F-2313錠じゃないと飲まん! <前編:排中律>

 

 先日、縁深い人から、私のブリーフシステム(BS)について鋭い御指摘をいただきました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 0100かで極端だよねw

 

 その時、まず思い出したのが、長渕剛さんが「花びらの色は白か黒かのどっちかだ~」と歌う「勇気の花」。桜島オールナイトライブ(2004年)の1曲目だったので、あの夜の熱狂が鮮やかによみがえりました(トリガー&アンカー)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 続いて思い出したのが認知科学者 苫米地英人博士に教えていただいた「排中律(はいちゅうりつ)」という概念。それは「任意の命題に対して、それが成り立つか、成り立たないかいずれか一方であって、その中間はないことを述べた論理学の法則」です(日本大百科全書より)。

 苫米地博士の書籍でいうと、「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZO)内に記載があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13076426.html

 

 「中間はない」という発想の根底には「完全性」があります。それは単調論理であり、不完全性定理や不確定性原理以前の西洋哲学の世界観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 「不完全性」が証明された現代は非単調論理。縁起で代表される釈迦哲学がベースです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 先程の例えでいうと、「花びらの色は無限にあるともいえるし、ないともいえる」という感じ。「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 もちろん、苫米地理論は縁起ベースです。

 PM-01~:苫米地理論とは? ~抽象度と超情報場仮説(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12893266.html

 

そして、コーチングを上手く行うためには、縁起の理解と実践が欠かせません。そうでないと「可能世界w1」を見いだせないから。

(詳しくはこちらでどうぞ↓)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 0100かで極端だよねw

 

 そんな御指摘をいただいたとき、「やれやれ、苫米地式認定コーチとしてまだまだだな~」というセルフトークをしてしまいました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

すぐに「私らしくない。次は〇〇している」とReplacement

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27729316.html

 

さらに止観瞑想を行い、しばらくの間、私の「BS=自我=関数p(←上記リンク記事『F-222』内に解説あり)」を生みだしている刷り込みや価値観を観察しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 *止観瞑想はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 コーチングを学び始めた頃の私ならきっと、「BS=自我=関数p」の再定義に取り組んだはずです。「苫米地式認定コーチにふさわしい私」を求めながら。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 だけど、それはNG。「関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す」ことが本物のコーチングです。

 つまり、取り組むべきはゴール設定(更新)!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 すかさず私は新たなゴールを設定しました。もちろん、気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 その結果として、「関数pの再定義」が起こり、RASが変化し、スコトーマが外れたのでしょう

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 医師として働く現場でさっそく「排中律」を見つけました。「3錠じゃないと飲まん!」と拒薬する高齢男性患者さんの思考です。

 (以下、プライバシー保護の観点で変更を加えています)

 

 簡潔に説明すると、ある内服薬を「2錠ではなく、3錠にしろ」と主張するのです(claim)。その根拠(warrant)や事実(data)ははっきりしませんでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

おそらく、なんらかの情動体験が張り付いています。それは身体的苦痛や心理・精神的苦痛を伴った失敗の記憶でしょう。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 思いどおりにいかなかった患者さんは「3錠じゃないと飲まん!」と怒りだし、1錠さえも内服しなくなりました。その結果、身体的苦痛がさらに強まるかもしれないのに。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24553696.html

 

 これは典型的な「ファイト・オア・フライト」。大声をだしながら威嚇し(fight)、治療を拒否してしまっています(flight)。

この大脳辺縁系優位の状態を今回のテーマと重ねると、短絡的な「fightか? flightか?」の排中律といえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 薬はもちろんのこと、すべてに「良い面」と「悪い面」があります。この世は(あの世も)不完全であり非単調なのだから。だからこそ「本当に解決できるのか?(solvency)」や「かえって不都合が生じるのではないか?(disadvantage)」などを多角的に吟味しなければなりません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

 このケースの場合、「2(錠)が3(錠)になる」ことでかえって身体的苦痛が強まる可能性がありました。医学的判断としての最適はやはり「2」。

 その判断に不満を持つことは否定しません。患者さんの自由ですし、そもそも世界自体が不完全だから。真実となりえる可能性は無限にあり、どれを真実に選ぶかは各自のフリーゴールによるべきです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

とはいうものの、やはり「20にする」という判断は受け入れられません。身体的苦痛が強まる未来は患者さんのゴール側の世界(w1)ではないはずだから。知識不足によりスコトーマが生じている患者さんは、起こりうる未来を正しく認識できていません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

意識をゴール側に導きながらスコトーマを外していくというサポートは、コーチ兼医師としての私の責任だと思っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958864.html

 

 仮に患者さんが訴えるとおりに「23にする」場合、患者さんの認知的不協和は解消し、心理的苦痛は軽減するでしょう。思いどおりであり、「理不尽度」が下がるから。

 S-04-06~07:心に深い傷を負う理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22746255.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22817135.html

 

 しかしながら、その心理的苦痛の軽減はたいして続かないはずです。「23にする」ことで身体的苦痛が悪化してしまったら、やがては心理的苦痛も増強してしまいます。前よりもひどく。

 体と心、脳と心はそもそも同じもの。「体と心」「脳と心」でひとつです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24575354.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24617501.html

 

 

 23にしろ。さもなければ20にする

 

 この発想に潜む問題(課題)とはどのようなものでしょうか? その問題(課題)を解決するためにはどうすればいいでしょうか?

 

F-232につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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一緒に楽しみましょう!

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