L-039:2020年4月シークレットレクチャー -08;「スピリチュアルペイン」を超越する<中編>
2020年4月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の最終回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、サブテーマは「自由」(1月)、「貢献」(3月)、「超越」(今回)です。
L-001~:2020年1月シークレットレクチャー
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html
L-023~:2020年3月シークレットレクチャー
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411419.html
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。以下の課題について、ぜひ自分自身のオリジナルな解を見つけ、感じてください(Don’t think, feel!)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
1:四苦を超越する
2:ヴィーゼルの言葉を超越する
3:スピリチュアルペインを超越する
01;「自由」「貢献」につづく言葉
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26588304.html
02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html
03;「自由」とゴールと「貢献」の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26648449.html
04;エフィカシーとは縁起の結実の確信
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26686871.html
05;「四苦」を超越する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html
06;「ヴィーゼルの言葉」を超越する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26744273.html
07;「スピリチュアルペイン」を超越する<前編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26764416.html
08;「スピリチュアルペイン」を超越する<中編>
「生きている誰もが、老い、病み、そして死を迎える」という事実を、私たちはどのように受け入れればよいのでしょうか?
「死」という未来(=人生のはじまり)に、どのようなゴールを設定するべきでしょうか?
…上記問いの答えを見いだすために、「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」を超越していきましょう。
最後は「スピリチュアルペイン」の超越。
前回は「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」について説明し、内包する矛盾を指摘しました。
「個の生存」を目的とするはずのホメオスタシスが、人生単位では「個の死滅」のために働いている
…この「矛盾」自体に、じつは、解決のヒントが隠されています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
まずは、その「矛盾」という概念(ゲシュタルト)を確認しましょう。
私の師である認知科学者 苫米地英人博士は、人類史上初めて、「空(くう)」を形式的に定義されました。「形式的」とは「数学を用いた」という意味です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
以下、博士の論文「『空』を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ~」から一部引用します。ぜひ下記リンクで全文を確認してください↓
「空」を定義する ~現代分析哲学とメタ数理的アプローチ~
http://tomabechi.jp/EmptinessJapanese.pdf
空は、包摂半順序latticeの宇宙のtopである
次に、包摂半順序latticeの宇宙における、任意の二つの概念もしくは存在のlubと、glbについて考えます。Latticeにおける任意の二つの概念もしくは存在のglbを、bottomといいます。また、latticeにおける任意の二つの概念もしくは存在のlubを、topといいます。
宇宙から任意の二つを選び出す、例えば宇宙からペットボトルと犬を選び出して、その共通の下位概念の内もっとも下位にあるもの、包摂半順序latticeの宇宙のbottomとは、何でしょうか。現代分析哲学では、それは「矛盾」であると定義できます。それは、「ペットボトルなのにワンと鳴く」ようなもので、情報が少し多すぎるからという理解をすることができます。
一方、宇宙の任意の二つのlub、包摂半順序latticeの宇宙のtopは、現代分析哲学では「いくらでもある」と定義されています。いくらでもあるということは、特定の概念が存在しないということです。つまり、現代分析哲学では、「すべての存在の上位概念は存在しない」とされているのです。したがって、西洋の現代分析哲学における宇宙は、bottomは「矛盾」で閉じて、topは「存在しない」で開いている、ということになります。
ここで、釈迦の分析哲学を用います。仏教哲学では、すべての存在の上位概念は「存在する」と考えます。それが「空」です。釈迦の仏教哲学における「空」は、すべての存在の上位概念です。したがって、西洋の分析哲学に、東洋の仏教哲学を用いると、任意の二つの概念もしくは存在のlub、包摂半順序latticeの宇宙のtopは、「空」となります。空は、宇宙の何よりも上位であり、何よりも情報量がわずかに少ない概念です。したがって、空は宇宙すべてを潜在的に内包している、ということもできます。
このように、西洋哲学と東洋哲学を融合すると、「宇宙は、bottomは『矛盾』で閉じ、topは『空』で閉じている包摂半順序latticeである」と定義できます。そして、「空は、包摂半順序latticeの宇宙のtopである」と定義することができるのです。このように、冒頭で述べたとおり、「空」は、「縁起」とは異なる別の概念です。
宇宙と空に関するこのような見方は、数学でいうと不完全性定理が成功した後、物理学でいうと量子力学が成功した後の、現代の数学や物理学、哲学においては、まったく違和感のない見方となっています。
引用終わり
…宇宙のすべてが情報です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11823351.html
そんな宇宙を並べなおす「情報量の大小という軸」が抽象度。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
通常は「抽象度が最も低い情報宇宙の底面が物理空間である」と説明しますが、じつは、さらに下位のbottomがあります。それが「矛盾」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
シンプルにいうと、「矛盾」を感じる時は抽象度が低すぎるのです。その場合、意識して抽象度を上げるべき。その行為を仏教では「無分別」と言い表します。私の表現では“無敵”です。
PMⅠ-01-20:“無敵”の意味-3
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html
「個の生存」を目的とするはずのホメオスタシスが、人生単位では「個の死滅」のために働いている
…その「矛盾」を個→種というように抽象度を上げて無分別すると、
「種の生存」のためのホメオスタシスとして、「個の死滅」が機能(貢献)している
…と理解することができます。
この場合、“一人の人間”という「個」が部分であり、“人間の集まり(人類)”という「種」が全体です。つまり、「個という部分と種という全体の双方向性の関係性」とみることができます。ゲシュタルトです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
「個」のレベルでみると矛盾するが、「種」のレベルで働くホメオスタシスとみるとスッキリと理解できる …それがより大きなゲシュタルトを築きあげたときの体感です(connect the
dots)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
(L-040につづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-関連記事-
PMⅠ-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ
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Hello, The Sweet Goodbye
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F-176~:“幸福(well-being)”とは?
~「anti→with→well」partⅡ
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Q-177~:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか?
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-告知-
今年度(2021-22年)は計8回のオンラインセミナーを予定しています。1年間を通してのテーマは「Well-being」です。
F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~「anti→with→well」partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_408326.html
2021年度セミナー予定はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25412318.html
第5回目は2021年9月19日(日)開催。テーマは「クライシスサイコロジー&レジリエンス」です。詳細はこちらから↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26768389.html
超情報場でお会いしましょう!
<お問い合わせ・申し込み>
coachfor.m2@gmail.com
苫米地英人博士のブログ(リンク記事)より引用
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