F-199:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか? Vol.3;「こんなにほったらかしにして」を生みだすスコトーマ

 

 “あの人”の言葉はなぜこんなにも心に響くのだろうか?

 

 という文章を目にした今、皆さんはどんなことを連想し、何を考えていますか? 皆さんにとっての“あの人”とは誰のことでしょうか?

 

 湧き上がるイメージを楽しみながら、ゆっくり読み進めてください。

 

この連載では、毎回、認知科学者 苫米地英人博士の著書「近未来のブッダ」(サンガ)から引用しています。その本のサブタイトルは「21世紀を導くリーダーの鉄則」。その“鉄則”もぜひイメージしてください(Don’t think. Feel!)。

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 Vol.1;こんなにほったらかしにして

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 Vol.2;「こんなにほったらかしにして」と言われたら(ワーク付き)

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 Vol.3;「こんなにほったらかしにして」を生みだすスコトーマ

 

前回(F-198)、「こんなにほったらかしにして」と言われたときの対応について考えてみました。今回は言う側のマインドについて考えてみましょう。ポイントは同じく「抽象度の高い気づき」です。

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

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 「抽象度の高い気づき」を違う表現で言い換えると、「より大きなゲシュタルトをつくりスコトーマを外すこと(外れること)」。ゲシュタルトとは「全体を持ったまとまりのある構造」のことです。

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そのゲシュタルトは「全体と部分の双方向性」で成り立ちます。縁起です。

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 ゲシュタルト同士を統合(connect)することで、より大きな概念(次元、世界、可能性)を認識できるようになります。例えば「チワワ」「ブルドック」「ラブラドールレトリーバー」という部分を統合(connect)して「犬」という全体ができると、「ビリー」や「ラゴット・ロマーニャ」など珍しい犬種(部分)も「犬」(全体)と理解することができます。

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「ベルガマスコ」のような“謎の生物”もすぐに犬とわかるでしょう。「犬」というゲシュタルトができあがっているので、部分(ベルガマスコ)を認識して全体(犬)の一部であることを理解・評価・判断できるのです。

つまり、より大きなゲシュタルトをつくりあげるほど、スコトーマが外れ、理解が深まるということ。

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 スコトーマとは「心理的盲点」のことです。私たちは目の前のことすべてを認識していると思いがちですが、実際には大量の情報が抜け落ちています。スコトーマを生みだす/外すポイントは3つ。1)知識、2)重要性、3)役割 です。

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 誰かに「こんなにほったらかしにして」と言いそうになったときは、一旦立ち止まり、自分自身のスコトーマについて思いめぐらしてみましょう(止観瞑想)。

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 まずは「1)知識」。

知識がない(足りない)ことで「こんなにほったらかしにして」と言ってしまった場合、言われた側との関係は微妙になりがちです。ともに不完全性の理解が不十分ならば(←「不完全性」に関するゲシュタルトが不完全)、「こんなにほったらかしにして」という言葉をきっかけに関係が壊れてしまうかもしれません。

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 次に「2)重要性」。

重要性を決めるものは「ゴール」です。

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よって、まずは相手のゴールを感じ取り、共感してみましょう。

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少し細かい話ですが、共感と共有は違います。共有できればもっと理想的です。たとえ自分のゴールとのLUBLeast Upper Bound、最小上界)を見いだせず共有できなかったとしても、共感し続けることはできます。反対に共感なしで共有することはできません。

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共感は「相手の立場に立つ」ということ。ゴールとの関連でいうと「2)自分中心を捨てる」ことにつながります。“自分(自我)”を大きくすることができると、ますます理解が深まり、新たなゴールを見いだすことが可能になります。今までの“現状の外側”に。

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 そんな共感をすべての縁に対して持ち続けていると、やがて「縁により起こる」「関係が存在を生みだす」という縁起のイメージ(I)が臨場感豊かに感じられるようになっていきます(V)。

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すべてがつながっている

 

 目の前の相手や自分はもちろん、すべての存在が大きなゲシュタルトの大切な一部であることがわかると(空観)、スコトーマのポイントである「3)役割」をすべての事象に見いだすことができるようになります。それが仮観。そして

 

すべてが空(くう)と知りながら、全力で仮(け)を楽しむ

 

 中観です。コーチングを学び実践する間に、「抽象度の高い気づき」を得ながら体得していく生き方です。

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 以下、「近未来のブッダ」から引用します。

 

学習による理解を基盤に実践へ

 チベット仏教では顕教を22~23年やってから密教に入ります。これは、ヨーガの段階と同様に、顕教時代がおそらく修行タイムという位置づけです。密教は完全に大乗の世界で、「雨を降らせるために」ではないですが、この世を変えるために、この世の役に立つために密教をやるのです。顕教は、そのための準備段階・学習期間です。

 こうした「学習・修業期間→本格的な実践」という流れを世俗の現代人に対して言えば、「学校教育→社会での実践」になります。日本の教育制度を享受する現代人なら、学校教育を受けている時代に縁起を理解し、人間の基礎力を養えるはずです。卒業前でもいいですが、いわゆる社会人になったら、密教の人たち同様、「この世の役に立つ慈悲」をバリバリ実践すべきですし、そこまでに実践の準備は整っているはずです。

 引用終わり

 

 

 ここまで3回はケースサイドのイメージで書きました(引用文の表現を用いれば“顕教”のイメージ)。最後はプランサイドのイメージで実践について書いてみたいと思います(“密教”)。お楽しみに。

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F-200につづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

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 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

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Bergamasco(Wikipedia)

ベルガマスコ

Wikipediaより引用