F-227:ジョコビッチのwp

 

 今回のタイトルは「ジョコビッチのwp」。

 

 「w」とは可能世界(possible world)のこと。それは各人の心の内にひろがる臨場感世界であり、自我宇宙のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 「p」とは宇宙を何らかの基準で並べ替える関数のこと。一言でいうと自我です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界wから別のw1への移行を促します。詳しくは認知科学者 苫米地英人博士の講義動画で確認されてください(下記ブログ記事内にリンクがあります)。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「ジョコビッチ」とは、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ(Novak Dokovic1987年~)のこと。グランドスラム優勝は歴代1位タイの20回で(*追記3で解説)、世界ランキング1位通算在位は歴代1位の346週。名実ともにテニス史上No.1のプレーヤーです

 

Novak_Djoković_Trophy_Wimbledon_2019(Wikipedia)

2019年、ウィンブルドン

Wikipediaより引用

 

 と、通のように書きましたが、じつは、テニスのことはまったく知りません。

最近、「ジョコビッチ反撃のノロシ!『精神的苦痛受けた』5億円の損害賠償求め豪政府を提訴へ」という記事を目にしたときも、ぼんやりと「あの個性派俳優がなぜ?」と思ったくらいです。

(それはマルコヴィッチ。冗談です)

 

 そのジョコビッチは新型コロナウイルスに対するワクチン接種に慎重な立場を取っているそう。接種義務化に反対を表明し、自身のワクチン接種については公表していません。

 そんな言動の根底には何らかのブリーフがあります。「情動を伴った体験の記憶」や「抽象化された情報の記憶」によりつくられる価値観や信念といえるものです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ジョコビッチは、2022年の全豪オープンに参加するため、同1/5にオーストラリアに到着しました。当局より「ワクチン接種義務が免除された」と説明されていたそうです。

 ところが、厳しい渡航制限下のオーストラリア国内で特権だと批判が湧き起こったせいなのか、突然入国を拒否されてしまいます。すでに到着しているのに。

 裁判所命令によりいったんは入国が許可されますが、結局豪州当局からビザを取り消され国外退去処分となりました。

 その後、「精神的苦痛を受けたとして豪政府に対し、約5億円の損害賠償を求めて同国連邦裁判所に提訴する」ことが報道されています。

 

 私が感心したのは「約5億円の損害賠償」という主張(claim)の根拠(warrant)。一体どんなものだと思いますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 答えは「優勝賞金約35000万円+精神的苦痛の賠償」。

 そう、優勝することが前提なのです。これは「優勝して当然」「私は世界No.1のプレーヤーだ」というセルフイメージ。そのイメージはゴール達成の確信、すなわちエフィカシーが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 表現をかえると「自分の潜在能力(I)に対する高い臨場感(V)」。その「I×V」が史上No.1という現実(R)をうみだしてきたのでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

おそらく「夢をかなえる方程式」を体得しているはず。本物のコーチと縁がつながっているに違いありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 感心する一方で、気になる点もあります。

 

 それは「精神的苦痛を受けた」という表現。

史上No.1の選手が本当に傷ついているなら(p)、ちょっとがっかりです。私がコーチなら、「あなたらしくない」と声掛けをしながら、エモーションコントロールを教えるでしょう。

F-094~:私はイヤなことは心の中で握りつぶす

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_375251.html

 

「精神的苦痛はよくない」「落ち込んではいけない」といいたいのではありません。「精神的苦痛をコントロールできない(しない)ことはあなたらしくない」と伝えたいのです。コントロール下であれば、落ち込んでいても全然かまいません。

コントロールとは「自分の自由意思(&責任)で選択する」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958864.html

 

 本物のコーチがついているなら、いつまでも精神的苦痛を感じたり落ち込んだりすることはありません。なぜなら、コーチングマインドには必ずゴールが存在するから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 物理空間での身体的苦痛と違って、情報空間上(心)のバグといえる精神的苦痛は完全に自分次第。自身のマインド次第です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 1)心から望み、2)自分中心を捨て、3)現状の外に設定したゴールを持つ者にとって、「精神的苦痛を受けた」「落ち込んだ」はすでに(すぐに)過去の話。どんどん遠ざかる過去に拘泥するのではなく、自然と未来(ゴール)にフォーカスし続けます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 ただし、ゴール達成の阻害要因になるのなら(可能性が少しでもあれば)、リスクマネジメントとして「精神的苦痛を受けたとして提訴する」はあり。

それは前頭前野背外側野をフル活用する論理的な対応です。おまけとして「ファイト・オア・フライト」を防ぐ(すぐにリカバーする)ことができます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 *「論理的な対応」の詳細はこちら↓

 S-01~:よりよい“議論”のために(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11613757.html

 

 コーチングマインドを発揮した理想的な対応は、「精神的苦痛や情動をゴールと統合する」こと(connect the dots)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 その統合は、抽象度を上げながら、「情動レベルの私憤」を「社会的情動あるいは感性レベルの公憤」にブーストしていくことを可能にします。

 PM-06-11:仮説06)二つの怒りとその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それはEvolution。関数pの革新的進化です。

 ここで忘れてはならないのは、コーチングは、「pの再定義」ではなく、「可能世界wから別のw1への移行を促す」ということ。ゴール設定で新たな「w1」を生みだすことがブーストであり、「関数pの革新的進化」はその結果です。

 Q-117:「コーチングは変わるためにあるものではない」の真意とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20576958.html

 

 「ww1への移行」により、結果として「pの再定義」が起こり、そのプロセスが縁起宇宙にひろがっていきます。それがRevolution

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

その関係はゲシュタルトであるはず。部分であるEvolutionと全体であるRevolutionが双方向性をもって成り立ち、1つの統合的意味を持っているゲシュタルトです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

 さて、「ジョコビッチ反撃のノロシ!」の先にあるw1とはどんな世界なのでしょう。

 騒動の原因について同じブリーフ(おそらくゴールも)を持つ者として、しっかり見守りたいと思います。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 そんな言動の根底には何らかのブリーフがあります。「情動を伴った体験の記憶」や「抽象化された情報の記憶」によりつくられる価値観や信念といえるものです

 

 じつはもう1つ気になる点があります。

英大衆紙サン(電子版)によれば、ジョコビッチの母・ディアナさんが「現地滞在中に隔離されたホテル(の部屋)はノミやウジ虫でいっぱいだった。息子は囚人のように扱われた」と訴えているそうです。

Q-097:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_376974.html

 

 

-追記2

 「内村航平、離婚トラブルに『嫁姑問題』も関係 名物ママの深い息子愛」

 ちょうど追記1を書いている時に、私のRASが拾い上げた見出しです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 

-追記3

「ジョコビッチ」とは、テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ(Novak Dokovic1987年~)のこと。グランドスラム優勝は歴代1位タイの20回で、世界ランキング1位通算在位は歴代1位の346週。名実ともにテニス史上No.1のプレーヤーです

 

 これは原稿執筆時の話。ジョコビッチが出場できなかった大会は、スペインのラファエル・ナダル(Rafael Nadal Parera1986年~)が優勝しました。その結果、グランドスラム優勝回数を21回とし、単独1位に躍り出ました。

 

 縁起宇宙は果てしなくひろがり、ダイナミックに変化しています。その理「無常」をあらためて実感しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 

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