L-03320204月シークレットレクチャー -02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 

20204月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う3回の講義の最終回。メインテーマは「スピリチュアルペイン」で、サブテーマは「自由」(1月)、「貢献」(3月)、「超越」(今回)です。

L-001~20201月シークレットレクチャー

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_407080.html

 L-023~20203月シークレットレクチャー

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_411419.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。以下の課題について、ぜひ皆さん自身のオリジナルな解を見つけ、感じてください(Don’t think, feel!)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

1:四苦を超越する

 2:ヴィーゼルの言葉を超越する

3:スピリチュアルペインを超越する

 

 

 01;「自由」「貢献」につづく言葉

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26588304.html

 02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性

 

 「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」は、当たり前ですが、物理的実体ではありません。それらは高次の情報空間に存在しています。概念として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 (*入門者向けに補足します。「高次」とは「より高い抽象度次元」という意味です↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 その概念(の塊)のことを「ゲシュタルト」と呼びます。ゲシュタルトとは全体と部分が双方向的に関係しているという“概念”で、全体は部分の総和以上のものであるという考え方です。

 (詳しくは追記で。“教科書”から引用します)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 私たちが最初に手にするのは「断片的な一つひとつの情報」です。

 その断片的な情報が蓄積され、文脈の中で知識化していきます。そして、知識同士がひとまとまりになって繋がり、一つの認識になります。それが「知識のゲシュタルト」。

その知識のゲシュタルトの量に比例して、人は様々な問題を多角的に深く考慮し解決することができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

問題(ケース)を発見する洞察力やその問題を解決する適応力(プラン)が磨かれるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/12658417.html

 

 

 それではそれぞれのゲシュタルトを確認しましょう。

 

 まずは「四苦」。

 生まれたものは必ず老い、病み、そして死んでいきます。その四つ、「生」「老」「病」「死」を根源的な苦しみとし、その苦しみからの解放を求めてはじまったのが仏教です。

 釈迦族の王子として生まれた釈迦(ゴータマ・シッダールタ)は、成長するにつれ物思いにふけるようになりました。案じた父の計らいにより城外で散策を行うと、東の門外で老人に、南の門外で病人に、西の門外で死人に遭遇しました。

「老いることは苦しみである。病になることも苦しみである。死ぬことも苦しみである。そして、それらの苦のはじまりとして、そもそもこの世に生まれることが苦しみである」ということに気づいた釈迦は、北の門外で修行僧と出会い、出家を決意しました。

これが「四門出遊」の逸話です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8045953.html

 

 そんな四苦のはじまりが「生(life)」、終わりが「死(death)」。

その間(between life and death)への無関心が「生の反対(the opposite of life)」であると定義したのが、ルーマニア生まれのノーベル賞受賞作家 エリ・ヴィーゼル(Elie Wiesel1928~2016年)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24767587.html

 

 ユダヤ人であるヴィーゼル一家は、アウシュヴィッツの強制収容所に送られました。当時16歳だったエリは「囚人番号A-7713」という刺青を左腕に彫られたといいます。その時、物理空間の身体とともに情報空間の心にも刻まれた何かが(縁)、この「ヴィーゼルの言葉」を生みだしたに違いありません(起)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 愛の反対は憎しみではない。無関心だ

 美の反対は醜さではない。無関心だ

 信仰の反対は異端ではない。無関心だ

 生の反対は死ではない。生と死の間(にあるもの)への無関心だ

 

The opposite of love is not hate, it’s indifference.

The opposite of beauty is not ugliness, it’s indifference.

The opposite of faith is not heresy, it’s indifference.

And the opposite of life is not death, but indifference between life and death.

 

 

私は「生と死の間(between life and death)への無関心が『スピリチュアルペイン』をスコトーマに隠している」と考えています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 スピリチュアルペインとは、「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24706915.html

 

本当は“自我”の問いとともに生まれているスピリチュアルペインは、無関心によっていつの間にか感じられなくなり(=スコトーマに隠れる)、「老病死」を突き付けられることで突然あらわれるのです(=スコトーマが外れる)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」は、ゴール設定を行うことで自ら克服することができます。つまり、「スピリチャルペイン=ゴールがない(ゴール設定に失敗している)」の解決にコーチングが有効であるということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 だから私は、スピリチュアルペインが顕在化する医療・介護の現場はもちろんのこと、それが芽生えはじめる教育の現場にもコーチングを届けようと取り組んでいます。

 PM-07~:一人ひとりの心の平和から世界の平和へ(目次)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/16947223.html

 

L-034につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

その概念(の塊)のことを「ゲシュタルト」と呼びます。ゲシュタルトとは全体と部分が双方向的に関係しているという“概念”で、全体は部分の総和以上のものであるという考え方です(詳しくは追記で。“教科書”から引用します)

 

“教科書”とは、田島大輔さんの著書「マインドの教科書」(開拓社)。

田島さんは苫米地式認定グランドマスターコーチであり、コーチの養成も担当されています。「マインドの教科書」では「セルフコーチング技術がつまった21のレッスン」を学ぶことができます。さらには「無限の可能性を引き出す門外不出の50のワーク」まで。

コーチ必読の理論と実践の書です。強くお勧めします!

 以下、巻末のコーチング用語集からの引用です。

 

ゲシュタルト(Gestalt

全体と部分とが双方向的に意味を与える統合された概念構造。人間の場合、精神の全体性を持ったまとまりのある構造。つまり統合的な人格のこと。

 

 人間は潜在的には、複数のゲシュタルトを持つことができます。ただし、ホメオスタシスを維持できるゲシュタルトは同時には1つだけです。複数のゲシュタルトのうち、最も臨場感の高いゲシュタルトが選ばれます。

 ゴールを設定すると、いまの自分のゲシュタルトとゴールの世界にいる自分のゲシュタルトと、最低2つのゲシュタルトを持つことになります。その2つのうち、より臨場感が高い方のゲシュタルトが選ばれます。その選ばれた方のゲシュタルトによって、目の前にある一つひとつの物事の意味や過去の出来事に対する意味解釈も変わってきます。全体と部分とが双方向的に関係し合って意味が決まるからです。

 ゴール側のゲシュタルトの臨場感が、現状のゲシュタルトよりも高くなると、ゴール側のゲシュタルトが選ばれます。そして、ホメオスタシスにより、ゴール側のゲシュタルトを維持するための、つまりゴールを達成するためのエネルギーと創造性が発揮されます。

 

 

-関連記事-

PM-04~:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

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PM-05~:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13077001.html

 

 

マインドの教科書