F-235:自由訳「revenge」と「avenge」 vol.2;「re」と「a」の記憶
ある縁をきっかけに、「revenge」と「avenge」について思い巡らしました。
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それは私にとって切実なテーマ。今も理不尽な体験の記憶がよみがえるからです。そのたびに“復讐”という言葉が頭をよぎります。
(その“理不尽な体験”からの学びはこちら↓)
PMⅠ-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)
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きっと誰もが決して許すことのできない思いを抱えているはず。イヤな記憶にべったり張り付く情動とうまく向き合うことができなければ、自分自身はもちろん、大切な人たちまで苦しめ続けることになります。SW風に表現するとダークサイドです。
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ゴールに向かって自由に気楽に生き続けるために、「revenge」と「avenge」について考えてみました。
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vol.1;「re」と「a」の違い
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vol.2;「re」と「a」の記憶
「avenge」は「空復讐」と表現できるはず。「復讐といえるが、復讐ではないともいえる」「復讐とはいえないが、復讐ではないともいえない」といった感じです。「復讐を超えた復讐」ともいえるでしょうか。
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そのようなことをイメージしていたら、空観の「avenge」が導く超情報場に触れた気がしました。
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今回は「そのようなことをイメージしていたら…」の部分を掘り下げます。
私の場合、「revenge」「avenge」という言葉(トリガー)によって引っ張り出される意識状態や記憶(アンカー)の多くが映画にまつわるもの。気楽に読んでくださいw
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まずは大学生活をエンジョイしている時(1990年)に公開された「Revenge(邦題:リベンジ)」から。トニー・スコット監督、ケビン・コスナー(Kevin Costner、1955~)主演の映画です。
簡単に内容を紹介すると、アメリカ海軍を退役した主人公(ケビン・コスナー)が、かつての上官を訪ね、若い上官の妻(マデリーン・ストウ)と不倫する
…というもの。怒った上官に半殺しにされた主人公の復讐が描かれています。
当時の私はまったく共感することができませんでした。ブリーフシステムが強烈にはじき出す感じです(認知的不協和)。
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*共感について、詳しくはこちら↓
Q-169~:自身の信念を失いそうです
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前回お伝えしたとおり、「revenge」は「自分に焦点をあてた心情」で行われる復讐です。映画で描かれていたのは動物的な私憤。まさに「revenge」だったといえます。
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次の「revenge」は2005年。壮大な物語が描かれた偉大なシリーズの完結編です。その映画とは?
…そう、「Star Wars:Episode Ⅲ-Revenge of the Sith」!
数千年にわたってジェダイ(Jedi Order)と敵対関係にあったシス(Sith Order)は、そのブリーフが私憤レベルであるがゆえに弱体化し、ついにジェダイに滅ぼされました。
それから1000年後の復讐劇。ダース・シディアスの視点でみても30年以上の長い年月をかけた綿密な復讐の集大成が描かれています。
最近もシリーズ全体を観なおしましたが、どうも腑に落ちません。結局、シディアスは何がしたかったのでしょう?
…ダークサイドがすべてをスコトーマに隠したともいえますが、シンのゴールがないからいつまで経ってもダークサイドであり、「revenge」のままだったといえます。
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ちなみに、Epi.Ⅲの23年後を描いた「Star Wars:Episode Ⅵ-Return
of the Jedi」(1983年)で、シディアスはこのような発言をしました。
おまえもすぐに私のよさがわかるようになる
…この言葉に滲み出ているのは“絶対性”。それは空が抜け落ちた実観(じつがん)の表出です。
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その実観が争いと差別を生みだします。
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ところで、「Return of the Jedi」が公開された時の邦題は「ジェダイの復讐」でした。1997年に特別篇が公開されたときも「復讐」のまま。2000年夏にファンによる改題署名運動が行われたのですが、それでも「復讐」というタイトルは変わりませんでした。
ところが、2004年にDVD BOXが発売されたときには、直訳である「ジェダイの帰還」に変更されていました。見事なアサンプションアップデートです。
(さらにオタクな話を追記でw)
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ジェダイとシスの抽象度の違いを考えると、確かにジェダイに「revenge/復讐」は似合いません。「もっと広く他者を想うような心の働きからの『公共の正義』に基づいた行為」を指す「avenge」の方が適切でしょう。「正義」という表現は×ですけど。
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「avenge」という言葉を知ったのも、じつは映画が御縁。その映画とは「The Avengers」…といっても、あの「アベンジャーズ」ではなく、レイフ・ファインズやユマ・サーマンが出演した方。イギリスで1960年代に制作されたTVシリーズ「おしゃれ㊙探偵」の映画版です(1998年)。
2012年、あの「アベンジャーズ」、「Marvel’s The
Avengers(邦題:アベンジャーズ)」が公開されました。
多種多様なキャラクターが同一の世界観に存在するMCU(Marvel Cinematic Universe)のテーマは、「もっと広く他者を想うような心の働きからの『公共の正義』に基づいた行為」である「avenge」。
逡巡するヒーローやヒロインたちは、「avenge」の意味や「正義」の定義を巡って、「Captain America:Civil War」(2016年)で決別し、「Avengers:Infinity War」(2018年)を経て「Avengers:Endgame」(2019年)で再集結します(assemble!)。
その過程が丸ごと「avenge」として描かれています。
様々な可能世界がゲシュタルトとして存在し、ときに傷つけあい、ときに支えあいながら、より大きなゲシュタルトに統合されていく
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…そんな感覚を楽しく学ぶことができ、しかも感動してしまう珠玉のシリーズです。
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映画からの学びと感動はバランスホイールの他のカテゴリにもひろがっていき、人生全体をますます豊かにしていくはずです(Total Well-being)。
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*Total Well-beingについてはこちら↓
F-176~:“幸福(well-being)”とは?「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html
MCUの最新作(28作目)は「Doctor
Strange in the Multiverse of Madness」。日本では2022年5月4日に米国に先駆けて公開されます。
そういえば認知科学者
苫米地英人博士は、前作「Doctor Strange」(2016年、MCUとしては14作目)を絶賛されていました。「I×V=R」がしっかり感じられる作りだったから。
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苫米地博士のバラダンでの講義から引用すると、コーチングの目的は「一人ひとりの自我が生みだしている可能世界wから、ゴール設定により新たにうみだすw1への移行」。
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wやw1はまさにmultiverseといえます。新作はコーチングがますます上手くなるきっかけになるかもしれません。
(「苫米地博士の講義」はこちら↓)
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
次回は「revenge」と「avenge」について思い巡らすことになったきっかけを取り上げます。そのきっかけとは、「The Batman」(2022年)。
「revenge」と「avenge」を1つ上の抽象度で統合している名作です。
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(F-236につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
じつは「Epi.Ⅵ:Return
of the Jedi」の最初の副題は「Revenge of the Jedi」でした。
同じ時期にパラマウント社が劇場版「Star Trek」第2弾の副題「Vengeance of
Khan」を発表すると、類似していることを理由にルーカスフィルムから猛烈な抗議を受けたそうです。その結果、パラマウント社は副題を「The Wrath of Khan」に変更しました。
ところが、公開直前にもかかわらず、「高潔なジェダイに『revenge』は似合わない」と気づいたジョージ・ルーカス(George Walton
Lucas Jr.、1944~)は、副題をあっさり「Return
of the Jedi」に変更してしまいます。STの副題を強引に変更させたのにもかかわらず。まったく見事なアサンプションアップデートです。
ちなみに、日本では「すでに認知されている」「関連商品生産ずみ」「復讐の方がインパクトが強い」といった理由で、改題されずに「ジェダイの復讐」のまま公開されました。
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これらのエピソードには「コンフォートゾーン」に関する重要なポイントが感じられます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
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-追記2-
映画「Star Trek」は2009年にJ・J・エイブラムスによってリブートされました(エイブラムスはその後「Star Wars」の続編づくりにも取り組んでいます)。
そのリブート版第2作「Star Trek Into Darkness」(2013年)では、「Doctor Strange」で主役を演じるベネディクト・カンバーバッチが“重要な役どころ”で出演しています。
いろいろなdotsが複雑かつダイナミックに絡み合う縁起を感じながら鑑賞すると、もっともっと深く味わえるのが映画。まるで人生の縮図、まさにmultiverseといえます。
-告知1-
2022年度のオンラインセミナー(全12回)を企画しました。
メインテーマは「夢が勝手にかなうマインドセット(“Matrix”)の構築 ~Reload&Revolution~」。詳細はこちらでどうぞ↓
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第2回目のテーマは「コンフォートゾーン」です。間もなく募集を開始します。
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-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
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Dreams
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F-206~:マトリックス/Matrix
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Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html
Wikipediaより引用
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