F-225:Don’t look
back in anger
若い頃の私は、「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていました。あの頃の私へ、そして同じような境遇の若者へ、コーチとして心(気)を込めて書きました↓
F-217~:不安と不満のはざまで苦しんでいる君へ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_416096.html
その執筆が縁になったのでしょう。忘れていた記憶がよみがえりました。1つは冷たく悲しい体験の記憶、もうひとつは心温まる思い出です。
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まずは悲しい方を紹介します。イギリスのロックバンド OASISの「Don’t look back in anger」を聞くたびに思い出す記憶です。
(個人情報保護の観点で、詳細を変更しています)
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小柄な70代女性との出会いは救急車でした。
運び込まれた際にはとても状態が悪かったのですが、幸い少しずつ回復していきました。
入院中は夫と娘さんが毎日のように見舞いに来られ、一緒にリハビリを行ったりしていました。自宅退院後は夫と一緒に定期的に通院してくださいました。
ある日、体調不良を訴えた患者さんがまた救急車で運び込まれました。家族が席を外している間に、女性は涙ぐみながら心の内を吐露されました。
毎日のように娘に責められて辛い。もう耐えられない…
詳しく話を伺うと、娘さんの希望を断念させたことがあるらしいのです。何十年も前に。娘の身を案じて。
何かあるたびにそのことを持ち出され、「仕事でつまずくのは〇〇をさせてもらえなかったからだ」「人間関係がうまくいかないのは〇〇をあきらめさせられたせいだ」と泣き叫ぶらしいのです。ときには暴力をふるいながら。
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それからしばらくして、女性の容体が悪化。再び運び込まれたときには、うなされるように繰り返していました。「もう死にたい」と。
そして、そのセルフトークのとおり、女性はお亡くなりになりました。とても残念ですが、それも「I×V=R」です。
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…じつは、女性の体調悪化の理由ははっきりしないままでした。大きな病院で精査されていたのですが、たいした異常は見つからず、原因不明とされていました。つまり、“健康”だったのです。西洋医学の見地では。
(WHO的には健康ではありません。WHO版健康の定義とその課題はこちら↓)
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「情報空間では確かに異常があるが(機能的問題あり)、物理空間でははっきりしない(器質的異常なし)」という感じです。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
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その状態を「全人的苦痛(Total Pain)」という視点で考えると、社会的苦痛(娘との関係不良)が心理・精神的苦痛(もう死にたい)を生みだし、物理空間上で身体的苦痛(救急搬送される際の症状)となってあらわれていたと考えることができます。
L-005:2020年1月… 05;「4つの苦痛」と健康(well-being)の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html
女性の診察を行うたびに、私は、ヴィクトール・E・フランクル(Viktor Emil Frankl、1905~1997年)の「夜と霧」を思い出しました。あえて死の理由を挙げるなら、きっと「希望を失ったから」なのでしょう。
PMⅠ-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html
…それは認知科学者 苫米地英人博士と出会う前のこと。ずいぶん昔の話です。
かつての私と同じように「不安と不満」「悲しみと怒り」が混ざり合ったような混沌の中で生きていたに違いない娘さんは、今はどのような世界を生きているのでしょう?
すでに亡くなった両親のことを今でも憎んだままなのでしょうか?
F-221:不安と不満のはざまで… <ちょっとブレイク;今、親を憎んでいる人たちへ>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27776349.html
私たちの脳は失敗を記憶するようにできています。だから過去に、しかもイヤな記憶ばかりの過去に、いつまでも囚われるのです。
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目の前の世界には「楽しい」「うれしい」「気持ちいい」「すがすがしい」「誇らしい」が満ちあふれています。本当は。
それなのに自らスコトーマを生みだし、感じられなくなっています。
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それは仏教において苦の根源とされる「無明(むみょう)」の状態です。
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コーチングには無明を解決するパワーがあります。いや、正確には「無明を自ら克服する力がもともとマインドにあり、コーチングでその力を覚醒させることができる」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
「心から望むゴールを、自分中心を捨てながら、現状の外にしっかり設定すること」が、マインドのリミッターを解除する最初のステップです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_268324.html
ゴールを設定したら、覚悟を決めて、正しく怒り続けることが重要。それは「ゴール達成能力の自己評価」であるエフィカシーを高めることでもあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html
その時、忘れてはならないことは「この世に“絶対”はない」という事実。それを不完全性といいます。この世に(あの世も)絶対に正しいことなど存在しません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html
「正しく怒る」の「正」とは“方向性”のこと。より抽象度の高い次元を目指し挑戦し続けることが「正しく怒る」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
「正しく怒る」の「怒」とは“人間的怒り”“公憤”のこと。前頭前野レベルで生み出したエネルギーと創造力で世界をよりよくしていくこと(実装)が「正しく怒る」です。
PMⅠ-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html
そんな「怒」の源泉は未来(社会)。自由意思によるゴール設定によって自ら生みだした未来(社会)と現在のギャップ(が生みだすエネルギー)が「怒」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
だから、怒りは常に未来を向いたものであるべき。
決して怒りに駆られながら過去(自分)を振り返ってはいけない
…OASISの名曲「Don’t
look back in anger」を聴くたびに、そんなことを考えます。
(PVはこちら↓)
Oasis
- Don't Look Back In Anger (Official HD Remastered Video) - Bing video
Slip inside the eye of your mind
Don’t you know you might find
A better place to play
心の目を奥に向けると
見つかるって知っているだろう
もっといい遊び場が
You said that you’d once never been
But all the things that you’ve seen
Will slowly fade away
一度だってないとおまえは言っていた
でも見てきたものはすべて
ゆっくり消えていくだろう
So I’ll start the revolution from my bed
Cos you said the brains I had went to my
head
Step outside the summertime’s in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
You ain’t ever gonna burn my heart out
革命はベッドから始めるんだ
おまえが俺をうぬぼれているなんて言ったから
夏真っ盛りの外に飛び出すんだ
暖炉の横から立ち上がって
そんな顔しないで
そんなんじゃ俺の心は動かない
So Sally can wait, she knows its too late
as we’re walking on by
Her soul slides away, but don’t look back
in anger I heard you say
サリーは待ってくれる、並んで歩くには遅すぎるのを知っているから
彼女の心は離れていく、でも怒りに変えちゃいけないって聞いたんだ
Take me to the place where you go
Where nobody knows if it’s night or day
どこへだって連れて行ってくれ
たとえ昼だろうが夜だろうが誰も知らなくても
Please don’t put your life in the hands
Of a Rock n Roll band
Who’ll throw it all away
ただお前の人生は任せちゃいけない
ロックンロールバンドの奴らには
全て投げ出すような奴らには
I’m gonna start the revolution from my
bed
Cos you said the brains I had went to my
head
Step outside the summertime’s in bloom
Stand up beside the fireplace
Take that look from off your face
You ain’t ever gonna burn my heart out
So Sally can wait, she knows its too late
as she’s walking on by
My soul slides away, but don’t look back
in anger I heard you say
So Sally can wait, she knows its too late
as we’re walking on by
Her soul slides away, but don’t look back
in anger I heard you say
Don’t look back in anger
Don’t look back in anger
Don’t look back in anger
At least not today
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
今でもOASIS好きの私ですが、じつは、アルバムを買い始めたのは3作目の「Be Here Now」(1997年)から。ベストアルバムやライブアルバム等で聴いてはいましたが、「Don’t look back in anger」が収録されている2作目「<What’s the Story> Morning Glory?」(1995年)は持っていませんでした。
そんな私に猛プッシュしてくださったのが、苫米地式認定コーチのWさん。たしかTPIEを受講している間でした。臨場感が高まり即購入したそのアルバムは、今では私の一番のお気に入りです。Wコーチ、ありがとうございます。
-追記2-
Gallagher兄弟にも一言。Don’t
look back in anger !!
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-告知1-
今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを計画しました。1年間を通してのテーマは「Well-being」。
F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html
最終回は2022年2月20日(日)開催。テーマは「Total Well-being ~『total』に秘められた生命力を知る~」です。詳細はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27953269.html
超情報場でお会いしましょう!
<お問い合わせ・申し込み>
coachfor.m2@gmail.com
-告知2-
クラブ活動をはじめます。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
初回は2022年2月5日(土) 午前11時15分からの予定です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27936349.html
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