F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 

 先日、「なぜか相手が自分の意図をわかってくれない」という言葉を耳にしました。compassionしながら思いめぐらしていると、かつての“痛い記憶”がよみがえりました。昔の職場で経験した「だまし討ち」です。

明らかに違法でしかも病的な「だまし討ち」に加担した多くの職員の心理がわからないままだったのですが、「なぜか相手が自分の意図をわかってくれない」を縁にある概念が思い浮かびました。

 

ストックホルム症候群

 それは「空間の圧倒的支配者になれば相手はその人にきわめて強い親近感を抱く」という人の認知特性のこと

 

ゲシュタルトを統合することで感じた現代社会が抱える問題とその解決法についてまとめます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

01<ストックホルム症候群>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26952285.html

 02Reloaded;現実を生みだすもの>

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 03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 

 反対に言うと、ゴールを設定し、エフィカシーを高めれば、新たな現実を生きることができます。現実、そして人生のreloadです。そのためにコーチングがあり、コーチが存在しています。

今すぐゴールを設定してください。その先にはevolutionがあり、さらにはrevolutionがあります。

 

 ところで、「evolution」と「revolution」の違いをご存じですか?

 ともに「回転する(turn)」という意味の「volve」を語源にしているそうです。

 

 「evolution」の接頭語「eex)」は「out」のこと。「まわりまわって外に出る」というのがもともとの意味だそう。それをコーチングに当てはめると「“現状の外”へのゴール設定」といえます。

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 さらに遡るとラテン語の動詞「evolvere」に由来し、巻物のような書物をまわしてひろげるという意味だそう。発生学において「受精卵から展開して成体が作られること」を指し、一般には「展開」「発展」「進展」「発生」の意味で使われていたそうです。その後、生物学において個体の発生と生物の進化との類似性が注目され「進化はある一定の方向に発展する」と考えられるようになり、進化の意味でevolutionが使われるようになったそうです。


 一方、「revolution」の接頭語「re」は「again」のこと。古くから天体の回転運動を示す言葉として使用されていたそうです。16世紀に地動説を唱えたニコラウス・コペルニクス(Nicolaus Copernicus1473~1543年)の論文タイトルの英訳が「On the Revolutions of the Heavenly Spheres(天球の回転について)」。その頃は純粋に天文用語だったのが、後に政治体制の突然の変革という意味で使わるようになっていったそうです。

 「天動説から地動説へのパラダイムシフト」と「革命」という語感を踏まえると、「revolution」は「ゲシュタルト同士を組み合わせて(connect the dots)、まったく新しいゲシュタルトを創造すること」といえそうです。

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 それはより高い抽象度次元へ上がること。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 ゴール設定のポイントと関連していうと、それは「自分中心を捨てる」に相当します。自分(自我)とは、つまるところ関係のこと。縁起です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

宇宙中にひろがっていくその縁起のネットワーク(部分関数としての自我)をどんどんひろげていくことが「自分中心を捨てる」ことでありrevolution

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 まとめると、“現状の外”へゴールを設定し(evolution)、自分中心を捨てながら抽象度の階梯を上がっていく(revolution

 

 ところが、それは簡単なことではありません。「脳の呪縛」が存在するから。

ゴール設定のポイントでいうと1番目のポイント「心から望むもの」 じつは、それがとても厄介なのです。

詳しくは「ブリーフシステム」「スコトーマ」「RAS(網様体賦活系)」「時間の流れ」を確認の上、「F-089~:無人運転と自動運転の違い」をお読みください。

PM-02-03:ブリーフシステム

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

PM-02-04:スコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

PM-02-05RAS(網様体賦活系)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

PM-02-18:時間の流れ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

F-189~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 初回(F-206)の「ストックホルム症候群」も「脳の呪縛」により生みだされるものです。

 その「脳の呪縛」について、私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、「脳のレベルでもバイオパワーが働いている」「人類はもともと『人から見られているかもしれない』と感じる脳を持って生まれてきた」と述べられています。そして、それは「良心である」とも。

 *バイオパワー(生権力)はこちら↓

 F-061~:バイオパワー(生権力)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_292569.html

 

 以下、博士の「脳の呪縛を解く方法」(KADOKAWA)から引用します。

 

脳のバイオパワーを利用する方法

 (前略)

 正義があり、それに合致すると報酬系が働き、心地よく感じるためにそれに従って行動してしまう。あるいは逆に、それから外れると報酬系が逆向きに働き、気分が悪いからそういう行動をしない。私たちはそれを、バイオパワーと呼ぶわけです。

 人間は、このバイオパワーによって最終的には自分で自分を縛っています。

 それは、いわば良心です。そして、その良心の出所は、人間が生得的に持っている、「本当に自分を見ている眼がある」という感覚でしょう。

 社会の中で期待される言語を右脳言語野が導いたとき、おそらく人間は新しい目覚めを迎えるはずです。それは、そんなに遠いことではありません。

 権力のバイオパワーに取り込まれることなく、自分を客観的に見つめ、その時を待つことは、かつて私たちが経験したことのないほど大切で重要なことになった、そう考えなくてはならないのです。

 引用終わり

 

 「“現状の外”へゴールを設定し(evolution)、自分中心を捨てながら抽象度の階梯を上がっていく(revolution)」を苫米地理論を用いてさらに追究していくと、「社会の中で期待される言語を右脳言語野が導く」がevolution、そして「新しい目覚め」がrevolutionといえるはず。

 

 evolution=社会の中で期待される言語を右脳言語野が導くこと­=“現状の外”へのゴール設定

 revolution=新しい目覚め=自分中心を捨てながら抽象度の階梯を上がっていくこと

 

そのように私は理解しています。

 

F-209につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 「このような監獄のような世界でどうすれば自由に生きられるか?」という問いに対して、苫米地博士は「『経済的な問題から自由になる』ことが一番簡単」と話されます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 そのためのポイントとして、前回(F-207、追記1)、「情報を受けとるときは、まずはお金に対する意識を消すこと」を紹介しました。これはinputの話。トゥールミンロジックでいうならケースサイドです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

今回はoutputのポイントを御紹介します(プランサイド)。博士は「『起業で思いっきりお金を稼ぐ』と『既存の経済システムから降りてしまう』という方法がある」と述べられています。さらに

以下、再度「脳の呪縛を解く方法」から引用します。

 

社会ムーブメントのリーダーになる

 既存の経済システムから降りるのでもなく、かといって、既存の経済システムに全体重を載せない生き方というのもあります。

 若い読者は知らないかもしれませんが、CW・ニコルというイギリス生まれの作家兼冒険家のナチュラリストがいます。

 彼は技官として勤めていたカナダ政府を70年代後半に退職し、本格的に日本で暮らすようになりました。それ以来、著作活動に入り、日本国籍を取得し、その後のナチュラリストブームに乗って、有名になっていきます。

 

 彼がやってきた当時の日本では、自然保護の機運が徐々に高まり始めていました。もちろんヨーロッパやアメリカはすでに自然保護活動が盛んでしたから、ニコル氏が「日本にはやるべきことが山ほどある」と考えたことは容易に想像がつきます。その当時、ニコル氏のような人を受け入れる環境が、日本社会にも整いつつあったということです。

 つまり、ニコル氏のケースが教えてくれる方法は、先進国から発展途上国に活動の場を移し、進んだ国が経験したことを遅れた国の問題解決に生かし、自分が社会ムーブメントのリーダーになるということです。

 

 中国がすでに深刻な環境問題を抱えているように、これからアジア諸国は、開発発展の負の側面にもスポットが当てられるようになります。

 環境問題だけではありません。

 日本が経験したあらゆる社会の矛盾を、間もなくアジアの諸国も抱えるようになるわけです。その問題の解決に手を貸したいという日本人を、それぞれの国の知識人は暖かく迎え入れてくれるでしょう。

 社会の改革や改善に強い関心を持つ人ならニコル氏の方法を真似るのは手です。

 現地でビジネスを成功させるのは並大抵のことではありませんが、社会ムーブメントならいくらでも参入の余地があるからです。

 日本にいるときのような快適な生活はできないかもしれませんが、既存の経済システムから、かなりの部分、離れることができるでしょう。

 以上が、私が考える経済的な自由を獲得する方法です。

 

 

-追記2

映画マトリックスシリーズの3作目「The Matrix Revolutions」は2作目と同じ年に連続公開されました(200311月)。現実世界とマトリックスの境界が不明瞭になっていく演出が当時は理解できませんでしたが、今ではとてもクリアです。超情報場仮説(理論)を学んでいるから。

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 一方で未だによくわからないことがあります。なぜタイトルは「Revolutions」と複数形になっているのでしょう?

 (続きは次回に)

 

 SmithWhy, Mr. Anderson, why? Why, do you do it? Why, why get up? Why keep fighting?  You must be able to see it, Mr. Anderson, you must know it by now! You can’t win, it’s pointless to keep fighting. Why, Mr. Anderson, why, why do you persist.

 

 NeoBecause I choose to.

   そうすると決めたからさ

 

 

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 今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。

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