L-053:2020年7月シークレットレクチャー -03;縁起とはホメオスタシスが働く〇〇
2020年7月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の初回。3回を通しての全体テーマは「現世利益」、キーワードは「トータルペイン(とくにスピリチュアルペイン)」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html
講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
01;現世利益の多くは「理想的な現状」のこと
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27551211.html
02;縁により「呪縛」は「希望」にかわる
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27587288.html
03;縁起とはホメオスタシスが働く〇〇
愛の反対は憎しみではない。無関心だ
美の反対は醜さではない。無関心だ
信仰の反対は異端ではない。無関心だ
生の反対は死ではない。生と死の間(にあるもの)への無関心だ
The opposite of love is not hate,
it’s indifference.
The opposite of beauty is not
ugliness, it’s indifference.
The opposite of faith is not heresy,
it’s indifference.
And the opposite of life is not
death, but indifference between life and death.
エリ・ヴィーゼル(1928~2016年)
1986年にノーベル平和賞を受賞したハンガリー(当時)出身のユダヤ人作家
呪縛が希望に変わり、希望が夢へ、夢がゴールへと変わっていくのは…
…そもそも人がそのような存在だから。
人は誰もが呪縛から希望を見いだす力を持っています。
PMⅠ-04-04:収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045695.html
希望を夢に変える力を持っています。
F-155:「怒りと絶望しかありません」という言葉に感じた希望
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23743308.html
その理由は「人がそもそもそのような存在だから」。
「そのような」というのは「情報空間を自在に操作することができる」という意味です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
「自在に操作」できるのは「高い臨場感を感じる」ことができるから。臨場感がリアルを生みだします。それをプリンシプル化したものが「夢をかなえる方程式
I×V=R」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
「情報空間を自在に操作」でき、「高い臨場感」で「リアルを生みだす」ことができるのは人間だけです。おそらく。
それは脳の進化が関係します。鍵は階層性≒抽象度です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
脊椎動物の脳は、脳幹、小脳、大脳で構成されています。この基本構造はどの脊椎動物でも共通ですが、各パーツの大きさやその機能は進化の度合いで大きく異なっています。
魚類や両生類の大脳は大脳辺縁系だけで大脳皮質はありません。爬虫類には大脳皮質がありますがごく小さいもので、大脳辺縁系がほぼむきだしです。
大脳辺縁系は旧皮質といわれる「本能を司る脳」で、食欲や性欲などの本能や、怒りや恐れといった原始的な感情に関係しています。
ちなみに、人間でも、一時的に「本能を司る脳」が優位になることがあります。それが「ファイト・オア・フライト」。日本語で「闘争逃走反応」と呼ばれる状態です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
鳥類や哺乳類の大脳皮質は大きく発達しており、運動野や感覚野といった高度な機能を持つ部位がここに宿っています。鳥が巧みに空を飛んだり、哺乳類が素早く行動できるのはこの大脳皮質の働きのおかげです。
哺乳類でも霊長類になると、大脳皮質に連合野が現れます。その中でも、思考や創造、推論、意欲、情操といった人間ならではの行動の源、さらには自我や意識などの根源と考えられているのが前頭前野です(前頭連合野とも呼ばれます)。
ちなみに、大脳皮質に占める前頭前野の割合は、ネコが3.5%、サルで11.5%、人間では30%といわれています。霊長類の中で最も進化した人間が高度な認知や行動を行えるのは、この前頭前野のおかげ。まさに人を人たらしめる理性の座であり、思考の場です。
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さらに前頭前野は、論理的な判断をつかさどる背外側部と社会的情動にかかわる内側部に分かれます。ディベート中に活性化するのは、論理脳である前頭前野背外側部です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html
このように階層性は脳の進化と関係しており、進化した脳ほど抽象度は高く、階層的に高い世界に臨場感を感じることができます。だから階層性≒抽象度。
余談ですが、教育の目的は、人類の進化といえるこの脳の変化を、個人の成長に落とし込むこと。それは「人間形成」という形で実現していきます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html
この「臨場感が物理空間から高次の情報空間に拡大していく」という「人間形成」はとても重要です。
認知科学者 苫米地英人博士は「人は、進化の結果として、ホメオスタシスの能力が物理空間から情報空間にまで拡張している」と説明されています。
ホメオスタシス(Homeostasis)とは、「恒常性維持機能」のこと。私たちが環境の変化にもかかわらず体温や血圧、心拍数といったものを保つことができるのは、この機能によります。そんな恒常性維持機能が「情報空間にまで働いている」というのが、博士が提唱される「サイバーホメオスタシス理論(CH理論)」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
前回は「縁により『呪縛』は『希望』に変わる」というサブタイトルでした。さらには縁により希望は夢に、夢はゴールへと変わっていきます。
その縁、すなわち縁起とは「ホメオスタシスで保たれる情報場」のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
それが自我。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
コーチングを学び実践する人にとっての自我とは、ゴール側(未来)にすでに存在している“本当の私”のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
(L-054につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
前回は「縁により『呪縛』は『希望』に変わる」というサブタイトルでした。さらには縁により希望は夢に、夢はゴールへと変わっていきます。
その縁、すなわち縁起とは「ホメオスタシスで保たれる情報場」のこと
…関連する苫米地博士の言葉を紹介します。「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社から再販)からの引用です。
認知とは、今生きている我々が縁起として維持しているダイナミックなホメオスタシス状態のひとつの現われです。内部表現の存在がエントロピーをダイナミックに制御している、と言ってもいいでしょう。
-関連記事-
F-117~:Field of
Dreams
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Q-159~:臨場感が薄れても高い抽象度のゴールをイメージし続けるのでしょうか?
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S-01~:よりより“議論”のために(目次)
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