Q-257:私、立ち直れるかな? <中編;組織~社会の視点で>

 

 医療・介護の現場で働いていると、もちろんうれしいこともありますが、辛く悲しいことが起こります。老病死(+生で四苦)の場だからです。

 医療・介護の現場は、一般の皆さんが思う以上に過酷です。

 PM-04-09:ますます緊張する医療・介護現場の福音となるもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166400.html

 

 先日、医療事故に遭遇しました。そのとき関係者が発した言葉が、「先生、私、立ち直れるかな?」。

 

 セルフトークでいえば「第2段階」がヒーリングからコーチングに移行するとき。そのタイミングでしっかり届けることができるように、「立ち直る」ためのポイントをまとめます。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

前編;個人の視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28693339.html

 中編;組織~社会の視点で

 

 

 ゴールを設定し、その実現を確信していると(エフィカシー)、目の前のすべてがゴール達成のための挑戦に感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 もちろん、「うれしい」「楽しい」ばかりではありません。ショックで打ちひしがれることもあれば、怒りに震えることもあるでしょう。理不尽であればあるほど。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 そんなときに心がけるべきことは、動物的な大脳辺縁系優位から人間的な前頭前野優位にリカバーすること。私はそれをヒーリングだと思っています。

 ヒーリングされた状態でなければコーチングはできません。そして、そのヒーリングのためにはコーチングが有効です。つまり、ヒーリングとコーチングは一体。

 F-237~:「出口が見えない」と「出口戦略」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419486.html

 

 前回は個人の視点でまとめましたが、その知識と実践のメリットは個人レベルにとどまりません。すべては関係で成り立っているのですから当然です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 現代社会はますますコーチングを必要としています。

 その証拠に「私、立ち直れるかな?」を聞いた頃、日本ではこんなニュースが流れていました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html

 

    北海道知床半島で観光船「KAZU1(カズワン)」が沈没(R4.4/23

同じ会社の臨時船長が「知識のない社長が、人任せなのに、ベテラン社員を解雇したことが事故の背景にある」「従業員を大事にしない会社」と証言(北海道放送)

    「無添くら寿司」(山梨県甲府市)の30代店長が店の駐車場で焼身自殺(R4.4/1

 従業員や元従業員の詳細なパワハラ証言が報道されるも、会社側は否定。その後、会社側が遺族を恫喝していたことが報道される(週刊文春)

    熊本秀岳館高校サッカー部コーチが部員を暴行

監督がTVで涙の謝罪を行ったが、その裏で部員を強迫してもみ消しを画策していたことが発覚。さらに部員間での暴行問題も浮上(熊本日日新聞)

 

 

 これらの出来事には共通点があります。それは「不安・恐怖による支配が常態化している」ということ。

 F-035~:クライシス(危機)の本質

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 では、その「不安・恐怖による支配」の根底には何があるのでしょうか?

 

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より引用します(p168)。ぜひ問題の本質について感じてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

 

 ◎現状維持がなぜダメなのか?

 現状維持がダメな理由については第1章でも書きましたが、人は限定合理性で生きているからです。

 限定合理性とは、人は生来的に変化を好む生き物だということです。同じことが続くことを好みません。ですから、お金持ちたちは有り余るほどお金を持っていても、もっとお金が欲しいと思うのです。人は、いまいくらお金を持っているのか、ではなく、いくら増えたのか、減ったのかにしか興味がないのです。

 人は本来、現状維持なんて大嫌いなのです。必ず、一定量の変化、特に増加を好ましく思うのです。

 その一方で、人は危険を避けます。生物として当然の行為で、慣れ親しんだ場所で安穏に暮らしていればそれで問題はないと考えます。

 つまり、人は変化は好きな一方で大きな変化は大嫌いなのです。

 これをいまの世の中に当てはめると、現状の世界がまったく変わらない中で、現状のシステムだけが肥大化していく理由が見えてきます。

 具体的に言えば、現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化が好まれている状態です。つまり、既得権益だけが肥大する社会なのです。

 これで得するのは誰かというと現在の格差社会の頂点に立つごく一部の人間だけです。巨大な資産は巨大な利益を生み、人々の労働で得た利益など比較にもなりません。

 いまの世の中は、富裕層にとってのコンフォートゾーンであり、それがいま全世界的に広がっている状態なのです。それが「現状」です。そこにいたら当然、格差社会と差別社会が広まるに決まっています。

 私たちはここにノーを突きつけなければならないのです。

 ですから、現状の外側にゴールを設定し、現状の外に出る必要があるのです。

 最後に自分のゴールが現状の外のゴールかを判断する簡単な基準を紹介しましょう。それはゴールについて考えた時、怖くなったり、不安になるか、どうかです。もしも不安になれば、これは現状の外のゴールです。

 そして、私たちコーチの仕事はクライアントに不安を作ることです。コーチは人生のあらゆる場面(バランスホイール)で現状の外のゴールを設定する手伝いをします。それは、人生のあらゆる場面に不安を作ることでもあります。つまり、コーチの仕事はカウンセラーとは正反対だということです。

 引用終わり

 

 

 私は、組織や社会にはびこる「不安・恐怖による支配」の根底には、「差別意識」と「煩悩肯定」があると考えています。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

現在のコンフォートゾーンが維持される状態で、少しずつの変化が好まれている状態です。つまり、既得権益だけが肥大する社会

 

 差別意識が「既得権益」を生みだし(強化し)、煩悩肯定が「肥大」を加速化させているのです。いずれにせよ、思考は停止しています。支配する側も、支配される側も。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 だからこそ、コーチングが重要。

 コーチングによって設定するゴールが、エネルギーと想像性/創造性を生みだし、社会にはびこる束縛から自身を解放します。

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 それが自由!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 その自由を手に入れるマインド(意識状態)をつくりあげることが教育の目的です。

ところが、差別と煩悩をむき出しにした既得権益(大人)の「不安・恐怖による支配」が、子どもたちのマインドを蝕みボロボロにしています。

PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ(目次)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

 

 サッカー部員は「不安・恐怖による支配」の被害者です。

 店長も船長も、縁がつながった人たちも皆、「不安・恐怖による支配」の被害者です。

 そして、今、世界中の人々が「格差社会の頂点に立つごく一部の人間」による「不安・恐怖による支配」の被害者になってしまっています。そうとは知らずに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 それは仕組まれたコンフォートゾーン(CZ)にどっぷり嵌ってしまっている状態。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 その証拠に、「コロナ」や「ウクライナ」に異を唱える人は、あからさまに非難され、社会的に抹殺されています。仕組まれたCZの外にいるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html

 

 今こそ自身のCZを疑うとき

今こそCZの外側に新たなゴールを設定するとき

 そして、今こそシンの自由を手に入れるとき

 

 

 次回は「『CZを吟味し、外側に飛び出す』ためのマインド(意識状態)づくり」を取り上げます。お楽しみに。

 

Q-258につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 先日(202251日)、元サッカー日本代表監督のイビチャ・オシム(Ivica Osim)さんがお亡くなりになりました。そのオシムさんの言葉を紹介します。

 

 いまの日本の選手は、なにをやるべきかを周りから決められている。

 ある程度やったら、「次、なにをやるんですか?」と聞いてくる。

 そうじゃなくて、自分で打ち破って進んでいくべきじゃないか?

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第3回目(R4.6/19開催)のテーマは「ゴール」。詳細はこちら↓

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

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