F-239:「出口が見えない」と「出口戦略」 vol.3;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編後編;コンフォートゾーン>

 

 前回(フリーテーマ)、「revenge」と「avenge」についてまとめました。

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 書きながら感じたのは「希望/hope」の重要性。

 PM-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html

 

 先々月、私は医師としてCOVID-19のクラスターを経験しました。幸い5週間で収束しましたが、その間中「希望/hope」の重要性を痛感していました。

 F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html

 

 ところで、クラスターに対処している間によく耳にしたのが、「出口が見えない」と「出口戦略」という言葉。

きっと無意識が「クラスターの“出口”」を模索していたので、重要度が上がり、RASが変化しスコトーマが外れ、認識に上がりやすくなっていたのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 縁起を感じながら、その2つの言葉について考えてみました。

 

vol.1;ヒーリングとコーチング、それぞれの視点で考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28545704.html

 vol.2;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編前編:カウンセリングとヒーリングの違い>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28576651.html

 vol.3;ヒーリングとコーチングのLUBで考える <理論編後編;コンフォートゾーン>

 

 

 コーチングとヒーリングを抽象度を上げて考えると、ともに「マインドの使い方」であり、「意識状態のコントロール」。

 L-05620208月シークレット… -02;「〇〇〇〇」でゴールの世界に誘う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28037699.html

 

 より高次の抽象度次元に向かうための「使い方」であり、「コントロール」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 コンフォートゾーン(CZ)を用いて考えてみましょう。CZとは「人が緊張せずにいられる物理的または精神的に限定された範囲」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 それはセルフイメージにより決められる「ホメオスタシス(恒常性維持機能)が働く縁起空間=自我」とみることもできます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 *「縁起」「自我」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 CZから外れるとストレスが生じ、心身とも緊張します。緊張の根底には恐怖や不安があり、扁桃体(大脳辺縁系)が活性化して感情を増幅する一方で、前頭前野の働きが抑えられIQが低下します。「ファイト・オア・フライト」の状態です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

  

 前回(F-238)取り上げたカウンセリングは「現在の悩みを解決する」もの。悩みはいろいろありますが、すべてに共通しているのは「CZから外れている」こと。案外、それがメインだったりします(inhelensy)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html

 

よって、元のCZに戻ることが解決になります。それが「ゴールは現状の内側に設定する」という意味。これまでのCZに復帰することができれば、不安は解消し、前頭前野優位にリカバーすることができます。

 

 *注意;本来は「現状の外」ではないものをゴールとは呼びません↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 対してヒーリングは「コーチングによってつくった不安をコントロールする」こと。苫米地博士のバラダンでの講義を参考にすると、現状のCZw」から飛び出し、ゴール側のCZw1」に向かっている状態での不安や恐怖のコントロールです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 アファメーションやビジュアライゼーションを用いてゴール側のCZw1」の臨場感を強化すると、「w1」に向かってホメオスタシスフィードバックが働くようになります。

 アファメーションやビジュアライゼーション、あるいはセルフトークのコントロールといったことは、前頭前野優位でなければうまくできません。そのためにしっかり不安・恐怖(&不満や怒り)をコントロールすることが、私の考えるヒーリング。

 (詳しくはこちらをどうぞ↓)

 F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html

 

 カウンセリングはゴールを設定した時に、厳密にはゴールを設定しようと決意した瞬間に、コーチング&ヒーリングに変わります。あとは状況(マインドの状態)により、ヒーリングになったりコーチングになったりしながら、ゴールに向かっていく感じです。

 私は「コーチングのためには、まずはヒーリングが必要」「ヒーリングのためには、じつはコーチングが有効」だと思っています。

 Q-068~:認知的不協和の状態にあり頭痛が続いています。適切な

 Vol.5;ヒーリングとコーチングの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14400982.html

 Vol.6;セルフヒーリングとセルフコーチングのコツ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14524490.html

 

 いずれにせよ、ヒーリングもコーチングも、「マインドの使い方」であり、「意識状態のコントロール」。次回、より実践的にお話しします。

  

 最後に、コンフォートゾーンに関する問いかけを、「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZO)より引用します。苫米地博士が放たれる“気”を受け取ってください。


  

 ◎コンフォートゾーンは本当に良いものなのだろうか?

 第5章ではコンフォートゾーンの話をしましょう。

 コンフォートゾーンの意味は読んで字のごとく、自分にとって居心地のいい空間のことです。

 しかし、本当のコンフォートゾーンは良いところなのでしょうか?

 人間は物理空間であれ、情報空間であれ、コンフォートゾーンを維持しようとする性質があります。それが恒常性維持機能=ホメオスタシスと呼ばれるもので、代表的なものが「激しく運動した際に汗が出ること」です。ホメオスタシスは汗を流すことで、体温の恒常性を維持しようとしているわけです。

 これは情報空間も同じで、映画を見ているだけなのに驚いて声をあげてしまったり、恐怖で鳥肌が立ってしまったり、感動して涙が出てしまったりします。

 このようにホメオスタシスは情報空間でも恒常性を維持し続けます。

 この恒常性ですが、通常は私たちにとって良い働きをします。心身のバランスがいつもとは違う状態に崩れた時には自然に元に戻してくれます。

 しかし、ホメオスタシスは良いことばかりではありません。恒常性維持機能という名の通り、ホメオスタシスはいつも通りの状態を良しとします。それが情報空間にも働くということは、私たちの情報空間も恒常性を維持しようとするわけです。要は現状維持を常とするように働くのがホメオスタシスということになります。つまり、新しいことや新しい人があなたの情報空間の中に入ってくると排斥するような働きを自然にしてしまうのがホメオスタシスでもあるのです。

 このホメオスタシスの働きが十分に効果を発揮している空間のことをコンフォートゾーンというわけです。居心地の良い反面、多くの人が悪意を持ってあなたに近づいてきたのであれば警戒し、さらには排斥するのも当然でしょう。

 ところが、いい人か、悪い人かもわからない段階でも、単に見知らぬ人というだけでホメオスタシスは警報を鳴らし、防御態勢を取ろうとします。

 例えば、いつもの友人たちだけで行動している時に見知らぬ人間が一人でも入ってくるとチームの和は乱れます。もちろん、子供ではないのですから、ただちに排斥するようなことはしないでしょうが、その人がどういう人なのか、自分たちとうまくやっていけそうかどうかの様子見はするでしょう。その様子見の間はこれまで通りのコンフォートゾーンではありません。結果的に良い人だったとしても、人は新しい刺激に対して注意深くなるものなのです。

 私たちはコンフォートゾーンと聞くとどうしても過ごしやすい、良い空間だと思いがちですが、その一方でとても排他的でもあるということです。

 コンフォートゾーンを考える時、こういったコンフォートゾーンの特性をよく理解することが大切になってきます。

 そして、これがわかると一つの疑問が湧いてくるはずです。

 「果たしてコンフォートゾーンは本当に良いものなのだろうか?」と。

 引用終わり(続きは「オーセンティック・コーチング」p.140~でどうぞ)

 

F-240につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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 第2回目のテーマは「コンフォートゾーン」です↓

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