・ソルジャー」のような。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html
その理由を感じていただくのが、前回のワークでした。
<ワーク>
本物のコーチング(Authentic Coaching)をイメージしながら、「木鶏」に潜む問題点を感じる(Don’t
think, feel!)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
…では、私の答えを。
問題点をあえて言語化するなら、「ゴールを他者に決められている」。ゴールとは1)心から望むものであり、2)自分中心を捨て去りながら見いだすものであり、3)現状の外に設定するものです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
「木鶏」の場合、最初からゴールを、さらには生きる世界(w0)そのものを、他者に決められています(正確には「ゴール」とはいえません。「ゴールらしきもの」と理解してください)。「最強」がゴール、「闘鶏」が世界、「王と鶏を育てる名人」が他者です。「ユニバーサル・ソルジャー」なら、「命令(ミッション達成)」がゴール、「戦場」が世界、「軍(上官)」が他者。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
ゴールが他人からの刷り込みのままであれば、それは奴隷の状態です。「木鶏」とは優秀な奴隷のこと。「木鶏」として生きることは「無人運転」「自動運転」と同じ。「衆人の範」とは理想的な奴隷という意味です。
F-089~:無人運転と自動運転の違い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
苫米地博士と出会いコーチングを実践する前の私も“奴隷”でした。次から次に発生する「~ねばならない」がゴール、「波乱万丈の人生」が世界、「情動を伴った体験と情報の記憶で生みだされたブリーフシステム=現状の自我」が他者です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
コーチング未実践者の「現状の自我」は他者です。つまり、「私は“本当の私”ではない」ということ。だから“奴隷”!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
ここでいう“奴隷”とは、過去の記憶で作り上げたコンフォートゾーン(CZ)にどっぷりつかっている状態のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
CZの外側はスコトーマに隠れ認識することさえできません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
さらに、たいていの場合、そのCZは秘かに権力により生みだされているバイオパワーによって強力に維持されています。
F-061~:バイオパワー(生権力)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html
それ故、CZの外側、すなわち3)現状の外にゴールを設定することは簡単ではありません。そもそもスコトーマに隠れていて見つけることができず、仮に見つけたならドリームキラーから総攻撃を受けるでしょう。それも権力を持ったドリームキラー(既得権益)から。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html
だから、リーダーの自覚(覚悟)とコーチのサポートがないまま「ゴールを設定し、達成する」ことは不可能です。ぜひこちらもチェックしてください↓
PMⅠ-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html
PMⅠ-06-07:仮説02)「want to」「have to」とコンフォートゾーン(CZ)の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html
今シリーズのテーマに沿うと、「『ゴール』と『現状の自我』の間」には高い高い障壁が存在しています。では、その障壁を超えて「橋を架ける」ためにはどうすればいいのでしょうか?
…以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)からの引用(◎スピリチュアリティのゴールの大切さ、p74~)の続きです。
(前半部分は前回の追記1を参照してください)
ただし、「スピリチュアリティ」の場合は知識の習得ではありません。日本では仏教に取り組むというと、経典を学ぶことや、禅の修行を連想する人が多いと思いますが、それではさきほど説明した「生涯学習」のカテゴリーになってしまいます。「スピリチュアリティ」の場合は知識の習得ではなく、実践が大切です。「霊性を上げる」ために、いかに人間的に優れた人になるか、そのために社会に何をすればいいのかをゴールの一つとして持つことです。
自分は無神論者だから関係ないとは思わず、「スピリチュアリティ」を実践することとは、突き詰めていけば、人間的に優れた人になることだと思ってください。それはたとえ無神論者であっても重要なことですから、「スピリチュアリティ」のカテゴリーの中でゴールを設定することは大切になってくるのではないかと思います。
それにこのゴールは簡単に言ってしまえば、「社会が良くなる」ということでもあります。そのために自分の霊性を上げる。仏教的に言えば、悟るということであり、コーチング的に言えば、悟りを越えることです。
このあたりの詳しいことは私の『超悟り入門』を読んでほしいのですが、いまここで簡単に説明すると「悟りとはこの世が幻であることを理解する」ことです。幻であるからこそ、痛みも苦しみも、幸せも快楽も自分の思いのままになるわけです。つまり、すべては自分で作り出しているものであり、それを理解することが悟りです。これがわかると悟りは決して答えではないことが見えてきます。悟ったという状態であり、理解したという学びであり、だからこそ、悟りは越えていくものなのです。
引用終わり
…「橋を架ける」ための秘訣は、「この世が幻であることを理解」した上で、「悟りを超えていく」こと。空(くう)の体得と仮(け)の実践です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
空と仮、すなわち中観でしっかり生きることは「臨場感」の秘密でもあります。
(F-249につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
空と仮、すなわち中観でしっかり生きることは「臨場感」の秘密でもあります
…映画鑑賞中にしっかりモニタリングし(空)、意識状態をコントロールすることは(仮)、とても大切な中観ワークになります。より高い「臨場感」でワークを行うため、私はあえて映画館に行きますw
その映画館に関する話題をひとつ。
日本でも大ヒットとなっている「Top Gun:Maverick」。音速で飛行する戦闘機コクピット内での実撮影など、圧倒的体感(言語+五感)が高い臨場感の秘密でしょう。
映像と同じくらい衝撃的だったのが“音”。前作の世界観をさらにスケールアップした音楽には、私の大好きなハンス・ジマー(Hans Florian Zimmer、1957年~)が関わっています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html
でも、「Top Gun:Maverick」では、音楽以上に「音圧」が印象的でした。まさに「圧」。まるで音が次々とぶつかってくるようで、「音とは“密度波”である」ことを肌で体感しました。
きっとその「音圧」のせいです。台湾の映画館(IMAX)では、なんと、上映中に天井の一部が崩落しました。幸いけが人はいなかったそうですが上映は中止となり、観客は「Top Gun:Maverick」の世界(あの世、w1)から台湾の日常世界(この世、w0)に引き戻されました。
この映画館でのアクシデントから、私たちは「中観と臨場感」に関する重要な教えを学ぶことができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
-告知1-
2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。
メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~Reload&Revolution~」。詳細はこちらでどうぞ↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html
第4回目(R4.7/24開催)のテーマは「ラポール」。詳しくはこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29009685.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-088:「ダメ。ゼッタイ。」を超える!-5/5(ワーク付き)-
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/17573387.html
F-207:マトリックス/Matrix -02<Reloaded;現実を生みだすもの>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27012198.html
L-056:2020年8月シークレットレクチャー -02;「〇〇〇〇」でゴールの世界に誘う
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html
Q-042~:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html
Q-115:「秘密のワーク」やってみました 後編;臨場感をさらに高めるために
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20377591.html
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