F-206:マトリックス/Matrix -01<ストックホルム症候群>

 

 先日、「なぜか相手が自分の意図をわかってくれない」という言葉を耳にしました。

 

 その場合のチェックポイントは、

  

    自分自身の意図を本当に理解しているか?

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    お互いのゴールははっきりしているか?

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    ゴールを共有しているか(LUB)?

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    エフィカシーが下がっていないか?

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    コンフォートゾーンをはずれていないか?

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    エンドステート、アサンプション(アップデート)、COAを共有しているか?

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    不完全性をしっかり理解しているか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

    自責か(責任転嫁していないか)?

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    臨場感は十分か?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_404758.html

    抽象度のコントロールはできているか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

    中観か?

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こんな感じ。

  

 じつは、その発言者は心理のプロ。上記のようなチェックポイントはもちろんクリアした上で、それでも「うまくいかない」と嘆いていました。解決どころか、問題(課題)そのものがスコトーマに隠れてしまっている印象です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 相手にcompassionしながら思いめぐらしていると、かつての“痛い記憶”がよみがえりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 昔の職場で経験した「だまし討ち」です。

 PM-06~:職場への苫米地式コーチング導入挑戦と明らかになった課題(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15110477.html

 

 経営陣から「だまし討ち」されてしまったのはまだわかりますが(当時96歳の理事長まで騙されるとは)、調停の間に92名の職員が「だまし討ち」に加担するとは思っていませんでした。

予期から大きく外れた分、私の認知的不協和はとても強くなりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 幸い、不協和自体はうまくコントロールできました。

 S-03~:心のエネルギーとは何か? ~カナックス事件に学ぶ“心のエネルギー”をコントロールする方法~(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879680.html

 

 しかし、明らかに違法で、しかも病的な「だまし討ち」に加担した職員の心理を理解することはできないまま。仮説を立てて検証するも、霧(FOG)が晴れない感じでした。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 (仮説の例はこちら↓)

 PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーン(CZ)が生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 PM-06-07:仮説02)「want to」「have to」とコンフォートゾーンの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13837769.html

 

 

そんな違和感は小さなトゲのように私の心に突き刺さったままだったのでしょう。「なぜか相手が自分の意図をわかってくれない」は、私にとってもスコトーマを外し“トゲ”を明らかにする貴重な縁となりました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

おぼろげな何かを感じている間に、その(おぼろげな)イメージが大きくなっていく気がして(connect the dots)、突然クリアになりました。その時、頭に浮かんだのが「ストックホルム症候群」。

だまし討ちに加担した職員はストックホルム症候群に陥っていたはず。そう考えると合点がいきました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

 Wikipediaによると、ストックホルム症候群(Stockholm syndrome)とは、「誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築く現象」とされています。名称の由来は、19738月にスウェーデンの首都 ストックホルムで発生した銀行強盗による人質立てこもり事件です。

 

 ちなみに、私が初めてストックホルム症候群のことを知ったのは2000年。なぜはっきり覚えているのかといえば、映画がきっかけだったからw。その映画とは007シリーズ第19作目「The World Is Not Enough」。フランスの女優 ソフィー・マルソーが出演しています。

 

 映画を観た後「ストックホルム症候群」について調べ、しっかり理解しているつもりでした。しかし、認知科学者 苫米地英人博士との縁により根底からひっくりかえりました。

 その詳細は守秘義務内容に該当するため書けませんが、代わりに博士御自身が著書の中で書かれていることを紹介いたします。以下、「洗脳力」(アスコム)からの引用です。ぜひ“詳細”を感じ取ってください。


 

空間の圧倒的支配者になれば、強い親近感を抱かれる

 空間の支配者、コントローラーになると、必ず「ラポール」という現象が起こります。

 「ラポール」とは空間の被支配者が支配者に対して強い親近感をもつことです。

 たとえば医者と患者とがいたら、その空間においては医者のほうが支配者で患者は被支配者です。患者はこの人に治してもらおうと思っていますから、どうしてもコントロールされやすい状態になります。この思いが強ければ強いほど「ラポール」も強くなります。

 「ラポール」によって起こる典型的な例が「ストックホルム症候群」です。

 1973年、スウェーデンの首都ストックホルムで銀行を強盗が襲い、数人の人質を取って立て籠もりました。犯人グループと警察とは何度も衝突を繰り返しますが、結局人質が解放されたのは事件発生から1週間後のことでした。

 ところが、無事に解放された人質たちからは、憎むべき犯人グループを擁護するような証言が相次いだのです。それだけでなく、本来なら感謝されるはずの警察を憎むような発言まで飛び出しました。

 さらに驚くべきことに、事件解決後、人質の一人が犯人グループの一人と結婚してしまったのです。

 この人質が犯人を好きになってしまう現象を「ストックホルム症候群」と呼びます。

 ストックホルム症候群はこの一事件だけの現象ではありません。

 1974年には、アメリカでこんな事件が起こりました。

 パトリシア・ハーストという女性が左翼過激派に誘拐されました。彼女の祖父はアメリカで新聞王などと呼ばれていた大富豪で『サンフランシスコ・エグザミナー』という新聞社の社長ウィリアム・ランドルフ・ハースト氏、父も同紙の社長を務めたラッドルフ・アパーソン・ハースト氏。大金持ちのお嬢様が過激派に誘拐された事件は大きな話題になりました。

 彼女の実家にはさまざまな要求がなされますが、誘拐されてからおよそ半年後、なんと彼女は組織の仲間になると宣言して、組織のメンバーとともに銀行強盗に加わったのです。

 このように、命にかかわるような極限の恐怖状態に置かれると、その空間の支配者に対して強い親近感、信頼感、恋愛感情などが引き起こされるのです。人は臨場感空間を共有すると、その構成員間で臨場感の強度に応じて親近感をもつように進化しています。命にかかわるような強烈な臨場感体験では強い親近感を感じます。これがラポールのカラクリです。さらに、その臨場感世界の支配者にとくに強い親近感を感じます。これがストックホルム症候群のカラクリです。空間の圧倒的支配者になれば相手はその人にきわめて強い親近感を抱くのです。

 

F-207につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

  

-追記1

 今回のタイトル「マトリックス/Matrix」とは、「何かを生みだすもの」という意味。語源は子宮を意味するラテン語(母Materix)だそう。

 ならば、「“現状の外”へゴールを設定し、新たな現実を生みだす」コーチングはマトリックス/Matrix! そして、すべてを生みだすマインド(脳と心)そのものが壮大なマトリックス/Matrixであるといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 

-追記2

 映画好きな私にとって、マトリックスといえば、1999年公開の映画「マトリックス / The Matrix」のこと。今回のブログ記事は、もちろん、珠玉の映画シリーズとリンクします。ゲシュタルトが統合されていく感覚をぜひ楽しんでくださいwDon’t think. Feel!)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

  Wake up, Neo.

  The Matrix has you.

  Follow the white rabbit.

 

 

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