F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 

 

 アートとは、才能によるもの。

 アーティストの才能とは、自分が強烈につくりたいもので、人に影響を与えるということ。

 それは笑いだったり、笑顔だったり、感情をつくりだす、人を感動させるストーリーテリングです。

 

 

 この言葉は、今(20225月下旬)話題の“あの人”のもの。

 その意味をコーチとして考えてみました。

 (シリーズの最後で誰の言葉かを明かします。想像しながらお読みくださいw

 

 vol.1;臨場感

 

 

 認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)の中に、ゴールのカテゴリとしての「職業」と「趣味」の関係について書かれている部分があります。以下、同書からの引用です(p59)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 よって、職業のゴールを探す大前提としては、まずは好きなことをしているのかを確認し、していなければ、「趣味」の観点から「職業」を見ていくことになります。

 いま「なぜ、突然『趣味』なのか?」と思った人もいるでしょう。しかし、意外に思うかもしれませんが、「職業」と「趣味」はよく似たゴールなのです。

 引用終わり

 

 

 書籍ではこの後「◎職業のゴールがわからなければ、趣味のゴールから探していく」に続きます。コーチングに興味がある方にとって必読の書です。ぜひお読みください。

 

 「職業」と「趣味」はよく似たゴール

 

 苫米地博士が鹿児島で講演してくださったときも、職業のゴールを見つけるために趣味のゴール設定がとても重要であることを話してくださいました。早いもので、もう6年が経ちます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702480.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7702640.html

 

 当時の私はコーチとしてデビューしたばかり。頭の中はまだまだ病院長としての仕事でいっぱいでした。博士の講演を舞台袖で拝聴しながら、「職業」や「社会への貢献」「生涯学習」ばかりで、「趣味」をないがしろにしていることに気が付きました。スコトーマが外れたのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 心から欲する趣味は何だろう?

 

 すぐに思い浮かんだのは映画。そう、子どもの頃から私は映画が大好き。

幼少期の思い出は辛いものばかりですが、映画との縁に関してはラッキーでした。

鹿児島で上映される映画の多くをフリーで観れる境遇だったため、毎週のように映画館に通っていました。とくに大学浪人中は、本当に毎週映画を観にいきました。確か60本以上観たはずです。「人生においてこんなに映画を観れる年はない」とセルフトークしながらw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24905509.html

 

「映画好き」というブリーフを生みだしたのは、間違いなく「情動を伴った体験の記憶」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

その意味では映画にこだわるほど過去に囚われるともいえますが、博士と出会う前の私はそんな映画鑑賞さえ楽しめなくなっていました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4406033.html

 

 いわゆるストレスにより、つねに大脳辺縁系優位の状態だったから。エヴァ風にいうと「裏コード ザ・ビースト」な感じですw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 抽象度が低い“煩悩渦巻く現実”に縛り付けられ、映画で描かれる仮想世界に自由にアクセスできなくなっていたのだと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「映画で描かれる仮想世界に自由にアクセスできない」を言い換えると、「臨場感が感じられない」であり、「ホメオスタシスが働かない」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 以下、苫米地博士の著書「洗脳原論」(春秋社)より引用します(p15~)。

 

 

 ♰ホメオスタシス仮説

 ここで、なぜ変性意識下において、仮想世界がリアリティをもって眼前にひろがるのか、そのメカニズムを解く仮説を論じていこう。それは、人間の内外の環境変化に関わらず、生理的性質を一定に保とうとする恒常性機能、ホメオスタシス(homeostasis)と関係があるものと考える。もともとホメオスタシスは、生体と物理的環境の関係におけるフィードバック関係において、気温が上がれば発汗するなどの作用で生体の恒常性を維持し、それにより生体の正常性を保つための、生物の自律的なメカニズムを指す言葉である。しかし、どうやら人間は、脳機能の進化により、本物の外的物理環境ではない、触ることのできない想像上の環境、すなわち仮想的な世界(仮想現実世界)に臨場感を感じ、生体レベルで恒常性維持のフィードバック関係を築くことができるようになったらしい。

 映画を見ていると手に汗を握るのは、まさにこれである。認知科学の用語では内部表現というのだが、記憶や現在の思考、概念などの抽象的情報を含む心的な自我の表現と、これに対応する外部的に自分を取り巻く環境(物理的現実世界もしくは仮想現実世界)とのあいだで、ホメオスタシス・レベルのフィードバック関係を成り立たせる能力が人間にはあるのだ。

 外部からの刺激を、頭のなかのスクリーンに映しだす内部表現は、外的な環境が変化するのに合わせて、みずからの情報内容を刻一刻と更新するわけであるが、たとえ外的な環境が本物の物理環境ではなく、映画や小説などの仮想的な環境であったとしても、一度臨場感のあるフィードバック関係が成立していれば(要するに映画に熱中していれば)、外的な環境における状態変化が生体レベルにまで、フィードバックして影響を与えてしまうのである。たとえそれが現実の物理世界と異なる情報であったとしても、このホメオスタシス・フィードバックの関係において、内部表現が脳内の劇場で与えられた架空の情報を、あたかも本物のように上映すると、観客である認識機能は、それを真の情報だと思いこみ、実際に視覚化してしまう。

 たとえば、何も見えていない状態で、「ここに蓮の花が生えている」という情報をインプットする(外的環境に暗示の言葉などで描写する)と、本当に蓮の花が現われてくる。映画や小説で涙を流してしまう(架空の出来事で、実際に生体が反応する)のも、このためであると説明できる。同様に、催眠状態における幻視、幻覚、幻聴、運動支配、退行といった現象も、情報空間にまでひろがったホメオスタシス機能として説明できるとするのが、ホメオスタシス仮説である。これは、仮想世界に臨場感を感じることができる人間の脳機能の作用を一般的に仮説化したものであるが、同時に「聖痕現象」と呼ばれるような精神側から肉体側への極端な影響が与えられる現象も説明することができる。

 たとえば、術者が「焼けるように熱い」と言いながら、箸を変性意識下にある人の腕にあてると、焼け火箸のように感じて、実際にその箇所が火傷したような状態になる場合がある。あるいは受難の日、イエスが十字架につけられたとき打ちこまれた釘の傷を連想させる瘢痕が手のひらにでき、ときにはそこから血が噴き出す現象が、「聖痕現象」であるが、これも仮想の情報によって、脳が稼働し、肉体に変化をもたらしたものである。

 引用終わり

 

 

 人間は、脳機能の進化により、本物の外的物理環境ではない、触ることのできない想像上の環境、すなわち仮想的な世界(仮想現実世界)に臨場感を感じ、生体レベルで恒常性維持のフィードバック関係を築くことができる

 

冒頭で紹介した言葉でいうと、「強烈につくりたい」「人に影響を与える」「感動させるストーリーテリング」を現実化するのが臨場感。

突き詰めると、「アート」とは高次元の情報場(あの世)へのアクセスであり、「才能」とはそれを高い臨場感のまま物理空間(この世)で表現する能力といえるはず。岡本太郎さん風にいうと、「爆発」がアート、「爆発させる力(覚悟)」が才能です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19033189.html

 

 ポイントは臨場感。

その臨場感は、たとえば映画でいうと、観る人の心に由ります。映画そのもののおもしろさももちろん関係しますが、あくまでも観る人(観察者)の心次第。“おもしろさ”を決めるのは、各人の心であり、臨場感だということです。

F-034~:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268332.html

 

すべてが「臨場感のあるフィードバック関係」次第であり、臨場感が「一人一宇宙」を生みだしている

 

 その理をプリンシプル化したものが、「夢をかなえる方程式 I×V=R」です。

 PM-02-19:夢をかなえる方程式:I×V=R

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

F-245につづく)

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 抽象度が上がると、臨場感が下がります。

 しかし、それは「臨場感についての認識の誤解(by苫米地博士)」w

 詳しくは下記ブログ記事をどうぞ。後半は「STAR WARS」を用いたワークを紹介しています↓

 Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28274321.html

 

 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28683163.html

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-070:「夢をかなえる方程式 I×V=R」のとおり、本当に夢が現実化した一例 ~映画「メジャーリーグ」~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15096276.html

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F-192:「夢をかなえる方程式 I×V=R」実践の秘訣(ワーク付き)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26119647.html

 

 

洗脳原論

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