F-204:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える vol.4;コーチングの対象は「〇〇〇〇〇」
先日、若い医師たちにコーチングを教える機会がありました。講義中に体感したイメージを言語化します。
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vol.1;突然あらわれた“謎の穴”
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vol.2;理学とは〇〇心。その正体はCH
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vol.3;工学とは社会や未来への貢献(ワーク付き)
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vol.4;コーチングの対象は「〇〇〇〇〇」
…ある雑誌から、ある小児科医が書かれた文章を引用します(事情により秘密)。その言わんとするところを「超情報場仮説(理論)のゲシュタルト」でイメージしてください。
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医学生に小児科学総論の最終講義をするようになり、強調したことが2つありました。
1つは小児科学と小児医療の違いです。前者は疾病を対象とした学問であり、疾病にはその時代に使われている定義があるので、正解と不正解を区別する試験問題を作成することができるという理屈になります。後者は人(小児)を対象としたもので、genetic・epigeneticに同じ人は存在しないため、診断・治療と、その結果は人の数だけありえるので、単純に正解と不正解に分けることはできない、つまり医療の試験問題作成は簡単ではないと伝えてきました。したがって、医師国家試験も医学の試験にならざるを得ず、共用試験の一つである知識を問うCBTの成績と国家試験の成績が強く正の相関を示すのはそのためだと考えています。
2つ目のメッセージは、小児科医は全身を診る総合診療医としての活動が基本で、子どもの肉体・精神・感情のすべてにわたり配慮する必要があり、病む臓器のみならず彼らの健康な暮らしに影響を及ぼしうる社会環境に至るまで考慮に入れる必要があることです。
引用終わり
…前回(F-203)、理学と工学の関係性を考察しました。それは…
まずは個人レベルの「なぜ?」の探究があり、徐々に抽象度が上がりながら(理学)、やがて社会や未来への貢献へと拡大していく(工学) …というもの。
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これは医学と医療の関係にもあてはまります。「まずは個人レベルの『なぜ?』の探究があり、徐々に抽象度が上がりながら(医学)、やがて社会や未来への貢献へと拡大していく(医療)」という感じです。
一方で、「理学と工学」と「医学と医療」の間には、決定的な相違が存在します。それは「『医学と医療』の対象は必ず人間(に関するもの)である」ということ。
工学は「役に立つ(貢献)」という観点で人やその集合である社会と関係しますが、研究対象自体は人間に限定されていません。前回のカブトムシの幼虫のように研究対象は広範囲で、実体を伴わない現象や情報空間上の存在(概念)も含まれます。
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それに対して、「医学と医療」の場合は、より高次の抽象度次元に向かう研究(医学)も、その物理空間への応用(医療)も、対象は必ず人間。そして、その人間とは「巨大で複雑なネットワークを内包しながら自律する情報処理システム」です。いわば縁起のかたまり。それゆえ無常。
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師である認知科学者 苫米地英人博士の表現を用いると、抽象度のベクトルは違えど医学(↑)も医療(↓)もその対象は「一人一宇宙」。
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それが引用文中の「genetic・epigeneticに同じ人は存在しないため、診断・治療と、その結果は人の数だけありえる」という主張(claim)の根拠(warrant)といえます。
*事実(data)は超情報場理論
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底面である物理空間だけではなく情報空間中にホメオスタシスが働いている人間の情報処理は、いつもダイナミックに変化し続けています。
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だから「単純に正解と不正解に分けることはできない」のです。
すでに不完全性は証明されています。この世(物理空間)は不確定性原理により、あの世(情報空間)は不完全性定理によって。
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しかしながら、私が感じる「単純に正解と不正解に分けることはできない」はそのレベルの話だけではありません。
そもそも「一人」の人間の存在自体が「宇宙」といえます。
その「宇宙」は60兆個の細胞や100兆個を超えるといわれる細菌などとのネットワークで構成されています。物理空間において。
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さらに、情報空間において「一人」は全抽象度にひろがっていきます。縁起のネットワークとして。それを哲学では「自我」と、コーチングでは「ブリーフシステム」と表現します。
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「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」
巨大で複雑でダイナミックなシステムを対象にしているという認識と新たな宇宙を創造(再構築)するという覚悟が、「医学と医療」やコーチングで心がけるべきポイントである
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…それがコーチ兼医師である私の実感です。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」
…「一人」を、「一」ではなく、「巨大で複雑でダイナミックなシステム」と観ることが重要。それはスピリチュアルペインを含む「トータルペイン」の克服にも欠かせません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html
-追記2-
「医学と医療」の対象は、コーチングと同様に、いつも「一人一宇宙」
…「一宇宙」の「一」が現実(R)です。それは一つということではなく、「無限の可能世界から(I)、その時選びだされる(V)」という意味の「一」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
その「一」は、あるともないともいえる「一」であり、あるともいえなしないともいえない「一」。「空(くう)」です。
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