F-193:コーチとして観る「Field of Dreams」;原作者の「生と死の間(between life and death)」から何を学ぶことができるだろう?

 

 私の趣味の一つに映画鑑賞があります。

 幼少期の思い出は辛いものばかりですが、映画との縁に関していえばラッキーでした。

鹿児島で上映される映画の多くをフリーで観れる境遇だったため、毎週のように映画館に通っていました。きっと情動を伴った体験の記憶が、今も残る私のブリーフをつくりあげたのですね。

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 とくに大学浪人中は、本当に毎週映画を観にいきました。確か60本以上観たはず。「人生においてこんなに映画を観れる年はない」という当時の予想は、残念なことに、見事に当たっています。単に「I×V=R」なのかもしれませんがw

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 その頃観た映画のひとつが「Field of Dreams」です。

 1989年(日本では翌年3月)に公開された「Field of Dreams」は、ウイリアム・パトリック・キンセラ(William Patrick Kinsella19352016年)の小説「シューレス・ジョー / Shoeless Joe」を原作に、ケビン・コスナー主演で製作されました(監督・脚色:フィル・アルデン・ロビンソン、音楽:ジェームズ・ホーナー)。第62回米国アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされています。

過去のブログ記事(F-117118)で、コーチの視点で「Field of Dreams」を考察しています↓

F-117118Field of Dreams

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 さらに、劇中の「if you build it, he will come」を実装した野球場にまつわる話を紹介しました↓

 F-173:コーチとして観る「Field of Dreams」;トウモロコシ畑の中の野球場

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今回も「Field of Dreams」に関するサイドストーリーを紹介します。

 苫米地博士が提唱される超情報場仮説(理論)とリンクさせながら、ぜひ皆さん自身の「Field of Dreams」を感じてください。

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 映画「Field of Dreams」に感動した私は、サントラ、スクリーンプレイ、そして原作小説「シューレス・ジョー」を手に入れました。

 映画の監督であるフィル・アルデン・ロビンソン(Phil Alden Robinson1950年~)が自ら書いたスクリーンプレイと原作者 W.P.キンセラの小説を続けて読むと、そのトーンがだいぶ違うように感じられました。最近また読み返してみたのですが、原作は“真面目な感じ”がするのです。

 

 私たちが現実世界だと感じている物理空間は、じつは、情報空間の底面です。

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 その底面での事象はすべて結果。高次の情報空間における何らかの“因”の“果”です。そして、その“果”は別の“因”を生みだします。それが因縁生起 縁起です。

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映画でいうと、まずは監督の意図があります。それがビジョンとして共有されながら、ストーリー(原作・原案)、セリフ(脚本)、構成(編集)、映像(撮影)、音(音響)、音楽(作曲)などとの双方向の関係性の中でひとつの作品となっていきます。

もちろん演技(俳優)も大切な一部ですし、実装(インプリメンテーション)のための制作、配給、興行、広報等も欠くことができません。1本の映画(全体)は数多くの機能・役割(部分)が集合したゲシュタルトです。

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 なので、できあがってみると(connect the dots)、原作者の世界観とまったく異なるものになっていることが少なくありません。いい意味でも悪い意味でも。その強烈な一例として、私が真っ先に思い出すのはハリウッド版ドラゴンボールw

(「DRAGONBALL EVOLUTION」、2009年)

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 その違いを生みだすのはブリーフシステム。さらに突き詰めると、新たなブリーフを生みだすゴールであるといえます。映画の場合、実質的なリーダーのゴールです。

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 そんなことを考えていたら、Field of Dreams原作者のブリーフ(&ゴール)が気になりました。そこでW.P.キンセラのことを調べてみました。

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 1935年にカナダで生まれたキンセラは、アイオワ大学(アイオワ州は原作・映画の舞台です)やヴィクトリア大学で文学を学び、カルガリー大学で教授を務めました。1982年に小説「シューレス・ジョー」を発表し、1989年の映画化で注目されました。

その頃インタビューで、よく「人生は難しく、そして死に逝くものだ」と語っていたそうです。

 

おそらく本心だったのでしょう。そのブリーフが物理空間に写像として投影されて、原作小説の“真面目な感じ”にあらわれたのだと思われます。

(もちろん、私の側の情報処理も大きく影響しています。双方向です)

 

 「人生=難しい」「人生=死に逝くもの」というブリーフがあると、楽しさや喜びといった明るい面や生そのもののすばらしさが認識しづらくなります。スコトーマに隠れてしまうからです。

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 希望がスコトーマに隠れたままだと、やがては絶望に支配されていきます。そうなると生命力そのものが失われていきます。

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 本人のブリーフやブリーフが生みだす心象風景(情報場)は、縁ある者の情報処理にも影響を与えます。「ホメオスタシス同調」によって。「人生=難しい」「人生=死に逝くもの」と考えている人の人生が、本当に「困難な死への道のり」に感じられてしまうのです。

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 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

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 実際、ある記事では「原作者であるW.P.キンセラの人生も不遇なものだった」と書かれていました。きっかけは車にはねられたこと。頭部負傷後、味覚や嗅覚を失った上に集中力を保てなくなったキンセラは、執筆活動を断念することになったといいます。「もう書くことができない」と嘆いてばかりだったそうです。

 「頭部を負傷」「味覚と嗅覚を失う」は身体的苦痛、「集中力が保てない」は心理・精神的苦痛、「執筆活動を断念」は社会的苦痛、「『もう書くことができない』と嘆いてばかり」はスピリチュアルペインと理解することができます。まさに四重苦です↓

 L-001;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html

 L-005;「4つの苦痛」と健康(well-being)の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24642277.html

 L-006;「4つの苦痛」(部分)どうしの関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24682654.html

 L-007;スピリチュアルペインとは?

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 その後数本の短編やノンフィクションなどを手がけたものの、長編小説は脱稿できなかったといいます。セルフトークにより強化された(V)「もう書くことができない」というイメージ(I)が現実化した(R)のです。

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そして20169月、代理人によって「死因は公表できないが、81歳で亡くなった」と発表されました。同年6月にカナダで成立したばかりの法律に基づいた安楽死だったと報道されています。

 

「人生は難しく、そして死に逝くものだ」が口癖だったキンセラの最期は、自らの意思による安楽死

 

 Field of Dreams」原作者の「生と死の間(between life and death)」から、私たちは何を学ぶことができるでしょうか?

 L-009;抽象度の高い視点により混沌(カオス)からシンプルな法則を見いだす感覚

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苫米地式認定コーチ                       

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記1

 その違いを生みだすのはブリーフシステム。さらに突き詰めると、新たなブリーフを生みだすゴールであるといえます

 

映画の場合、実質的なリーダーのゴールができあがりを左右します。もっと突き詰めると「ゴールの抽象度」です。

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

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 2例紹介します。

 

 シルベスター・スタローンの代表作「ランボー」の5作目(「RamboLast Blood」)が20199月に公開されました(日本は20206月)。

 原作「一人だけの軍隊(First Blood)」(1972年発表)の作者 ディヴィッド・マレルは、その最新作を「この映画はグチャグチャな駄作だ。関りがあるのが恥ずかしい The film is a mess. Embarrassed to have my name associated with it.」と酷評しました。

 私もまったく同感です。主人公 ジョン・ランボーは1作目(「First Blood」、1982年)から年を重ねるごとに「公憤」に向かっていたはずなのに、5作目は超低次元の「私憤」でしかなかったから。「史上最強の頭脳戦が今、はじまる-」という宣伝コピーが空しく感じられました。

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 もう1例は「ジャスティス・リーグ / JUSTICE LEAGUE」(201711月)。

 スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンといったDCコミックスのヒーローが集う実写映画の監督は、紆余曲折を経てザック・スナイダー(Zack Snyder1966年~)に決まりました。しかし、本撮影終了後、突如スナイダーは降板。

(プロデューサーを務める妻 デボラ・スナイダーも一緒に降板。後に娘が急逝していたことが公表されました)

 追加撮影とポストプロダクションを担当したのはジョス・ウェドン。「アベンジャーズ / Marvel’s The Avengers」(2012年)や続く「AvengersAge of Ultron」(2015年)の監督です。マーベルコミック内の様々な主人公達のクロスオーバーを見事に描いた手腕に期待が高まりましたが、蓋を開けてみると大ヒットとは程遠い結果に終わりました。同年に公開された「ワンダーウーマン / Wonder Woman」の興行成績をも大きく下回っています。

RottenTomatoesの評価は40%。「曖昧な美学、薄いキャラクター性、混沌としたアクションにより最初のスタートには不十分である」と評されています。

 

 公開当時、私は「急遽監督を引き継ぎ、期限内に完成させなければならなかった」という状況に同情していました。ところが、後日、一人の俳優の発言をきっかけにイメージ(現実)が大きく変わりました。

 F-110~:情報が書き換わると現実が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_386190.html

 

 サイボーグ役のレイ・フィッシャーが、撮影現場でのウェドンについて「キャストとスタッフへの対応は下劣で虐待的でプロ意識に欠ける、受け入れ難いものだった」とツイッターで告発。その後ガル・ガドット(ワンダーウーマン役)が続くと、ウェドンが90年代に手がけた出世作でもあるTVシリーズ「バフィー 恋する十字架」の俳優たちが次々とパワハラ・モラハラ・マタハラを訴えはじめたのです。ついには元妻まで。

 

 ハラスメントの根底には差別意識が存在します。その差別を生みだすのはゴールの抽象度の低さ。その抽象度の低さが駄作となった原因かもしれません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 じつは、一連の騒動は新たな“因”を生みだしました。スナイダーのビジョンに忠実な「ジャスティス・リーグ」公開を求める声が沸き起こったのです。ファン・キャスト・スタッフが一体となった嘆願は大きなうねりとなり(オンライン嘆願書への署名は18万人以上)、ついに制作・配給のワーナー・ブラザースを動かしました。

 「Snyder Cut」と呼ばれる新たな「ジャスティス・リーグ」は、20213月から配信がはじまっています(日本は同526日~)。

 

 2つの作品の本質的な違いは、監督の「抽象度の差」にあるはず。私はもうすぐ届くBDで確認します。文字どおり“JUSTICE”が結実したといえるSnyder Cutがとっても楽しみです!

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-追記2

 文字どおり“JUSTICE”が結実したといえるSnyder Cutがとっても楽しみです!

 

 コーチングにおいても大切なことですが、空観なき“JUSTICE”はとても危険です↓

 PM-06-21:仮説14)空(くう)なき実観の行き着く先にあるもの

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 F-176~:“幸福(well-being)”とは? ~antiwithwellpart

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