Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 

ゴールに関する御質問をいただきました。ありがとうございます。

質問の一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:「現状の外のゴール」について質問させてください。

現状から可能世界Aへ移動しうるゴールが「現状の外」だと思っていたのですが、田島コーチの「マインドの教科書」には「抽象度を上げたゴール」とあります。

「現状の外」のゴールとは、何なのか混乱しています。

例えば、今の自分が設定したゴールは、厳密にいえば、「現状の外」ではないと思います。「現状の外」のゴールはスコトーマにより見えないと思いますので。コーチに見つけてもらったゴールか、アファメーションを続けたことにより閃いたものしか、「現状の外」にならないのでしょうか?

とはいえ、ゴール設定しないと始まらないので、「抽象度の高いゴールを設定しよう!」と言っているのでしょうか?

 

A:「現状から可能世界Aへ移動しうるゴールが『現状の外』」はそのとおりだと思います。「現状」とはステイタス・クオ(SQStatus Quo)のこと。それは「このまま続く時間延長上の未来」も含みます。その根底にあるのは「過去→現在→未来」という時間観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 その現状(「このまま続く未来」も含む)とは異なるものが「可能世界A」。その新たな世界を生みだす行為がゴール設定です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 田島コーチが書かれているのは、「『可能世界A』はより抽象度の高い次元にある」ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 田島コーチや私の師でもある認知科学者 苫米地英人博士もよくおっしゃることですが、高次から低次への抽象度の移動は簡単にできますが、低次から高次への抽象度の移動はなかなかできません。御指摘のとおり、高次の抽象度空間はスコトーマに隠れており、認識することさえできません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 より高次の抽象度次元に向かうマインドをつくり、実際にスコトーマを外していくために教育があります。その目的を一言でいえば「自由」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 下に示すのは、米国の心理学者 アブラハム・マズロー(Abraham Harold Maslow1908~1970年)が唱えた「欲求階層説」です。

マズローは、「人間は自己実現に向けて絶えず成長する生き物である」と仮定し、人間の欲求を五段階の階層で理論化しました。それが「欲求階層(段階)説」で、「自己実現理論」とも呼ばれています。それによると、人間の欲求は五段階のピラミッドのようになっており、下位の段階の欲求が満たされるとより高次の欲求を目指すと説明されています。

その欲求とは下位より、1.生理的欲求(Physiological needs)、2.安全の欲求(Safety needs)、3.所属と愛の欲求(Social needs/Love and belonging)、4.承認(尊重)の欲求(Esteem)、5.自己実現の欲求(Self-actualization)です。

 

 

自己実現理論(Wikiより引用)

欲求階層説(自己実現理論)

Wikipediaより引用

 

 

 この「欲求階層説(自己実現理論)」をイメージしながら、今一度「ゴール」と「高次の抽象度次元」の関係を感じてください。

 

 ゴール設定により上の階層への道が拓き、さらなるゴール設定によりもっと上位への扉が開く

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9963845.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9966391.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10116950.html

 

 ...先程、教育の目的を「自由」としましたが、その理由はクリアでしょうか?

 *クリアではない場合はこちら↓

 PM-05~:第五章(苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ)目次

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

 

 スコトーマを生みだす/外すのは 1)知識、2)重要性、3)役割 です。この3つが揃った情報だけがRAS(網様体賦活系)のフィルターを通過し、認識にあがります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

 そのRASに多大な影響を与えるのがブリーフシステム。通常、ブリーフは親など他人の判断基準や社会の価値観で構築されています。時間でいうと過去です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そんなブリーフシステムを、未来側から再構築するのがコーチング。その最初の一歩がゴール設定です。「現状の外」とは、リミッター解除であり、過去の呪縛からの解放です。

 ただし、ゴール設定は簡単なことではありません。それは「これまでの価値観を丸ごと捨て去ること」でもあるから。「これまでの価値観」には強力なホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 現状の外へのゴール設定 = リミッター解除 = 過去の記憶でつくられたブリーフの未来側からの再構築

 

 私は、じつは、最初はゴールが現状の中に設定されてもいいと思っています(現状の中をゴールとは言いませんが)。

「今までの私ではムリ」というようなドキドキ&ワクワクを感じられたらOK。おっしゃるとおり、まずは「ゴール設定しないと始まらない」です。

Q-103:あがり症は克服できますか?

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 まずは止められてもやりたいような心から望む“暫定的”なゴールを設定し(←もう一度。現状の外でないものをゴールといいません)、ゴールに向かいながら自分中心を捨て(=抽象度を上げる)、さらなる現状の外を探っていくという感じで動き始めてください。気楽にw

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「閃く」はとてもいい表現だと思います。その本質は「より大きなゲシュタルトができること」。その感覚は下記ブログ記事でどうぞ↓

 Q-063:「ゲシュタルトができあがると理解が深まる」とはどういうことなのでしょうか?

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 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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