F-230:ゼロトラスト 後編;wBSp;ゼロトラスト」から「w1;ベーシックトラスト」へ

 

 今回のテーマは「ゼロトラスト」。

 「ゼロ」は「0」、「トラスト」は信頼を意味する「trust」で、「完全に守ることは不可能という認識」のこと。「過信しない」というレジリエンスの大原則です。

 F-142:不要不急 vol.3;レジリエンス <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22878502.html

 

 リスクマネジメントをテーマとした研修や講演会等で「ゼロトラスト」の話をすると、「信用がないとチームは機能しない(=ディスアドバンテージ)」「お互いに信頼するから困難を乗り越えられる(=ソルベンシー)」といった反対意見をいただくことがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935992.html

 

 「ゼロトラスト」、すなわち「過信しない」というレジリエンスの大原則と、「信用・信頼が大切」という現場の認識は矛盾していません。教育の重要なポイントである「ベーシックトラスト」とも矛盾しません。その理由は?

 さらに、その理解と実践はコーチングの成否に大きく関係します。なぜでしょうか?

 

 前編;民無信不立

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28170711.html

 中編;「ゼロトラスト」はマネジメントの心がまえ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28231758.html

 後編;wBSp;ゼロトラスト」から「w1;ベーシックトラスト」へ

 

「ゼロトラスト」「過信しない」というレジリエンスの大原則と「信用・信頼が大切」の「信」や「ベーシックトラスト」が矛盾しない理由は「そもそも抽象度が違う」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

レジリエンスの大原則である「ゼロトラスト」は低い抽象度次元でのマネジメントの話です。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの役割と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

 

一方、「信」は高次の抽象度次元に存在する何らかの概念(ゲシュタルト)に対する確信のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 つまり、高次の抽象度ほど「ベーシックトラスト」が重要で、低次の抽象度ほど「ゼロトラスト」が必要だということです。

 

 この関係をしっかり理解した上で実践し続けることは、コーチングの成否に大きく関係します。そのことを認知科学者 苫米地博士のバラだんでの講義(20211213日放送)と重ね合わせながら考えてみましょう。

 (講義を未視聴の方は、先に御確認ください。下記ブログ記事中にリンクがあります↓)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

211213バラだん04

「バラいろダンディ」(TOKYO MX

20211213日放送回より引用

 

 

 「可能世界w」とは「一人ひとりの臨場感世界」のこと。

私たちは同じ世界に生きていると思いがちですが、それは共同幻想。目の前の世界は各自のマインドがダイナミックに生みだす「一人一宇宙」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823843.html

 

 その「臨場感世界=一宇宙」を生みだしているものが「ブリーフシステム(BS)」。それを苫米地博士は「w∀y∃xp(x,y)}x,y∈宇宙」と形式化されています。

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 そして、その式の中の「p」、すなわち「『xyより重要』を定義する関数」が「自我」であるとされています。例えば、お母さんさんとペットボトルのどちらが重要ということを決める重要度関数(評価関数)が「p」であり「自我」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 ここまでをまとめると「wBSp」。

 その「wBSp」は、通常は他人からの刷り込みや社会の価値観により構築されています。時間でいえば過去です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 対して「別の可能世界w1」とは未来のこと。1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外にゴールを設定することで自ら生みだす新たな一宇宙です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールをしっかり設定すれば、「wBSp」よりも「w1」の方が抽象度が高くなります。前回(F-229)考察したとおり、高次の抽象度ほど「ベーシックトラスト」、低次の抽象度は「ゼロトラスト」です。

 

 わかりやすいようにセルフトークにすると、「未来(w1)はもっともっとすばらしい」とゴール側の世界とその世界を生みだす自分を確信し続け(=ベーシックトラスト)、「私(wBSp)はまだまだこんなもんじゃない」と現状には満足しない感じ(=ゼロトラスト)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

表現をかえると、現在の世界や現状の自分(wBSp)というコンフォートゾーン(CZ)に安住しないことがゼロトラストであるといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

「現在の世界や現状の自分(wBSp)」がかつての夢や理想であるほど、新たな「w1」に移行することは困難になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ホメオスタシスが現状(wBSp)を維持するように強力に働くからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから、成功すればするほど、さらにコーチングが必要になります。

 CZが生みだす現状維持の壁を打ち破り、もっとクリアな世界を生みだしながら、縁起としての共同幻想をますます豊かにしていくために、さらにコーチングを学び実践し続けるのです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 コーチングにはパワーがあります。

各人のマインドにまだまだ眠っているエネルギーとクリエイティビティを解放するというパワー

 

それらが一体となったものが縁起力であるはず。

 

縁起力の結集によりさらなるw1が生みだされ続ける先に「戦争と差別のない世界」があり、さらには「戦争と差別という概念さえない世界」がひろがっている

 

 それが苫米地博士に学んでいる私の「w1」であり、「ベーシックトラスト」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 高次だからといって完全な「信」はNG。それでは思考停止です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 抽象度宇宙のトップは空。その空は固定的な点ではありません。だから、志向しながら思考し続ける!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 ,,,「洗脳論語」を読んだ後、「民無信不立」という言葉に向き合いながら、そのようなことを考えました。

 

 

-告知-

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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