F-240:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>

 

 前回(フリーテーマ)、「revenge」と「avenge」についてまとめました。

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 書きながら感じたのは「希望/hope」の重要性。

 PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 先々月、私は医師としてCOVID-19のクラスターを経験しました。幸い5週間で収束しましたが、その間中「希望/hope」の重要性を痛感していました。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 ところで、クラスターに対処している間によく耳にしたのが、「出口が見えない」と「出口戦略」という言葉。

きっと無意識が「クラスターの“出口”」を模索していたので、重要度が上がり、RASが変化しスコトーマが外れ、認識に上がりやすくなっていたのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 縁起を感じながら、その2つの言葉について考えてみました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

vol.1;ヒーリングとコーチング、それぞれの視点で考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28545704.html

 vol.2;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編前編:カウンセリングとヒーリングの違い>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28576651.html

 vol.3;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編後編;コンフォートゾーン>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28608833.html

 vol.4;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <実践編;レジリエンス>

 

 

 カウンセリングはゴールを設定した時に、厳密にはゴールを設定しようと決意した瞬間に、コーチング&ヒーリングに変わります。

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あとは状況(マインドの状態)により、ヒーリングになったりコーチングになったりしながら、ゴールに向かっていく感じです。

 私は「コーチングのためには、まずはヒーリングが必要」「ヒーリングのためには、じつはコーチングが有効」だと思っています。

 Q-068~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切な

 Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400982.html

 Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14524490.html

 

 いずれにせよ、ヒーリングもコーチングも、「マインドの使い方」であり、「意識状態のコントロール」です。

 

 

 ところで、皆さんは予期せぬトラブルが生じた時、どんな気分になりますか? どのようなリアクションを行いますか?

 

 私が知る多くの方々は、「やばい。どうしよう」(不安・恐怖)、「なんとかしないと」(義務感)、「私のせいだ。申し訳ない」(罪悪感)といったマジメな気分(気持ち)で、精一杯努力しようとされます。いち早く現状復帰(復旧)できるように。

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 でも、頑張れば頑張るほど、その試みはうまくいかなくなります。モチベーションがhave toであり、大脳辺縁系優位に陥りがちだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 そんな時はカウンセリングが役にたちます。不安を解消しながら「ファイト・オア・フライト」を克服することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 レジリエンスでいえば、「② ShockCascading」から「③ Recovery Phase」への移行。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス<ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 F-143:不要不急 vol.4;レジリエンスをコーチング理論で考える<ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22931091.html

 

レジリエンスカーブ(191104バラだん)

「バラいろダンディ」(東京MX2019114日放送回)より引用

 

 

 取り戻した前頭前野の機能を使って無事に現状復帰(復旧)ができることは、もちろん、望ましいことです。ただし、それは元のコンフォートゾーン(CZ)への復帰。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 カウンセリングの場合、ゴールは現状の内側に設定されます(*注意;現状の外側にないものを、本来はゴールとは呼びません)。「現状」とは元々のCZのこと。よって、無事に現状復帰できたら、無意識にとってはゴール達成です。

そのとき不安は解消されるでしょうが、同時にエネルギーと創造力を失います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25090742.html

 

 その結果、いわゆる「幻滅期」に陥るのです。

 F-187:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」との縁で気づいたこと -04;“心の災害”にはレジリエンスで! レジリエンスにはコーチングを !!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25802632.html

 

 

時間の経過と被災者のこころの動き

災害時の「こころのケア」の手引き

東京都保険福祉保健局HP(平成205月)より引用

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamasou/sonota_jouhou/saigaitaisaku.files/saigai.pdf

 

 

 「ゴールを達成する」ことも、「ゴールを失う」ことも、抽象度を上げて考えれば同じ。ともに「ゴールがない」です。ゴールがない=エネルギーがない=創造力がない。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

 幻滅期を防ぐことができ、それどころか「むしろアクシデント前よりよくなる」ことができるのは、ゴールが正しく設定(更新)されている場合のみです。元のCZをはるかに超えた“現状の外”に、しっかりとゴールがあり続ける場合のみ。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 ゴールとは「今のままでは絶対に達成できない新しい可能世界w1」のこと。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 その「w1」=ゴール側のCZをしっかり感じられていれば、予期せぬアクシデントが生じた時には不安とともに“ワクワク”を感じます。「この試練のおかげで、ますますゴールに近づくことができる」という“ワクワク”です。それがコーチングマインド。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/21491283.html

 

 

 正しくゴールを設定できたときの感覚は、「出口が見えない」「どうやったらいいかわからない」が正解。「びびるくらいがちょうどいい」(by苫米地博士)です。

 Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

 

 そんな感覚でありながら、大脳辺縁系優位に陥ることなく、根拠なく「ゴールを達成できる」と確信できる力がエフィカシー。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 現状の外にあるはずのゴールのイメージは(I)、徐々に鮮明になりながら(V)、やがて現実化していきます(R)。それがコーチングの重要なプリンシプル「I×V=R」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ぜひコーチングを学び、どんな逆境も「仮」として楽しめるマインドを手に入れてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

かつての夢はどんどん現実に変わっていきます。

 Q-213~:「ラベリングを夢の中でも行う」ことの意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_414537.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 以下、認知科学者 苫米地英人博士の著書「『感情』の解剖図鑑」(誠文堂新光社)より引用します(p39)。「不満」についての文章ですが、「不安」に置き換えてお読みください。

 「不満」も「不安」も認知的不協和により生じる大脳辺縁系レベルの情動です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 *こちらもどうぞ↓

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 

 自分の現状に対する不満は、「現状の外」にゴールを設定して行動を変えるチャンス

 一方で、自分の現状に対する不満を抱えている人は、不満を解消しようと考えるのではなく、ゴール(夢、目標)を設定してください。

 ただしそのゴールは、誰かの価値観に従ったものではなく、あくまでも、あなたが本当に望むものでなければなりません。「欲しいもの」「やりたいこと」が見つかったら、それが自分の心から出てきたものなのか、他人の言葉や情報に影響されていないか、慎重に吟味しましょう。

 また、ゴールは必ず「現状の外側」に設定してください。現状の内側にゴールを設定している限り、現状維持の未来しかやってこないからです。

 「現状」には「現在の状況の延長線上にあるもの」「現状を変えなければ、起こり得るもの」も含まれます。たとえば「5年後に課長になる」「30年後に、この会社の社長になる」といったゴールは、その会社で働いている限り、たとえ可能性が低くても起こり得るので、「現状の内側のゴール」ということになります。

 しかし、本を出したこともなく、農業をしたこともない会社員が「作家になって、ミリオンセラーを出したい」「畑を持ち、自分で作った野菜を全国に届けたい」と考えれば、それは「現状の外側のゴール」といえるでしょう。

 ゴールを設定したら、たとえば「自分は作家としてベストセラーを何冊も出し、多くの読者から感謝され、充実した日々を送っている」などと紙に書いて毎日唱え、ゴールが達成された様子を、できるだけリアルにイメージします。

 人間の脳には、臨場感が高いものを現実と思い込み、そこに自分の意識や行動を合わせようとする性質があります。現状の外にゴールを設定すれば、自然と行動が変わり、いつしか不満だらけだった状態から抜け出している自分に気がつくはずです。

 

 

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 2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。

メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~ReloadRevolution」。詳細はこちらでどうぞ↓

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 第3回目(R4.6/19開催予定)のテーマは「ゴール」。詳細は後日、このブログにてお知らせいたします。

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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